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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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アメリカ軍基地は本当に必要?
Okinawamarine.jpg


繰り返される事件

また沖縄でアメリカの海兵隊員が少女を暴行するという事件が起きてしまいました。 少女の年齢が14才ということも含めて、相当凶悪な事件と言って良いでしょう。凶悪な事件ですが、ありふれた事件でもあります。大きな騒ぎになっているのは、もちろん犯人がアメリカ兵だからです。アメリカ軍が関係する事件ということで、一見するとメディアの政治的な立場により、事件に対するスタンスが大きく違っているように見えます。

右派系メディアの週刊新潮は、中国食品の危険性を「「日中戦争」に発展した「毒入り餃子」シンドローム」と特集記事を組んだのと同じ号(08年2月21日号)で、「「危ない海兵隊員」とわかっているのに暴行された沖縄「女子中学生」と、被害者の責任を強調した表題で報じています。加害者が38才、被害者が14才ということを考えると、被害者側にも責任があるというのは、あまり常識的なものの見方とは言えません。この世の中の犯罪は、悪いやつが、人の油断や弱さに付け込んで起こすものがほとんどですから、アメリカ軍兵士の責任が軽くなるような言い方は全く不公平でしょう。

これに対し、朝日新聞は2月13日の社説で「米兵少女暴行―沖縄の我慢も限界だ」として、繰り返される米軍兵士の犯罪への無策を批判しています。ただ、朝日の社説も勇ましい表題のわりに、あまり提言めいたものはありません。沖縄は戦後60年以上我慢させられ続けてきたのですから、いまさら突然我慢が限界になるというのも筋の通った話とも思えません。おざなりで紋切り型の論調に逃げ込んでしまったような印象があります。

「アメリカ兵」による犯罪に対しては以下の3通りの対応しかありません。

1. 在日アメリカ軍を撤収させる
2. そのままの状態を受け入れる
3. できる範囲でできることをする

本当は朝日新聞が1、週刊新潮が2という立場を鮮明にするとわかりやすいのですが、そうもいかないようです。結局朝日新聞と小説新潮は、スタンスが正反対であるにもかかわらず対策は3で同じということになります。 強いて言うと、犯罪の発生防止に、朝日新聞は加害者側の、週刊新潮は被害者側の対策を強調したというだけです。

朝日新聞も住民が一層の注意をすることに異存はないでしょうし、週刊新潮もアメリカ軍が綱紀粛正の徹底など防止策を行うことに反対する理由はないでしょうから、この問題に対して実は同じことしか考えていないということになります。「我慢の限界の沖縄」はそれでよいのでしょうか。

日米地位協定ですべては解決しない

防止策とは別に日米地位協定を改定する、つまりアメリカ兵の犯罪に対する捜査権、裁判権の所在を、より日本側に移行するという話はあります。日本で、日本人に対して行われた犯罪が、日本側が手を出せず、犯人は帰国して罰せられることもないということがあれば、国民感情として許しがたいものがありますから、通常の犯罪について日本側が日本人に対してと同等の捜査、裁判を行えるようにすることは独立国家として当たり前ではないかというのです。

しかし、観光客やビジネスマンは外国人でも、その国の法律に従うことが入国の前提ですが、軍人や政府機関の人間は違います。 日本もPKOなどで、紛争地域に自衛隊員や政府関係者を派遣するときは、その国の司法制度の外側に日本人がいることが前提です。そうでなければ、アフガニスタンやイラクあるいはアフリカ諸国のような司法が存在もしていないようなところに、軍隊を派遣できるはずがありません。 

日本は民主的な司法制度が確立しているので、そのような国々とは違いますし、だからこそ日米地位協定では相当程度の捜査権、裁判権の行使が日本側に認めてられています。しかし、根本的にはアメリカ軍は日本ではなく、アメリカないしアメリカ軍の司法制度のもとにあることは、アメリカ軍を受け入れる以上当然のことと考えなくてはいけません。

それに日本の司法制度は信頼できると言っても、兵士を送る側、つまりアメリカから見るとそうとも言えないでしょう。何しろ完全に無実の罪を着せた事実があっても、法務大臣が「冤罪とは言えない」と言い放つ国です。

現在のアメリカは日本と並んで唯一先進民主主義国の中で死刑の執行が行われている国ですが、全ての州で死刑執行が行われているわけではありません(13の州とワシントン特別区では廃止)。アメリカでは死刑の執行は減少する傾向で、この先死刑は全面廃止または停止になる可能性もあります。

その時、日本で死刑に相当するような犯罪をアメリカ兵が犯したらどうするのでしょうか(その可能性は十分にあります)。死刑が残るような国の司法制度に身を任せなければならないとすると、兵士を送り出すことに、多くのアメリカ人は受け入れがたい気持ちを持つでしょう。

日米地位協定の改定に議論を持っていくのは、日本国民に目に見える対策の中では実現がまだしも容易そうだからでしょう。しかし、日米地位協定で現在より日本側の司法権をより多く認められるようになっても、アメリカ兵の犯罪が激変するというものでもないでしょう。異国で罰せられることには抵抗感は強いでしょうが、日本の刑罰がアメリカより重いかというとそういうわけではありません。

もし、アメリカ軍が日本の平和や安全に役立たないのなら、アメリカ軍を受け入れるのは理屈に合いません。逆に独立した組織行動を前提とした外国の軍隊を受け入れるということは、部分的に主権を放棄することです。それがいやなら外国の軍隊を受け入れなければよいのです。

アメリカ軍の存在は日本の意志

そんなことできるはずがない、と実はほとんどの人が思想の右、左に関係なく思っています。その理由は右や保守の立場からは中国や北朝鮮の脅威ですし、左の立場からは日本は所詮アメリカの占領の続いている国だという思い込みです。しかし、少なくとも左の側の思い込みは間違いです。

フィリッピンは1991年アメリカの海軍、空軍の基地の使用権の提供をアメリカに行うことを取りやめ、アメリカは基地を廃止しました。アメリカ軍ではありませんが、フランスはドゴールの時代にNATOから脱退を表明して、NATOの本部はパリからベルギーのブリュッセルに移動せざる得ませんでした。

そのフランスはアメリカのイラク侵攻にとことん反対し、アメリカを大いに怒らせました。アメリカ議会の食堂はフレンチフライをフリーダムフライと名前を変え、イラク戦終了後「イラクは終わった、次はフランスだ」というTシャツまで作られました。しかし、サルコジ大統領が親米的な政策を掲げると、ブッシュ大統領はサルコジ大統領夫妻を最上級のもてなしで歓迎しました。

日本のメディアはアメリカの大統領戦を報じるときも、どちらの候補が日本に友好的かとアメリカの対日政策にびくびくしているように見えます。しかし、アメリカとの外交関係がどうであれ、日米の経済的な関係が大きな影響を受けるということはないでしょう。中国は現在のアメリカの最大の脅威でしょうが、同時に最大の貿易相手であり、中国はアメリカ国債の最大の保有者です。アメリカ基地を追い出したくらいで、日本とアメリカの経済関係が決定的に悪くなるということは実際には考えにくいことです。

日本が「アメリカ軍基地を置いておくことが住民感情からもはや耐え難いので、基地は出て行ってください」と言ったらアメリカ軍は出て行かざるえません。アメリカが怒るのが不安なら、今後ともあらゆる面で日米の友好関係が続くこと、日本が主体的に極東の安定に寄与すること、ついでに世界的な安定にも物心両面からアメリカに協力することまで約束すれば、破滅的なことになるとは考えられません。

アメリカ軍の撤収を実現することが日本の意志で可能だあるならば、在日アメリカ軍の存在はあくまでも日本自身の選択ということになります。日本のような民主主義国家が、アメリカ兵に対し相当広範囲な司法権限を持つことを地位協定で求めることは妥当でしょうが、出発点が日本の選択なら、ある程度司法権限を外国の軍隊に譲ることは別に独立を放棄することではありません。

右の立場からの、アメリカ軍の存在が中国や北朝鮮がいる極東では必須だ、というのも日本の安全に限定すればそれほど説得力のある話ではありません。核攻撃を除けば日本に中国や北朝鮮が攻め込むというのは妄想に近い話です。在日アメリカ軍基地がなくなっても、アメリカの核抑止力は残ります。

アメリカ軍の機動力維持に日本の場所とインフラが不可欠というなら(絶対に代替不能とは考えにくいのですが)、海軍、空軍の基地を必要最小限提供すればすむことです。いずれにせよアメリカと一定の友好関係(少なくとも武器の輸入ができる程度の)が維持できれば、基地の存在が日本の安全保障になくてはならないというのは、あまり説得力がありません。

日本は経済大国なのです。今の自衛隊の軍事力でも海上からの攻撃には相当程度の対抗力があります。アメリカ軍がなくても自力で安全保障は確保できます。実現の難しさから言えば、アメリカ軍の基地を日本からなくすより、日本独自の核戦力を持つほうがよほど国際的な抵抗が多きいでしょう。日本の核保有は核不拡散条約という国際条約を破ることになりますが、アメリカ軍基地はただの二国間の取り決めです。

アメリカ軍基地を残す価値はあるのか

むしろ、日本からアメリカ軍基地がなくなることの問題は、日本が独自の防衛戦略を展開することが、中国や韓国に不安を与えることでしょう。現在の日本の軍事的動きはアメリカの従属変数ですが、日本が独立変数になってしまうと方程式を解くのがずっと難しくなってしまいます。

軍事的に独立した動きをする日本というのは、アメリカから見ても愉快な存在ではありません。日本国総理大臣が靖国神社の参拝を行うことに反対しているのは、今のところ中国、韓国、北朝鮮だけですが、靖国神社は本当は反中国ではなく反米的な施設です。靖国神社にある遊就館の展示では、第二次世界大戦が、アメリカの対日圧力で止むにやまれぬものだったことが主張されています。少なくともこれはアメリカ側の見解とは異なります。

靖国神社の首相参拝の是非や中国、韓国の非難があたっているかどうかはここでは論じませんが、靖国神社が英霊を弔うという以上に政治的なメッセージを発信している施設であることは間違いありません。各国にある無名戦士の墓などとは、ずいぶん違っています。アメリカ軍基地がなくなれば、反米的なメッセージを発信する靖国神社に首相が参拝することをアメリカも中国と一緒になって非難するかもしれません。

冷戦時代はアメリカ軍基地がなくなればソ連も中国も大喜びしたでしょうが、今となっては日本が軍事的には半独立である方がまわりは安心でしょう。それに独自の防衛戦略を展開するとなると、思いやり予算のような数千億円とは桁の違う費用もかかるでしょう。下手をすると武器の開発も最新型戦闘機などは独力で行わなければならないかもしれません。アメリカ軍と一体となった防衛戦略は、経済的には独自路線より費用対効果が高いことは確実でしょう。

ただし、経済的な効果は高くても、その分アメリカが在日アメリカ軍基地を自分の世界戦略のために自由に使うことは認めなければいけません。イラクやアフガニスタンの問題が日本にとってどこまで重要かは議論があるところでしょう。大国日本は世界の平和と安定に寄与すべきだとしても、アメリカと一体となることがどこまで正しいのかは明確な答えのある話ではありません。

世の中には極端なことを言う人はいくらでもいて、核保有から非武装中立まで、ほとんど何でもありですが、費用対効果、技術的可能性、外交戦略など総合的にかつ緻密に、日本の独立した防衛構想を展開しているのを見たことも、聞いたこともありません(私がというだけですが)。こんな状況では確かに、本気でアメリカ軍基地の撤収を考えることなどできないのかもしれません。

ガソリン暫定税率と同じ

在日アメリカ軍の存在は、最初は敗戦による占領から、次は冷戦時の日本の防衛にと位置づけが変わってきました。占領でアメリカ軍がいたのはどうしようもないことですし、冷戦でソ連に対抗してアメリカ軍基地を置いたのも妥当なことだったでしょう(左の人はそうとは考えない人が多いのですが)。しかし、ソ連崩壊後も中国や北朝鮮に次々と脅威の対象を移して存在を正当化しているのは、無条件で正しいとは言えません。

中国がいかに軍事費を急速に拡張しているとはいっても、名目では日本とあまかわりません。アメリカの軍事的優位は圧倒的で、正面切ってアメリカに喧嘩を売ろうとするのはテロリストくらいです。わざわざ強力な軍事力をアメリカが日本におかなくても、一定の日米友好関係が維持されていれば、日本に攻め込もうとする国は存在しません。北朝鮮は不安定な存在ですが、ミサイルや核を開発していても、アメリカ軍基地はヤクザがピストルを持ったからといって、戦車を警察署に持ち込むほどのかけ離れたものです。

アメリカ軍基地を置き、思いやり予算で費用を負担するのは、本当の目的が次々と変わり、実は存在しなくなっても、事業を続けるある種官僚的な本能のようなものです。本来の目的がすでに存在しないという意味では、道路が足りない頃に制定されたガソリンの暫定税率が、いまだに生き延びているようなものでしょう。

その気になればアメリカ軍基地をなくせるのにそうしないのは、そもそもそのようなことを本気で考える思考回路が右も左も欠落していることと、深くは考えてはいないものの、総合的にはアメリカ軍基地を存続させるほうが日本にとって得だろう、という判断があるからです。「得」だというくらいで沖縄の人が日本にあるアメリカ軍の75%を身近に置くことを我慢しなければいけないのでしょうか。

朝日新聞や週刊新潮を読む限りは、アメリカ軍の撤収の可能性の論議をしたり、在日アメリカ軍基地の日本にとってのバランスシートを考えているとは思えません。口でいくら厳しいことを言っても、しょせんは数年に一度、間抜けな少女が暴行されるくらいです。日本全体の観点で考えるほどの問題ではないということなのでしょうか。

沖縄の住民もアメリカ軍基地の雇用創出効果を考えると、今すぐアメリカ軍に今すぐ出て行って欲しいと思っているのは決して大多数ではありません。そしてアメリカ軍のコストの多くは「思いやり予算」という形で日本国民全体の税金から賄われています。

要は日本は国内的に第一次湾岸戦争で金だけ拠出した国際貢献と同じことを沖縄にしていることになります。アメリカ軍が本当に日本の安全保障や国益に寄与しているのなら、日本人は沖縄に感謝すべきでしょうが、そういうわけでもありません。沖縄は金はもらえるかもしれませんが、右の側も左の側も沖縄に名誉を与えるなど夢にも思っていないようです。

沖縄戦で沖縄住民の4分の一から3分の一は死亡しました。大田海軍中将は海軍次官に玉砕の決別電として,「沖縄県民かく戦えり。県民に対し後世特別のご高配を賜ることを(現代仮名遣いに改めています)」と打電しました。ご高配とは思いやり予算のことなのでしょうか。


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ベルギーのブリュッセルでリラックスしてきました。

ドブリ、ヴェーチャル......ロシア語で、こんばんは。念願のベルギーのブリュッ... 海外旅行大全【2008/03/08 19:29】

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