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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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なぜ女は天皇になれないのですか?
天皇制4


男系天皇、女系天皇、女性天皇

2006年に皇室では41年ぶりの男子となる悠仁親王が秋篠宮の長男として誕生して、大分下火になりましたが、天皇は男子男系に限るべきかどうかというのは、依然として大きな議論になっています。この問題はどのように考えれば良いでしょうか。

天皇の継承についての主張には色々なバリエーションがあるのですが、大きく分けて3つに集約されます。

1. 天皇は男系男子に限る
2. 女系の天皇を認めるべきである
3. 女性天皇を認めるべきである

この中で2と3の違いは混同されることが多いのですが、中身は大きな違いがあります。男系とは男親が天皇の血筋、女系とは母親が天皇の血筋にあることを指します。つまり娘の子供は男子、女子にかかわらず女系ということになります。歴史上女系の天皇は存在しなかったとされています。

これに対し女性の天皇は過去に例がいくつかあります。ただ、女性の天皇の子供を天皇にすると(父親が男系の血筋を引かない限り)、男女に関係なく女系の天皇になります。女性の天皇の子供が天皇になった例はありません。2と3が混同されやすいように、一般は女系、男系ということより、女性天皇を認めるかどうかということに関心が集まっていました。

悠仁親王誕生前は、皇太子の娘の愛子内親王を皇太子の後に天皇にするかどうかということに焦点があり、女系かどうかということより、女性が天皇になることの是非が問題とされました。仮に愛子内親王が天皇に即位すると、男系の女性天皇ということになります。

もちろん、愛子内親王が天皇になれば、その次の天皇を愛子内親王の子供にするかどうかということになります。これは女系の天皇を認めることですから、男系にこだわる人たちには重大問題になります。悠仁親王誕生までは女系天皇、女性天皇を認めるかどうかということは実質的には同じことだったわけです。

Y染色体神秘説

なぜそれほど男系にこだわるかということで、一部の男系天皇堅持派が持ち出してきた理屈で、Y染色体の継承があります。Y染色体とは人間の染色体の中で男性になることを決定付ける染色体です。人間に限らず、生物の染色体は2個づつペアになっていますが、Y染色体は同じY染色体ではなくX染色体とペアになります。人間の場合、男はXYという染色体のペアを持つのに対し、女はXXというペアになります。人間が男になるか女になるかを決定付けるのはY染色体の存在によります。

Y染色体は女である母親は持っていないので、息子は父親のY染色体を受け継ぐことになります。つまり、男系男子とは同じY染色体を共有する血筋にあると言い換えることができます。この意味で、男系男子というのは生物学的な実態に裏付けられた概念ということになります。

しかし、Y染色体が継承されていくからといって、Y染色体が何か特別に神秘的な働きをしているかとのように言い出すと話はおかしくなります。Y染色体は男女を決定付けるとはいっても、男性を特色付ける遺伝的形質の全てがY染色体にあるわけではありません。

Y染色体自身はX染色体や普通の染色体と比べてずっと小さく、おさめられている遺伝情報も多くはありません。男女の違いはY染色体の中のSRY遺伝子の存在によることがわかっていますが、SRY遺伝子は男女を形成するためのプロセスのスイッチのようなものです。

人間の場合はSRY遺伝子が男女形成のスイッチになりますが、動物によっては温度の高低や、栄養状態がプロセスの引き金になることもあります。Y染色体のスイッチとしての働きを重要視する人もいるかもしれませんが、生物学的、医学的な意味は大きくありません。そもそもY染色体の共有を天皇継承の決定的な条件と考えると、世の中には天皇と同じY染色体を持つ人が多数存在するだろうという推定をきちんと見つめる必要があります。

中央アジアを中心にジンギスカンのY染色体を持つ男性が数千万人もいると言われています。厳密な検証は困難ですが、ジンギスカンの遺伝子が非常に大きな成功を収め(つまり子孫を大量に作り)、圧倒的なY染色体の広がりを持つことができたと考えることはできます。

同様に、天皇の持つY染色体も遺伝子として大きな成功を収めていると考えられます。現在の天皇継承問題からは考えにくいかもしれませんが、歴史上天皇は多数の側室を持ち、多くの子供を作ったわけですから、日本中に天皇のY染色体をもつ男性が多数いると考えるほうがむしろ自然です。

それどころか、騎馬民族進入説のように天皇の祖先は大陸から来たという説をとると、中国、朝鮮にも天皇のY染色体を持つ男性がいても不思議はありません。このようなことは、もし本当に検証しようとすれば科学的には十分可能な話です。

逆に歴史上天皇が本当に生物学的に男系男子による継承を維持してきたかどうかも、検証できます。現在でも古代天皇の墳墓である古墳は宮内庁の管轄で、発掘調査は限定的にしか許されませんが、許されれば全然別の歴史像が明らかになるかもしれません。

Y染色体は男系男子をきちんと定義するための概念と割り切り、それ以上でもそれ以下でもないと考えたほうが妥当でしょう。歴史上男系男子が本当に維持されてきたかも、わざわざ検証などすべき話ではなく、歴史的合意事項と考えるべきでしょう。

天皇と祭祀

天皇を男系男子と限るべきだと主張する人には、天皇の祭祀の重要性を根拠とする人もいます。皇室外交や、被災地への慰問、文化勲章の授与などと比べれば天皇の祭祀への関わりは一般国民にはあまり知られても理解されてもいないでしょう。

天皇が行う祭祀は五穀豊穣を祝う新嘗祭(にいなめさい)をはじめ、驚くほど沢山あります。政治権力から離れた中世以降の天皇は大神主と言っても良い存在で、祭祀を執り行うことで、宗教的権威を持っていました。この権威は明治維新以降敗戦までの近代日本では、天皇を現人神とすることで強化されてきました。

新憲法の下では国家神道は廃止され、天皇の司る数々の祭祀は天皇の私的行事と位置づけられることになりました。しかし、天皇の職務の本筋は祭祀を行うことだというのは、それほど外れた話ではありません。天皇と宗教的祭祀との結びつきは極めて強いのです。

男系の維持は天皇の宗教的な意味合いにとって重要なのだとすると、単なる伝統以上に女系天皇とそれにつながる女性天皇は認めがたいということになります。相撲で土俵上に女は上がれないというのも、ある種宗教的な禁忌です。そうであるならば、男系、女系を議論すること自体無意味とも言えます。

ただ、今や天皇の祭祀は全て天皇の私的行事だとされているように、宗教と天皇との結びつきを厳格に考え出すと別の問題が出てきます。天皇が大神主のようなものだと言っても、仏教が普及してから明治になるまでは天皇の葬儀は仏教で行われていました。本来は西欧的な概念の宗教とは違う天皇の宗教性が、天皇を現人神としてしまった明治以降は違ったものに変質しているのです。

天皇にとって祭祀は重要、というより本来の天皇制とは祭祀そのものなのかもしれませんが、現代の日本人は宗教にはどうしてもイデオロギー的な絶対性を感じてしまいます。祭祀は天皇の私的行事とした微妙なバランスが、祭祀の宗教的重要性を表に出したとたんに瓦解してしまうかもしれません。


いくつかの選択肢

悠仁親王誕生まで焦眉の急と言われていた天皇の継承問題ですが、「次期天皇がいない」という事態になるまでには時間がかなりあります。現皇太子は1960年生まれ、日本男子の平均寿命の80歳になるのは、2040年です。悠仁親王が80歳になるのは2086年。考えてみればずいぶん先の話です。悠仁親王に男子ができれば、問題はさらに先送りできます。

とは言っても、男系男子というのは、かなり厳しい条件です。1千年先も大丈夫かと言われれば、いずれ天皇の継承者がいない状態になる可能性の方が高いでしょう。この際根本的な解決策を講じたいと考えるのは、ある意味当然とも言えます。天皇制を廃止したい、廃止しても良い考える人は今の日本ではごく少数派でしょうから、解決策は次のようなものになります。

(1) 女系、女性天皇を認める
(2) 天皇に側室を置く
(3) 宮家を増やす
(4) 男系の男子をたどって候補者リストを作っておく

このうち(1)を除けば、他は女系および女性天皇を排除するためにはどのような努力も行うというものです。また、(1)でも皇位継承順位を男子、女子で差をつけるかどうかという議論もありますが、とりあえず置いておきます。

いかめしい名前ですが、天皇の男系男子継承を定めているのは皇室典範という法律です。日本国憲法は天皇の地位や役割の規定をしていますが、具体的に皇族の範囲や条件などを決めているのは皇室典範です。皇室典範は法律ですから変更は憲法の改正よりは大分ハードルが低いのは確かですが、どの解決策も法改正が必要です。

女系、女性天皇を認めるというのも、当然法律改正が必要です。ただ、将来男系男子を規定した皇室典範が男女平等を定めた憲法と矛盾するので違憲と最高裁が判断する可能性はあります(誰が原告になるかという問題もあるのですが)。皇室典範が違憲になってしまうと、ルールがなくなってしまうので、天皇選出は混迷を極めることになってしまいます。

一方で、天皇の候補者範囲を広げたり、宮家を増やすことも皇室典範を改正することになりますから、女系、女性天皇容認派と果てしない議論になってしまいます。側室は皇室典範には規定はありませんが、少なくとも一般では公序良俗に反するものです。簡単にはいきそうもありません。

実は(1)から(4)以外の解決策もありえます。側室などおかなくても、代理母(「代理母出産」参照)や人工授精を利用する方法です。代理母ともかく、人工授精は現在の日本でかなり一般的に行われています。ただ、普通の人工授精は、夫側に障害があって妻が第三者から精子を提供されますが、それではY染色体の継承はできません。男子男系派を納得させるのは、他の女性に人工授精を行わなければなりません。側室よりはましと考える人は多いかもしれませんが、一般の人の抵抗感は残るでしょう。

この手の技術は急速に進歩しているので、数十年も先の話であれば、絶対確実に男子を誕生させることが可能になっているかもしれません。人工授精や代理母に対する社会的認識も数十年も経つとずいぶん違ってくることも考えられます。自分の遺伝子を残したいというのは、天皇制とは関係なく人間の本能のようなものですから、結婚によらずに子を作ることはもっと普通になっているかもしれません。

今は決められない

愛子内親王を天皇にという意見が盛り上がったときに、天皇の男系男子継承を主張する人たちから、それがどんなに無知で天皇制に対する無理解からくるものかという批判が相次ぎました。確かに、愛子内親王の天皇即位を支持した人の多くは、単純に「いまどき男女平等は当たり前じゃないか」ということで女性天皇の実現に賛成したのでしょう。女系天皇と女性天皇の区別さえつかない人が多かったと思われます。

しかし、現代日本では男女同権、人間の平等というのは非常に強い社会的規範です。憲法の根本理念の一つでもあります。男女を差別、区別するのは本来はトイレを分けるようなレベルのものしか許されません。男系男子の絶対性を主張するのは相当の説明責任があると考えるべきでしょう。

日本の中には前述の相撲の土俵に女性が立ち入れないといったような、伝統的に女性を排除するものが多数あります。歌舞伎もそうでしょう。刀鍛冶も女性を排除するのが普通でした。日本だけではなく、西欧社会でも男専用のゴルフクラブは少し前まで当たり前でしたし、船乗りは海の神が嫉妬するといって女性が船に乗り込むのを嫌いました。

そのようなものは伝統であったり、慣習ではあっても法律ではありません。法律の中では、女性は離婚後6ヶ月間は結婚が認められないというような、一応生物学的根拠(前夫の子の妊娠の可能性を排除するという)ものを除けば、明確な男女差別があるのは皇室典範くらいです。つきつめれば、天皇制も血統による相続しか認めていないのですから、人間の平等に反しています。個人財産の相続は保証されていますが、公的な地位の世襲が認められているものは他にはありません。

だからといって、天皇の世襲制を否定する日本人は少ないでしょう。色々な矛盾があっても、イギリスを始め、先進諸国でも王制が残っていることもあり、天皇を天皇の子孫が継承することまでは十分な国民的合意ができています。しかし、祭祀の重要性のような宗教的意味づけを始めると、日本人全体が納得するかというと、むしろ逆でしょう。

大概の日本人にとっての天皇や皇室は、にこやかに手を振ったり、被災地をお見舞いする姿、あるいは外国の要人を華やかに迎えたりする姿でしょう。国民が天皇を支持しているというのは、そのような仕事を誠実に勤められているということに対してで、聞いたこともなく理解もできないような神事を司っていることではありません。天皇制は日本の伝統文化に深く根ざしているとは言っても、憲法、法律で規定されている存在である以上、相撲の伝統を守るということなどと比べれば、男女同権との整合性をより厳しく求められます。

天皇の男系男子継承の理由付けを神武天皇以来の万世一系の維持などと言い出すと話はますますおかしくなります。今年は神武天皇の即位を基点とした皇暦で2668年になるのですが、その頃に天皇制が確立したというのは学問的には全くの絵空事です。神話として伝承するのはともかく、国会で法律改正をする理由付けに、そんな怪しげな根拠を元にするわけにはいきません。

一方、女系天皇、女性天皇を容認しようというのは、国民の多数派であっても、男系男子派の先鋭的な抵抗を打ち破って皇室典範を改正しようとするような勢いは現状ではないでしょう。女性天皇を擁護する人たちの多くは天皇制にそれほど強い思い入れはありません。

かと言って、男系男子による継承を確実にするために、宮家を増やしたり、男系男子の天皇候補者のリストを拡大したり、まして側室を認めるなどというのことに国民多数の賛同を得るのは、ほとんど不可能でしょう。国民の支持が十分になければ、天皇制そのものが危うくなります。

天皇制は文化的、宗教的には伝統芸能や、古い神社仏閣のようなものです。男系男子を含め、現代の一般常識とはことなる慣習を持つことはむしろ当然でしょう。しかし、それを皇室典範と憲法と言う形で法体系の中に押し込めようとしたとき、様々な無理が生じます。法事や葬式の実行を法律で強制しようとするのに近いと言っても良いかもしれません。

今の日本で女系、女性天皇を認める、はたまた男系男子を確実にするシステムを定めるなどの決定を行うことは事実上不可能でしょう。それで問題がないとは言いませんが、天皇がいなくなるかもしれないといったことは何十年、あるいはさらに先になります。

それほど先になれば、婚姻や子作りに対する国民の考えが大きく変わることもありえます。科学の進歩で、その気になれば男子を作ることは自由自在にできるようになるかもしれません。どうせ決まらない話なら、仮定の話であまり悩まず先送りするのが利口というものでしょう。こんなことは、わざわざ言わなくてもそうなるのでしょうけれど。
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この記事に対するコメント

プーチン、クリントン、サルコジ、ブッシュ、ワルトハイムなどなどスキャンダル塗れ、金塗れ、血塗れの政治屋を国家元首として仰ぎ共和制にするか。放蕩三昧、不品行の王族を元首として仰ぎ君主制にするか。共和国とは結局アメリカのように万物の価値観を金銭に換算する社会のことです。君主国とは決して金で購うことはできない価値観を国民が共有するということです。俗世の垢に塗れきった社会から人格高潔な人間が大統領に選出されるのはラクダが針の穴を通るより困難なことです。大統領とは政治的駆け引きの産物で、良い人ほどライバル視され排除されるのが世の常です。しかし君主制ならば、俗世の垢とは無縁で人格高潔とまでいかなくとも、少なくとも慈悲の心をもった国王・皇帝を幼少から育成していくことは可能です。多少世間知らずで風変わりな王族が国王・皇帝になっでも、議会と政府が全権掌握しておれば何の問題もありません。今のところ日本皇室は欧州諸王室と比して品格の点でかなり良い点をつけられると思います。あなたが仰るとおり、現代社会では困窮した国民に慈悲の心を示し、癒し、祈ることが王族の最大の役目です。大統領と呼ばれる俗世の垢に塗れ切った俗物に慰められても癒される人などいないでしょう。日本で生まれてよかったなと思うのは両陛下が地震水害等の被災者をお見舞いされるときのお姿を拝見する時ですね。つまり困窮した国民を癒すほどの人格・品格を国王・皇帝が備えているかどうかが重要なのです。そういった人格を備えた君主を数十年の歳月を掛けて注意深く養育して立憲君主として仰げる存在にすることは国民・政府・議会が一致協力していけば困難なことではないのです。私は小泉元首相、竹中教授、小池女史やホリエモンに類する人間を大統領などと呼びたくはありません。
【2008/09/28 17:24】 URL | ニホンカイ #ECn66tzA [ 編集]

平等原則と天皇制
いつも素晴らしい論考を拝見し多大な感銘を受けております。今回のエントリには若干の違和感を持ちましたのでコメントさせて下さい。

まず、平等原則と天皇制との間の矛盾は、伝統と法との矛盾ではなく、法に内在する矛盾と捉えるのが正確ではないでしょうか。ご自身も指摘されておられるように天皇の地位は世襲ですが、これは法律ではなく憲法の明文によるもので(2条)、本来であれば、これ自体が身分上の差別(14条)にあたるはずだからです。

また、皇室典範の男系男子主義が違憲とされる可能性は殆どないように思います。前述のように、憲法自体が身分制原理に基づく天皇制を採用している以上、平等原則は天皇ないし天皇家には及ばないと考えるのが一般的だからです。男女差別が身分上の差別より重視されるべき根拠があるでしょうか。
【2009/07/18 04:32】 URL | 法学の徒 #- [ 編集]

Re: 平等原則と天皇制
私自身は法学の専門家ではないので、憲法上、法律上、天皇制の持つ世襲、男女差別が違憲とされるかどうか明確な判断はできません。ただ、おそらくそのような訴えがあっても(訴えが原告の利益にならないと門前払いされないとして)違憲とされることはないと思います。

ただ、違憲でなかろうと法律違反でなかろうと、そのような枠組みが日本国民の納得をどの程度得られるかは別問題です。日本人で天皇の世襲に反対する人は少数派でしょうが、すくなくとも悠仁親王誕生前は天皇が男子に限るということに違和感を感じる割合は相当あったと思います。

日本国民の総意は本質的に憲法に優先しますから(憲法なんか変えてしまえばよいわけですから)、国民が納得することは極めて重要です。その意味で男系男子しか天皇になれないということの説明責任は大きいと思います。

しかし、現時点は女性を天皇にしなければならない必要性は間近には見えていません。国民の意見は収束しないでしょう。議論が煮詰まるには時間が必要です。

> いつも素晴らしい論考を拝見し多大な感銘を受けております。今回のエントリには若干の違和感を持ちましたのでコメントさせて下さい。
>
> まず、平等原則と天皇制との間の矛盾は、伝統と法との矛盾ではなく、法に内在する矛盾と捉えるのが正確ではないでしょうか。ご自身も指摘されておられるように天皇の地位は世襲ですが、これは法律ではなく憲法の明文によるもので(2条)、本来であれば、これ自体が身分上の差別(14条)にあたるはずだからです。
>
> また、皇室典範の男系男子主義が違憲とされる可能性は殆どないように思います。前述のように、憲法自体が身分制原理に基づく天皇制を採用している以上、平等原則は天皇ないし天皇家には及ばないと考えるのが一般的だからです。男女差別が身分上の差別より重視されるべき根拠があるでしょうか。
【2009/07/18 22:45】 URL | RealWave Consulting代表  #OVWif65Y [ 編集]

平等原則と天皇制
お返事ありがとうございました。エントリの結論には賛同できるのですが、この結論を導くために男女平等という観念を殊更に強調する必要があるようにはやはり思えません。

天皇の地位が、ある血筋に限られているということと(血統主義)、男子に限られているということ(男子主義)とは平等原則からすれば同質の問題と見るのが法学者の通説的な見解であり、かつ国民の大多数の見解だと思います。

言うまでもないことですが、血統主義と男子主義は、論理的な包含関係にあります。「男子に限る」という命題は、「子に限る」という命題を当然に含みます。両者の反価値性は、程度が違うだけで本質的には同じと考えるのが自然です。

男子主義が血統主義より問題視されやすいのは、それがより強い差別だからではなく、破綻が生じる可能性が大きいからでしょう。つまり、天皇家に子が生まれない可能性よりも男子が生まれない可能性の方が大きいということです。

とすれば、端的に破綻回避として論ずれば足りたのではないでしょうか。思想的中立性を保とうとされたのかとも思いますが、その意図とは逆の結果になっているのではないかと。
【2009/07/29 05:06】 URL | 法学学徒 #- [ 編集]

ここだけは
興味深いお話でしたが、ここは引っかかります。
--------------
大概の日本人にとっての天皇や皇室は、にこやかに手を振ったり、被災地をお見舞いする姿、あるいは外国の要人を華やかに迎えたりする姿でしょう。国民が天皇を支持しているというのは、そのような仕事を誠実に勤められているということに対してで、聞いたこともなく理解もできないような神事を司っていることではありません。
--------------
天皇のお仕事は祭司です。
それ以外は下品な言い方ですが、おまけです。
そもそも天皇は国民の前にわざわざ出てくる必要はないと思っています。
外国の要人に会うというのは陛下でなくとも代わりはいます。
ですが、祭司だけは代わりがいません。
祭司は直接一般人とは関係ないことですからなじみがないのは当然ですが、
なじむ必要もないと思います。
なじむ以前に国のこと天皇のことを知らないのは教育に問題があるからだと思います。

ビジネスと法律とかけ離れたことを言いますと、
誰が言っていたか忘れましたが、「日本は綿あめのような国」だと言う言葉を聞きました。
日本人は今でこそ集団依存症のように見えますが、
もともと国民の間でまとまりはなくて好き勝手にしていますが、
天皇を言う存在があるからこそまとまることが出来るという意味でした。

ですから天皇はいてくれるだけでいい存在だと思っています。
普段何をなさっていようと祭司の内容がどうかなんて、
知ったところで金儲けの足しにはなりません。
天皇とは無私の存在です。
無私だから祭司もご公務も誠実で、理屈抜きに国民を感動されられます。
そんな尊い方がいる。それで十分ではないでしょうか。
【2012/05/17 14:35】 URL | heart14141356 #- [ 編集]


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