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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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逆説的北朝鮮論(2):核兵器は脅威ではない
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核兵器(原子爆弾)が大都市で爆発すると、数十万人あるいはそれ以上の犠牲者が出ます。したがって、「脅威ではない」と言っても、万一ということを考えれば決して無視できるものではありません。

また、北朝鮮自身が核兵器を使用しなくても、他の国に輸出や技術移転をしたり、テロリストに手渡すことを想定すると、世界平和にとって重大な脅威であることは間違いありません。

とは言っても、北朝鮮にとっては核兵器が外交カードである以上、北朝鮮の核兵器がどの程度現実味をおびた脅威なのかの評価は必要でしょう。カードの強さはどの程度なのか、ブラフをかけているのだろうか。もし、今コールしたら勝てるのだろうか、考えておく意味はあります。

北朝鮮は2006年10月9日に核実験を行い成功したと発表しました。北朝鮮は核保有国になったことになります。北朝鮮の核兵器開発能力について高く評価する人たちは、北朝鮮はすでに実用段階の核兵器を開発し、1トン以下、つまりミサイル搭載可能なレベルにまで小型化にも成功していると考えています。

しかし、北朝鮮の核実験については、プルトニウム型原爆による核爆発であったことは認められても、爆発力は広島型原爆の10-20分の1程度と小規模で、爆発はしたものの、おそらく何らかの理由で目標に達しない失敗だったという意見が大勢です。

北朝鮮の核兵器がどのレベルまで実用化しているかは不明なのですが、少なくとも後1回、成功したと確信できる実験を行わなければ、安定的な兵器とは言えないというのが技術論としては妥当でしょう。

安定的に爆発すると確信が持てないものを、ミサイルに搭載できるほど小型化するというのはあまり現実的ではありません。つまり、北朝鮮がとりあえず、6カ国協議やアメリカとの交渉を続けるために、核実験を停止している限り、北朝鮮の核兵器は本当の意味でまだできあがっていないと高をくくってもよさそうです。

それでも、北朝鮮が何とか苦労して、核実験抜きで原子爆弾を安定性や小型化という意味で実用化したと仮定しましょう。北朝鮮はパキスタンに核実験を代理で行ってもらったという推察もあり、確かに他にも方法はあるかもしれません。

北朝鮮が日本やアメリカを核攻撃しようとすると、運搬手段はミサイルと考えるのが常識でしょう。北朝鮮は空軍、海軍とも日本やアメリカに対し核攻撃を行えるような能力を持っていません。ミサイルなら、日本はノドン、アメリカも西海岸であればテポドンで射程範囲にとらえることができます。

しかし、ノドンやテポドンは現代では旧式の液体燃料を用いるタイプです。液体燃料は安定性が低く、発射前に注入作業を行わなくてはならず、偵察衛星に容易に発射準備を察知できます。北朝鮮が核攻撃をいきなり行うとは考えにくいので(あの国にあまり安直な仮定をするのは危険ですが)、燃料注入準備にはいったところで攻撃することは可能です。

ただし、ノドンがスカッドミサイルのような常温保存可能な液体燃料を使用するように改良され、即応態勢が可能とする見方もあるので、これも安心しきるきのは不適当かもしれません。また、ノドンは移動能力を持っているので、偵察衛星で本当に燃料注入を察知できるのか、100%の確信は持てません。

そこで、日本はPAC-3とSM-3の導入により、ミサイル攻撃からの防衛システムの構築を始めました。PAC-3の前身のパトリオットミサイルは湾岸戦争で使用され、実はあまり役に立たなかったことが後から公表されたのですが、PAC-3とSM-3の組み合わせで98%のノドン撃墜はできると想定されています。

98%でも100%には足りないわけですから、まだ心配かもしれませんが、そもそも北朝鮮が相手に致命傷を与えることもできないのに、ノドンやテポドンで核攻撃を行うという理由があるでしょうか。

北朝鮮が大悪党国家であるとしても狂人国家ではないと仮定すると(ふたたび安直な仮定かもしれませんが)、核攻撃を行えば自分が核攻撃を受ける可能性が極めて高い、つまり指導部は死ぬしかないということは理解できるでしょう。

アメリカではなく日本だけ核攻撃した時に、アメリカが核で報復するかどうかは疑問の余地が大いにありますが、逆に日本を核攻撃しても気分的にはすっきりするかもしれませんが、軍事的にはあまり意味はありません。

北朝鮮の自意識から考えて、日本など相手にせず、アメリカと差しで勝負したいと思うはずで、日本を選択的に核攻撃する状況というのは非常に考えにくいものがあります(考えにくいというだけで、絶対にないとは言えないわけですが)。しかも、日本しか攻撃しなくても、アメリカの核で報復されないという保証などないのです。

結局、北朝鮮の核兵器は仮に兵器として存在しても、外交カードに使う以外は、攻撃された時に相手に甚大な被害を与えるという防衛目的でしか役に立ちそうもありません。北朝鮮は言葉は勇ましいのですが、能力的にも戦略的にも専守防衛的な国家です。

もちろん、北朝鮮が防衛の一環として韓国を攻撃すれば、38度線近くに配置された1万門の野砲でソウルは火の海になってしまうでしょう。韓国(と在韓アメリカ軍およびその家族)にとって北朝鮮は現実的な脅威そのものです。

北朝鮮が自分で直接アメリカを狙わなくてもテロリストに原子爆弾を渡して、アメリカあるいは日本の大都市を破壊するということはないでしょうか。このシナリオはアメリカのイラク攻撃を正当化するために使われたロジックと同じです。

北朝鮮に限らず、旧ソ連の核兵器や、パキスタンのようなイスラム国家にある核兵器がテロリストの手に渡ったたらというのは、確かに恐ろしい想像です。旧ソ連の開発した核兵器には車のトランクに十分収まるものもあり(砲弾に入れられるものもあるという話もある)、そんなものを使ってテロリストが攻撃したら防ぐことは非常に困難でしょう。

今のところ、この恐怖のシナリオは起きていません。楽観的すぎるかもしれませんが、今まで起きていないということは、テロリストが手に入れられるような、そして使用できるような核兵器は今のところ存在しないと断定してよいでしょう。

もしアルカイダようなテロ組織が使用可能な核兵器を手に入れたら、きっと使用するでしょう。どんな核兵器でも、911事件のように4機の飛行機をハイジャックしてビルに激突させるより、自分たちの犠牲も準備も少なくて済みます。持っていれば使わないはずがありません。幸いなことに核の漏洩防止努力は報われているようなのです。

もし、北朝鮮がアルカイダに核兵器を売り渡したらどうなるでしょう。アルカイダは必ず使うでしょう。確実に標的はワシントンかニューヨークのどちらかです。

今、アメリカは核兵器および核物質の出所を特定する研究に躍起になっています。核物質が生成される施設、組織は無数にあるので、完璧な識別能力を持つのは大変でしょう。しかし、北朝鮮の核兵器に関しては、昨年の核実験の際に微量な核廃棄物の採取にアメリカは成功しており、同じ原子炉から作られた核兵器なら、ほぼ北朝鮮製と断定できると思われます。

仮に北朝鮮製の原子爆弾がアルカイダによってニューヨークで爆発したらどうなるでしょうか。たぶんアメリカは核で北朝鮮を攻撃するでしょう。原子爆弾でなく水素爆弾を使う可能性すらあります。

北朝鮮が少なくとも金のためにテロリストに原子爆弾を売り渡すことは非常に考えにくいと思われます。核兵器はあくまでも北朝鮮にとって防衛のためのお守りのようなものなのです。

以上いろいろな角度から考えて、北朝鮮の核兵器は兵器としての存在自体疑わしく、使用しようとしても防ぐ方法もあり、使用した場合の被害は北朝鮮にとってあまりに大きいものがあります。論理的には北朝鮮の核兵器は脅威ではない。日本にとってはないのとあまり変わらないということになります。

とはいえ、すべては北朝鮮指導部が一定の理性を有しているというのが大前提です。北朝鮮が大悪人であることまでは許せても(許せませんが)、狂人であることだけは困るのです。しかし、お隣の国が徹底した閉鎖的な独裁国家である以上、この心配から逃れることはできません。独裁はやはり他国にも迷惑な政治システムなのです。(続く

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