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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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マーケティング活動としての聖火リレー妨害
TorchOlympic.jpg


(前の続き)チベット問題をアピールした、北京オリンピックの聖火リレー妨害は,長野では複雑な思いを多くの日本人に残しました。こんなことがなければ、有名人やスポーツ選手の聖火リレーをお祭り気分で眺めていられたのが、興ざめどころか何が起きるかわからないという緊張感で見守ることになってしまったからです。

チベット問題が当事者にとって深刻なのはもちろんなのですが、「平和の祭典」としてオリンピックを楽しむのはいけないことなのでしょうか。チベットで深刻な人権侵害やという事実がある限り、北京オリンピックを楽しむのは、欺瞞的、偽善的な態度なのでしょうか。

その通りと思う人も、「そんな煩いこと言わないでよ」という人もいるでしょう。実際には、中国の強力な公安警察や中国政府の北京オリンピック成功への執念から考えると、北京オリンピック自身は、平穏かつ盛大に行われると考えて間違いありません。

少なくともテレビに映るのは、北京市内でのチベット活動家たちのアピールの場面ではなく、華やかな開会式や白熱した競技ばかりになるはずです。チベット問題を引き起こし、聖火リレーを政治的アピールの場に変えたのは、中国の全体主義ですが、オリンピックを平穏に実行できるのも、同じ全体主義のおかげです。

他のスポーツに目を移すと、純真な高校野球は、裏では金まみれの監督や親、先輩の後輩への暴力、有力選手の野放図なセックスだらけです。相撲の相互扶助的な八百長は今や公然の秘密ですが(八百長相撲は必要悪?)、可愛い娘ぞろいの女子プロゴルフは、意地悪と足の引っ張り合いが横行し、男子プロゴルフにいたっては、理事長選挙をめぐって、暴力団を使った脅迫騒ぎまで起こしています。

オリンピックも今回のような政治的アピールに使われるだけでなく、開催都市決定から始まって、あらゆることに膨大な金がなかば公然と動きます。選手は国民の代表と言いながら、スポンサー第一、ばれなければドーピングはし放題、審判を買収して試合に勝っても、恥じるどころか「名誉を守った」と言って大威張りです。

だからと言って、「高校野球を球児が純真だから素晴らしいというのはバカだ」とか「オリンピックは平和の象徴だと思うのは何もわかっていない」などと言う人がよく物事がわかっているとも言えないでしょう。会社員が「わが社の製品は消費者のためではなく、会社の利益を優先している」と叫ぶのと同じで、正しいかもしれませんが、あまり大人の態度とは言えません。「王様は裸だ」というのは子供が言うからよいので、大人が言ったらただの愚かな無鉄砲です。

というわけで、北京オリンピックが開かれる今年の8月ごろには、聖火リレーの妨害騒ぎはとっくに昔話になり、「ニッポン頑張れ!」とタレントが叫ぶのを、ややうっとうしいと思いつつ、日本人がメダルを取りそうな種目だけは一生懸命見てしまう、というのが平均的日本人だと思われます。

チベット問題があるのに、このような態度は嘆かわしいと思う人もいて、そのような人で行動力があれば、北京オリンピック中に何かアピールをするかもしれません。しかし、テレビで報道されるほどのアピールとなると簡単ではありません。北京での派手なアピールは難しいでしょうから、日本でなら何千人も集めてデモ行進するくらいはしなくてはいけません。

沢山人を集めることができなければ、中国大使館に火炎瓶を投げつけるとか(門の外で抗議するくらいでは、当たり前すぎで普通注目されません)相当過激な行動が必要になります。そう考えると聖火リレーの妨害は、宣伝という意味で非常に費用対効果が高かったといえるでしょう。

宣伝とか、費用対効果などという言葉に抵抗感を持つ人は多いでしょう。チベットの人権弾圧に抗議することとは清涼飲料水を売るのは全く違うことです。しかし、「知ってもらい」「主張を理解してもらい」その結果、できるだけ多くの人に「買ってもらう」か「支援してもらう」かの違いだけだと考えると、どちらもマーケティングを通じて、何か(主張または製品)を売っていくということでは共通しています。

チベットの人権侵害は深刻でしょうが、世界中で一番ひどい問題かというとそうでもないでしょう。たとえば、北朝鮮の人権侵害は程度から考えて、中国政府のチベット人に対するよりものましとは思えません。北朝鮮の政権はならず者みたいかもしれませんが、アフリカ諸国に見られるような、無政府、あるいは本物のならず者による政府と比べればまだましです。少なくとも、政府に逆らわなければ、泥棒や強姦を公然と行うことは防いでくれます。

ならず者が何でも好き勝手をする国では、自分以外は誰も自分を守ってはくれません。ルワンダのように、事実上の無政府状態で部族間の争いのために、百万単位の虐殺が起きました。同じアフリカではエイズで親を失った孤児が大量に捨て置かれて、悲惨な生活を送っています。そんな中、チベット問題は世界中の悲惨な問題の中で、世界に訴えるという点で一歩も二歩も前に出ることに成功しました。

1970年代カンボジアのポルポト政権は自国民の20%以上を殺してしまいました。しかし、当時は世界のほとんどは、そんなことは知りませんでした。「バカは報道されたことしか世の中で起きていないと思い込む」という批判がよくありますが、自分の周りで起きない限り、報道された事実以外はほとんどの人は知りようもありません。知られなければ、決して支援も得られないのです。

企業は製品を売るために莫大な広告宣伝費を使いますが、ほとんどの運動団体はテレビCMを打つことは資金的に不可能です。ですから、いかにして報道機関に報道してもらえるかが重要になります。とくにテレビで報道してもらうとなると、「絵になる」ことがとても重要です。テレビカメラの前で、聖火に水をかけるなどは、映像的にパワーがあって、テレビ受けのとても良いものでしょう。

クジラもここまで、執念深く反対運動が付きまとうのは(それでもクジラ食べますか?)、クジラが「絵になる」ということが多分にあります。日本ではシーシェパードの不法行為が問題にされますが、オーストラリアのテレビのように、クジラがだらだら血を流しながら捕鯨船に引きずりまわされるところを見せつけられると、大抵の人(少なくとも欧米人)は反捕鯨派に賛成してしまいます。

主義主張を製品を売るようにマーケティングをするのは決して悪いことではありません。と言うより、自分自身で何とかするのではなく、他人の支援を得ようとすれば、マーケティング活動は絶対に必要です。そして、私たちには郵便箱のダイレクトメールのように、山ほど色々な主義主張、運動が売り込まれてくることになります。

チベット問題は重要だが、北朝鮮の国民はほっておいてよいのか。そもそも自国民が拉致されているのはどうすればよいのか。アフリカのエイズの孤児は気の毒だし、世界中で10億人以上の人が餓死の危機にさらされているのは黙っているのか。北極の白クマは温暖化で滅亡してしまいそうだし、アマゾンの熱帯雨林の乱開発は心配だ。

ナイキはインドネシアの子供を、スタバは南米のコーヒー農民を搾取している。あんなものを買ったり、飲んだりしてはいけないのではないか。アメリカは国外でテロリストの疑いがあれば平気で拷問し、ロシアは暗殺が当たり前。鳥インフルエンザが人間同士でうつったら、世界で1億人くらい死んでしまうかもしれない。生活保護をうちきられて、餓死する人をほっておいて良いのか。

こういったあまり楽しくもない話の中で、支援してもらい、あわよくば寄付金、政府への働きかけをしてもらいたければ、他に先んじたマーケティングを行わなければ、どんなに深刻な問題も埋もれるどころか、気がついてももらえません。儲け本意の企業のCMでも、もしもなければスーパーマーケットの棚から何を選べばいいか途方に暮れてしまうことを防いでくれてはいるのです。

私たちはあらゆることにコミットしたり、あらゆることを支援したりはできません。どんな問題に、自分の金や時間や、少なくとも関心を注ぐかというのは、当の問題の当事者たちのマーケティング活動にかかっているのです。それにしても、拉致問題で苦しむ人たちは、聖火リレーを通じてアピールすることは思いつかなかったのでしょうか。韓国で脱北者はそうしました。やはり日本人はオリンピックを聖なる平和の祭典と思い込んでいるのでしょうか。それはそんなに悪いことではないでしょうが。

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この記事に対するコメント

チベットの問題は深刻ではない?

理由は世界一深刻では無いから?

北朝鮮の方が酷い?

・・・?

あなたは南京事件で1000人でも殺害されたから
南京大虐殺はあったと言っていたのでは?

でしたら。チベットの問題も深刻では無いのではないでしょうか?

インドにいこうとして
国境を渡る少年を容赦なく撃つ国が深刻ではないのでしょうか?

【2008/04/30 07:59】 URL | サンズ・オブ・リバティ #- [ 編集]

もちろんチベット問題は深刻ですよ
サンズ・オブ・リバティーさんへ、

私はこの問題に3つブログを書いて、どれでも「チベット問題は深刻」だお直接、間接に書いています (普通に読めばそうなるでしょう?)。 タッチが少し皮肉っぽいんのは、世の中がそうなのです。 いい製品が必ずしも売れるとは限らないように、正しい主張でも、サポートを得られないことはいくらでもあります。チベット支援の個人、団体はその中で善戦してはいますが。
【2008/04/30 08:17】 URL | RealWaveConsultinh #- [ 編集]


タッチが少し皮肉っぽいんのは、世の中がそうなのです

↑いいえ、これは反対させていただきます。

あなたが『皮肉に彩られた世の中』という幻想をご自身の脳内で勝手に作り上げて大上段からものを言っているだけです。
再度申し上げますが、あなたはものの本質を勘違いしていらっしゃるだけです。

『チベット支援の個人、団体』が『正しい主張』をしているわけではありません。

ダライ・ラマ14世御本人が、チベットが存亡の危機に立っているので他国の皆さん助けてくださいませんかとお願いされている。ただそれだけです。
支援者はそれに賛同しただけです。
この主張(というかお願い)が『正しい』と評価されるかどうかは問題ではありません。ただのお願いです。それ以上でも以下でもありません。
ここに情緒的ベクトルを読み出そうとするのは受け手それぞれの感性です。民主主義国家ですのでそれを表現することも自由です。
繰り返しますが、チベット問題を解決に向かわせたいとする支援者の動きに正誤評価は関係ありません。
さらに、韓国で脱北者が中共に対するアピールを行ったのは、脱北者自身が中国側から亡命後の対応を巡り直接の圧力を受けて非人道的な立場に身をさらされたからです。これに対し、拉致問題で苦しむ日本人被害者は中共から直接的被害を被ってはいません。聖火リレーを通じてアピールは、それこそ部外者の悪乗りとなります。あなたのおっしゃっていることは、他人のふんどしで相撲をとるのと同義の発想です。あなたの発想を行動化したところで賛同が得られるとは思えません。ここに、マーケティングという言葉を用いるのは間違いです。

たぶん、いろいろな情報を精査せずに受け入れてしまって、混乱された状況であると思いますが、いちどご自身の教義信条から距離をおいて、他者の立場に立ったつもりで状況を眺めて見ることを老婆心ながらお勧めする次第です。
【2008/05/07 11:48】 URL | sakuragi #- [ 編集]


色々な問題があるこの世の中で、特定の物事にだけにエネルギーを使うのはどうかという主張は分かります。
しかし、あなたの主張は人間に聖人君子、もしくは神になれと言っているようなもので荒唐無稽としか言いようが無いですよ。
個々人が自分の思う場所で活動することを皮肉る意味が分かりません。
ビジネスで言っても、この論理で納得してもらえるんですか?
【2008/05/27 11:21】 URL | 一重まぶた #- [ 編集]


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