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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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あんまりだよテロ支援国家指定解除
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あまりにふざけた茶番

このブログは「中立的立場が強すぎる」と文句を言われるほど、対立する問題には両方の見方を紹介するように努めています。また、陰謀史観的な検証できないような推測はできるだけ排除しているつもりです。ついでに言うと、拉致被害者家族会が拉致被害者の奪還というより、むしろ単なる対北朝鮮強硬論の代弁者のようになっているのもそれほど好ましいとも思っていません。

それでも、今回の日本政府が北朝鮮が拉致被害者の調査再開、よど号ハイジャック犯の日本送還の見返りに経済制裁緩和の意向を発表したことと、それから1週間も経たずにアメリカのライス国務長官が、北朝鮮の核計画申告の実行と引き換えにテロ支援国指定解除の方向を発表したことは、あまりにふざけた茶番と言わざるえません。

日本政府はアメリカ政府にテロ支援国指定解除に拉致の問題を配慮するように申し入れ、ライスは「米国にとっても極めて重要な問題であり、圧力をかけ続ける」と語っています。しかし、日米の北朝鮮政策の軟化姿勢が偶然同時期に行われたということはありえず、シナリオとしては最初にアメリカのテロ支援国家解除の方針があり、その地ならしとして北朝鮮の政府拉致再調査、日本政府の経済制裁緩和の意向発表があったと思うのが常識でしょう。

要はアメリカのブッシュ政権が北朝鮮の核放棄への道筋をはっきりつけたという外交上の得点を稼ぐために、どんなに見え透いていようと、露払いとして拉致問題の進展、テロ支援国の明確な根拠であるハイジャック犯の送還を事前に約束させておいたということです。

北朝鮮は6月27日には各国メディアを招待して、すでに機能停止している寧辺の原子炉の冷却搭爆破を生中継する予定です。視覚に訴える無意味な爆破ショーで、北朝鮮が核放棄に向かっていることをアピールしようということですが、こんなやり方はいかにもアメリカ人が考え出しそうなことです(爆破の費用はアメリカが負担)。もちろん実質的な意味などありません。

アメリカの思い込み

ブッシュ政権はイラクのフセインが大量破壊兵器を開発して、アルカイダに渡そうとしているという思い込みでイラク戦争を引き起こしました。同じように北朝鮮に対して、

(1) 北朝鮮にとって核は生存の手段であり目的ではない
(2) アメリカとのチキンゲームではアメリカの力に屈服する

と思い込んでいるようです。

北朝鮮が核を単なる防衛手段と考えているかどうか、本当の本音は誰にもわかりません。しかし、北朝鮮の核への執着、それに兵器に対し多くの国や人々が持つ、ある種魔術的な所有欲を考えると、何が何でも核兵器を保持しようと北朝鮮が考えていると想像するのが妥当でしょう。いや、対北朝鮮戦略を考えるのなら、その前提から出発すべきです。

考え方の出発点が間違っている上に、アメリカはマッチョ的な自分の力に対する過信があります。力で押しまくれば最後は相手は恐れ入るだろうというのです。太平洋戦争に日本が突入した原因の一つがアメリカのこのような思考方法であったことは確かです。しかし、日本がそうであったように、たとえ不利でも押しまくられれば、イチバチで戦おうと思うことの方が多いのです。イラクもそうでした。

北朝鮮も今の段階でアメリカと戦争に突入するのは望まないでしょうが、最後は戦争することを辞さなければ、どんな見え透いた嘘でも平気でつけるでしょう。どうもアメリカは「嘘をついたら大変なことになるのだから、北朝鮮もそうそう嘘ばかりはつかないだろう」と思っているようです。何度も何度も騙されているのに懲りることがないようです。

いずれにせよ前提が間違った思い込みであれば、どんなにすぐれた情報力や分析力があっても、結論は誤ったものになってしまいます。今回も北朝鮮は核放棄を行おうなど微塵も思っていないでしょうが、アメリカは大きな前進をしたと考えているようです。もっと言えば、アメリカにとってもはや北朝鮮は世界戦略上最優先の課題ではなく、格好だけつけて点数を稼げれば良いと思っているに違いありません。

はるかに遠のいた拉致問題解決

もともと拉致の問題は国際的には小さいというより、ほとんど知られてもいない話です。原子爆弾が爆発したら何十万人の被害者が出るし見当もつきませんし、核兵器がなくても北朝鮮と戦争になればソウルは30分後には火の海になってしまいます。日本が拉致問題ばかりこだわっているのは他国からは理解しがたいものがあるでしょう。

しかし、だからこそ拉致問題は核問題や援助と引き換えに解決する可能性がありました(「逆説的北朝鮮論 拉致は解決できる」参照)。ただ条件としてアメリカと北朝鮮がチキンゲームを続け膠着状態が続くことが前提です。テロ援助国家の指定が解除され実質的な経済的利益を北朝鮮が得てしまえば、北朝鮮が拉致問題解決に努力する必要はなくなります。もはや拉致問題の解決は望めないでしょう。

疑問なのは日本政府がどこまでそのようなことを認識しているかです。拉致問題と核問題と優先順位をつけろと言われれば、核問題でしょう。表向きはともかく拉致問題に拘泥して核問題の解決ができないとすれば、総合的には間違った判断です。しかし、北朝鮮の現政権が核兵器を手放すことは絶対にありえません。経済的に余裕ができればますますその可能性は小さくなります。核問題の解決を優先して、核も拉致も解決しなくなるのです。

ブッシュ政権の思い込みは、アメリカ人全体も相当程度共有していますから、今回の馬鹿げた妥協をある程度ブッシュ政権の成果と認めてくれるかもしれません。しかし日本国民はどうでしょうか。核問題が解決に向かうのなら拉致被害者の救済をあきらめても良いと本音では思う人も多いかもしれませんが、北朝鮮が嘘つき国家であることは骨身に染みているはずです。日本政府が成果を上げたと思うでしょうか。

北朝鮮は国際的信義、常識を持っていないという点で、交渉の相手として手強いのは事実です。しかし、人質立てこもり犯とも交渉を行うことはできます。北朝鮮の思考法はある意味単純ですし、自国民の世論を気にしなくても良いという点でぶれが少ないとも言えます。

北朝鮮との交渉で避けるべきなのは短期的な功を焦って足元を見られることです。ブッシュ政権はあっさり騙されました(あるいは騙されても、見かけをつくろえれば良いと思ったのかもしれませんが)。なぜ日本政府はわざわざ、ブッシュ政権の見せ掛けの成果獲得の手伝いしたいのでしょうか。もはや拉致問題の解決など不可能なので、アメリカのご機嫌を取るために何でも良いから一歩前進のポーズをとったのでしょうか。それでは拉致被害者をあまりに馬鹿にした態度だと思うのですが。
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この記事に対するコメント
そもそも拉致問題に解決はあるのか?
初めまして、唯井です。
貴殿の中立的なBlogに敬意を表する一読者です。

基本的に同感です。
しかし、もう一歩引いて考えてみますと、
北朝鮮が核を手放さないように、拉致問題など解決するでしょうか?

私は、この問題で韓国人は何故同調しないのか?と考えます。
同胞だからでしょうか?
いずれ統一されれば、解決と考えているのでしょうか?

だとすれば、ロシアがソ連と言われた時代の強制収容所の犠牲者
は、なぜ問題にならないのでしょうか?

従軍慰安婦問題でさえ、戦後何年経過しているのでしょうか?

私は、残念ながら問題は(根本的には)解決しない、と見ます。
一度死んだ安部元首相がこの件で息を吹き返すなど、おかしな世論操作
に利用されているだけです。

現実の政治は、もっと怜悧です。
【2008/06/25 16:10】 URL | 唯井 遡 #Ip/fgraw [ 編集]


事実を端的にみれば。
フセインは、核をもっているふりをしたが、実はもってなく、アメリカに攻められて首をくくられた。
金正日は、さっさと核実験をやったので、アメリカからテロ支援国家の解除を受けて、これから支援も貰える。

もしもフセインと金正日の違いがあるとするならば、それは核「疑惑」だったのか、それとも核「実験」だったのか、その1点にすぎない。

結論:フセインも核実験をすべきだった。
【2008/07/11 18:18】 URL | mm #n08XGfOg [ 編集]


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