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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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最初で最後のマスターズ?
この記事を書いたときは、石川遼を騒ぎすぎるマスコミへの警鐘の意味も込めて、現実は厳しいことを述べたのですが、その厳しい現実に打ち破って、石川はサン・クロレラ クラシックで今季2勝をあげました。賞金ランキングは現時点(2009・08・03)で1位、ワールドランキングもマスターズ参加資格の50位に後一歩に迫りそうです。

ここまでくれば、もう立派な一流プロゴルファーなのは間違いなく、たとえ来年のマスターズに出られなくても、将来いくらでもチャンスがありそうです。飛距離も海外一流プロに引けを取らず、若いころから潰されることもなく経験を積み続けていることを考えると、初めてメジャーに勝てそうな日本人選手が出てきました。

少し図々しいかもしれませんが、自分の眼力がなかったというより、石川遼の成長がそれだけ目覚ましいと言ってよいと思います。このコメントが、「またも気が早すぎた」ということがないことを祈っています。

石川遼

マスターズの招待状を見せる石川遼

ゴルフに興味のない人にはどうでもよいことかもしれませんが、2009年のマスターズに日本から17歳の石川遼が出場しました。マスターズは言うまでもなく、ゴルフの4大大会の一つで、その中でもテニスのウィンブルドンのような独特の格式を持っています。マスターズに「出場」する約100人の一人になることは、はゴルファーにとって最高の名誉であり、あこがれです。

石川遼はわずか17歳という若さで、そのマスターズに出場しましたが、結果は前半2日を6オーバーで終わり、後半2日のプレーに進むために約半数が振り落とされる予選を通過することはできませんでした。それでも17歳の初出場としては決して恥ずかしいものではありませんし、ドライバーなどは日本人選手として例外的に参加プレーヤーの平均を上回る飛距離を打ち、この若者にまぎれもなく天才的な資質があることをうかがわせるものでした。

スポーツの世界で有望な選手が現れた時は、誰でも注目するものですが、石川遼の場合はアマチュア時代、日本のプロゴルフトーナメントで16歳という史上最年少で優勝したという衝撃的な登場と、「はにかみ王子」とあだ名をつけられたような甘いマスクで、圧倒的な人気があります。昨年石川はプロに転向し、その年に日本の賞金ランキングで5位となりました。プロゴルファーとして、17歳になるかならないうちに、一流の地位を獲得したわけです。石川遼のおかげで、低迷を続けていた日本男子プロの人気は、大きく回復することができました。

その石川遼が世界最高峰のマスターズに出場したわけですから、マスコミが大いに盛り上がったことは当然です。さすがに優勝の可能性を取りざたしたものは、あまりありませんでしたが、同じくマスターズに出場した。日本の賞金王の片山晋呉や、アメリカのPGA(プロゴルフのトーナメントシリーズ)で上位を獲得して選出された今田竜二そっちのけで、石川が話題の中心になりました。

それはそれで、とやかく言う筋合いのものではないのですが、石川の予選通過ができなかったことに「若い石川には、これからいくらでもチャンスがあるから」というコメントが多かったのは、ちょっと気になりました。なぜなら、マスターズに出場するというのは、決して簡単なことではないからです。

マスターズに参加資格は、過去のマスターズの優勝者全員という特殊なものはありますが、前年度のマスターズ16位以内、PGA(アメリカのプロゴルフトーナメント)の賞金ランキング30位以内など、通常はその時の最高のプレーヤーだけが出場を許されるものです。アメリカPGAを主戦場にしている今田はもちろんですし、片山も日本の賞金王という肩書に加え、世界ランキング39位の資格で選ばれました。

その中で石川は、日本選手が比較的有利に評価さえる世界ランキングで64位と、参加資格の一つの50位以内にかなり近かったことと、何と言っても17歳という若さの話題性が、マスターズの宣伝になるという価値を認めらて選ばれました。マスターズ実行委員会のかなり政治的、マーケティング的判断と言ってよいでしょう。

それでは来年はどうでしょうか。石川はアメリカでプレーをあまりしませんが、アメリカPGAの正式のトーナメントで優勝することが一度でもあれば出場資格を得ることができます。しかし、これは日本のトッププロでアメリカで10年近く戦った丸山茂樹が3回優勝したのが、日本人として最高の成績であることからわかるように、容易なものではありません。丸山以外でPGAで優勝したことがあるのは、青木功と今年マスターズに参加した今田竜二が、それぞれ1回づつだけなのです。

唯一可能性がありそうなのは世界ゴルフランキングでの50位以内ですが、今のところそれに日本で該当するのは片山だけです。石川が50位以内を獲得しようとすると、日本のゴルフトーナメントで、少なくとも賞金王を争うくらいの位置に付けていなくてはいけません。こうして考えると、来年再び石川がマスターズに参加できる確率は10パーセントかせいぜい20パーセントでしょう。

それどころか、将来石川が再びマスターズに出場できる確率は、贔屓目に見て半分もないでしょう。つまり今年が石川遼にとって、マスターズの最初で最後の戦いになる可能性は、相当高いというのが本当のところと考えられます。これは別に意地悪とかひねくれた見方ではなく、マスターズの参加資格と過去の日本からの出場者を考えると、常識的なものだと思います。

今年、石川遼がマスターズに出場できたのは、野球で言えば甲子園で優勝してドラフ1位に選ばれた高校生選手が、いきなりメイジャーリーグのオールスターに選ばれたようなものです。そのメージャーリーグのオールスターも常連の日本人選手はイチローくらいで、松坂はまだ選ばれたことはありませんし、松井秀喜も日本からの組織票に支えられて二度出場しただけです。マスターズに出場できるのは、それと同じように大変なことです(全世界から選手を選ぶことも考えると、ずっと難しいかもしれません)。

石川遼の登場の仕方は非常にセンセーショナルなものでしたし、うまく素質を伸ばすことができれば、日本人として初めて本当に世界のトッププレーヤーになれるかもしれません(今田、片山の飛距離では残念ながら難しいでしょう)。しかし、話題性だけで楽観的な予想を振り撒き、少し不調になると見向きもせずに使い捨てにされるようなことがあれば、ずいぶん気の毒なことだと思います。楽しめばいいというスポーツ観戦ですが、マスコミも少しはクールになることも必要だと思いますが・・・・。

ゴルフの記事:LPGAが英語を義務化
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チキンゲームは慎重に
Tepodon.jpg

チキンゲームを買った日本

もともと、北朝鮮というチキンゲームの専門家(?)に対し、日本はアメリカの後について、比較的安全なポジションでチキンゲームに参加していました(チキンゲームは終わらない)。その上、さらにちゃっかりとミサイル防衛網を作り上げるという、世界でも例のない有利な位置に立つことに成功しました(チキンゲームはゲームはもう終わり?)。

チキンゲームで相手を翻弄しているはずの北朝鮮に対し、日本はそれなりに結構うまく立ち回っていたはずなのですが、今回、北朝鮮が始めたテポドンを打ち上げを予め発表するるというチキンゲームに、今度は自分が先頭を切って参加することになってしまいました。北朝鮮のテポドン発射計画を受けて、日本はミサイルが落下したら撃墜すると言って、PAC3を秋田に配備したのに対し、北朝鮮は「そんなことをしたら日本に反撃する」として対抗しています。

現時点(2009・4・3)では、アメリカはゲーツ国防長官が「アメリカには飛んでこないので撃墜しない」と言明していますし、韓国に至っては、秋田でロケをしている韓流スターの身の安全を気にする報道があるくらいで、北朝鮮のミサイル発射に大した脅威を感じていないようにさえ見えます。ロシアや中国は、北朝鮮を支持するまではしませんが、とりたててテポドン発射に制裁を加えようとはしていません。

結局、北朝鮮の仕掛けたチキンゲームに真面目に反応しているのは日本くらいです。これはチキンゲームを使って、自分の都合の良いように事態を動かそうとしている北朝鮮にとっても、あまり面白い状況とは言えません。チキンゲームは、相手が対抗手段に、より強烈な対抗することで展開されるからです。

チキンゲームの必勝法

チキンゲームは、もともとアメリカのカリフォルニアあたりのいかれた若者たちが、全力で二台の車を正対して疾走させ、恐怖に駆られて先にハンドルを切って回避行動を取った方を「チキン(チキン:臆病者)」と言って罵るゲームが語源です(チキンゲームと北朝鮮)。

チキンゲームの必勝法は相手に「自分は相手より勇敢だ(あるいはよりアホだ)」と信じ込ませることです。つまりチキンゲームに勝つには、相手に自分が破滅することを全く躊躇しないほどイカレていると思いこませることなのですが、自分を無茶苦茶なアホだと思わせることにかけて北朝鮮より優れたプレーヤーはいません。

北朝鮮が本当にそう思い込んでいるかどうかは実はわからないのですが、北朝鮮の内情が非常に分かりづらく、外に出てくる言葉は過激なものばかりですから、どうしても相手はハンドルを切ってしまいたくなってしまいます。

チキンゲームの必勝法を実行する(つまり、アホに徹する)には、自分の意思がそれほど強くないと思っている場合は、ハンドルを固定してしまう方法もあります。米ソの冷戦時代、双方はいったん相手が核攻撃をしかけたら、潜水艦その他多くの核兵器が、ほぼ自動的に反撃するようになっていました。命令を出す大統領が死んでいても、反撃は行われるわけです。このような仕組みがあれば、ブラフで相手を脅かしてチキンゲームに勝つ方法は通じなくなります。ただし、この方法は相手にハンドルが固定されているということを、きちんと知らせ、信じさせる必要があります。

この他チキンゲームの必勝法には、本当に正面衝突してしまっても、何ともないように車を丈夫に作っておくというやり方があります。少なくとも90年代まではアメリカは北朝鮮に対し、そのようなポジションをほぼ保っていました。行くところまで行って戦争が勃発しても、北朝鮮は滅亡するが、アメリカを直接攻撃する有効な手段はなかったからです。

日本のミサイル防衛システムが100%有効に機能してくれれば、日本もそれに近い状態になれます。ミサイル攻撃さえ防げれば、北朝鮮が日本を攻撃する手段はほとんどありません。ゲリラを潜入させて、原子力発電所を攻撃することは考えられますが、よほどうまくやらない限り大規模な成功は覚束ないでしょう。しかし、100%の成功確率を断言することは誰にもできないでしょう。

本当に戦争になったらどうなるか

チキンゲームを続けてお互い譲らなければ、最後は正面衝突になってしまいます。北朝鮮との関係では戦争です。ノドンやテポドンが、もしかすると核兵器を搭載して日本に飛んでくることになるでしょう。

日本がどの程度の被害を蒙るかはわからないのですが、下手をすると十万人単位で死亡者がでることになります。最悪のケースとして東京に原爆を落とされたら、かなり致命的な事態となります。

なぜかノー天気な韓国はもっと深刻な事態になるでしょう。韓国には同一民族の北朝鮮が韓国を攻撃することはないと思っている人が沢山いますが、常識的には一度戦争状態が始まると、北朝鮮が攻めてこないということは極めて考えにくいことです。

日本が攻撃されると、安保条約を結んでいるアメリカ軍も北朝鮮を攻撃します(これは「期待」でしかないのですが、条約の存在やアメリカの世界戦略から相当蓋然性が高いと考えてよいでしょう)。その前に、北朝鮮は韓国のアメリカ軍を攻撃するかもしれません。いずれにせよ、38度線に張り付いている、大砲、ミサイルはソウルを一斉に攻撃するはずです。被害者は数百万人に達するかもしれません。

下手をすると地上戦は北朝鮮全部が硫黄島になったような凄惨なものになりかねません。少なくともイラク軍のように簡単に北朝鮮軍が屈伏することはありそうもありません。そのため、朝鮮半島での戦闘でアメリカ軍が核兵器を使う可能性は小さくありません。

それでも最後は北朝鮮は崩壊するでしょう。しかし、その前には何百万人の犠牲者がでている可能性があります(多分そうなるでしょう)。そして戦争が終われば、疲弊し飢えた北朝鮮の面倒を全面的に見る必要があります。つまり、戦争が起これば北朝鮮は国がなくなり、勝った方も甚大な損害を受けた挙句に面倒な問題を抱え込むことになります。

日本はどうすればよいのか?

このチキンゲームは正面衝突までいくと、北朝鮮は絶命、韓国は大打撃、そして日本にとっても命は失わなくても、新品の車を滅茶苦茶にされる程度の事態が予想されます。アメリカも、中東で大忙しなのに、その何倍もの負担を背負い込むことになります。つまり、チキンゲームの結末を容易に受け入れる国はないと言えます。

それでも、北朝鮮は自分が得意とするチキンゲームに相手を引きずり込もうとします。少なくとも過去はそれで利益を得てきたし、将来も必ず相手はハンドルを切るだろうと踏んでいるのです。

こんな北朝鮮に、日本のような国が正面切ってチキンゲームを買って出るのは、とても賢い選択とは思えません。「毅然として」とか「断固として」という勇ましいことを言うのは気持ちが良いのですが、相手はその程度で怯むようなヤワではありません。

北朝鮮のようなチキンゲームをほとんど職業としているような、無頼漢とチキンゲームを戦うのは持っているものが多い方(つまり失うものが多い)がむしろ不利なのです。ではどうしたらよいのでしょう。

必要なことはチキンゲームを成立させないことです。北朝鮮にとっては相手は強い態度に出れば出るほど、より強いカードを切る名目が立つので、状況は有利になります(あくまでも自国民の利益などまるで考えないからできることなのですが)。そんな相手には、相手の手に一つ一つ応えて、どんどん掛け金を増やすようなことをせず、不確実な対応、言い換えればチキンゲームに参加しているかどうか、はっきりしない態度に出る方が有効です。

本当は迎撃態勢など作らず、「節度ある行動を求める」程度で半ば黙殺するのが良いのですが、実際は世論の手前もあり、そのような対応は難しそうです。まして、ミサイルが落下して、人命に被害でもあれば、放置するのは国内政治として極めて困難だと考えられます。しかし、仮に日本人の死者が出ても北朝鮮は「余計な迎撃などしたから、本来出ない被害が出てしまった」などと言って、知らんぷりを決め込むでしょう。

その時、さらに断固とした対応を続ければ、最後は戦争するか、どうするかというところまで行ってしまうでしょう。そうなれば北朝鮮が断然有利な立場に立ってしまいます。戦争を止めるために日本は妥協的な政策をとらざる得なくなってしまうからです。気の違った相手にチキンゲームを挑めば、そうなってしまう可能性は高いのです。

第一次湾岸戦争で、イスラエルは何発もイラクからスカッドミサイルを撃ち込まれ、2名の死者を出しましたが、ついに反撃はしませんでした。イスラエルは通常は「目には目を」的な徹底的な反撃を行うのですが、その時は反撃はイラクの反イスラエル連合をアラブに作らせようという陰謀に乗らなかったのです。

北朝鮮は憲法九条至上の宗教的平和主義が通用するような相手ではありません。しかし、だからこそ安易にアルデナリンの放出の赴くまま、「毅然とした態度」を取り続けることは極めて危険です。ピカピカの新車をボロ車に衝突させて壊すような真似は、絶対に避けるべきでしょう。