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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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「国益」を考えない日本の対外援助
ODA1.jpg

ODA(政府開発援助)は先進工業国が開発途上国へ行う援助や出資のことで、日本の拠出額は2007年度で7,800億円です。この金額はアメリカ、ドイツ、フランス、イギリスに次いで5位ですが、GDP比率では非常に低い水準です。

かつては世界一のODA出資国だった日本は、政府財政が逼迫する中で2000年以降は毎年ODA予算を削減しています。対外援助が減ることは、ただでさえ霞がちな日本の世界でのプレゼンスをますます小さくしてしまうのですが、国民のODAに対する見かたは決して暖かいものではありません。

「海外援助なんて現地の政治家や役人の懐に入るだけだろう」「ダメな国に金を与えたって無駄遣いするだけだ」「別に援助してくれたからとって日本を感謝しないだろう」という意見が強いのです。

あまり論理的とは言えない「食流自給率が低い」という農水省のPR(食料自給率の愚)は、かなりの成功を収めているのに、対外援助の減額はよく取り上げられる話題ではありません。

輸入制限で締め付けて国際価格の5倍の値段のバターを国民に無理矢理買わせた挙句、国産生乳の生産が減少してバターが足りなくなったのを「食料自給率が低いからだ」と開き直るのと比べれば、1兆円にも満たないODA予算を無駄だと言うのは、安全保障上もおかしいと思っても良さそうなものなのですが、そうはなりません。

多分最大の原因は、ODAの意義が地球の平和だとか、飢えている子供を救うとかいう、高邁ですが、ある意味きれいごとの建前以上には語られいないことがあるでしょう。

外務省の外郭団体でODAの執行機関であるJICA(独立法人国際協力機構)の緒方貞子理事長の言をJICAのホームページから引用すると「日本も国際社会の一員として、世界の国々と協調しながら解決の道を模索していかねばならないのです。 日本にとって、ODA(政府開発援助)は、国際貢献の主要な手段です。」ということになるのですが、世の中には「国際貢献」なんかより、バターの値段を気にする人のほうが多いのです。

ODAのPRの資料をずいぶん読んだのですが、日本の援助で現地の人が喜んだという話や写真は延々と紹介されるのですが、ODAが日本の資源確保や地位の向上に役立ったという話は出てきません。

これでは製品の技術的優秀性ばかりを言い立てて、顧客にとってどのような価値があるかを説明できない、ダメな営業マンと同じです。感心はしてもらえるかもしれませんが、買ってはもらえないのです。

「そんな営業マンみたいなことができるか、対外援助はもっと高い理想のもとにするもので、目先の利益を追いかけるようでは国際貢献なんかできないんだ」と言うのもわからないのではないのですが、ODAはれっきとした税金から支払われています。宗教団体の寄付金とは違うのです。

確かに、世の中には宇宙ロケットや、遺跡の修復のように直接国民生活の利益にならなくても税金であがなわれるものは沢山あります。防衛費も戦争しない限り、本当に意味があるのかは不確かなのですが、一方的に減額しようという意見は、そんなにはありません。

しかし、ODA予算に限って言えば、ピークだった1997年の1兆1千億円から2007年には7千億円へと40% 近く減少しています。高邁な理想に対する支出は、懐が寂しくなると真っ先に減らされてしまうのです。

日本国民の意識が低いと嘆くのもよいのですが、もしODA予算が減らされるのは日本国家にとって良くないことなのだと思うのなら、やり手の営業マンのように顧客価値、つまり日本国民にとっての価値をもっと訴える必要があります。

被援助国に出向いて活動を続けている日本人は、現地の人の幸せを何よりも考えて献身的に働く必要があるでしょう。そうでなくては困ります。しかし、外務省やJICAなどで対外援助の政策を立案する人たちは、日本の国益に対外援助がどのような役に立つのかの説明責任があるはずなのですが、どうもそのような意識は希薄なようです。

そもそも一つ一つの対外援助が具体的にどのように日本の国益と結びついているか、きちんと考えているか疑問です。皮肉に言えば外務官僚が外交の舞台で大きな顔をするために、ODA予算が大きいほうが良いと思っているだけのようです。

外務官僚に対しては「国益を考えていない」という批判がよく聞かれます。批判は「とにかく日本の主張を強く言い立てて、絶対妥協するな」というものが多いのですが、この場合の国益を考えてないというのは、対外援助と日本国民の利益が論理的に結びけられていないということです。

もちろん、対外援助は息の長い政策です。大局的に考えれば、低開発国がより豊かになることは日本の経済にも安全保障にも有益でしょう。しかし、10年で4割予算を減らされたら、とにもかくにも一般の日本人が納得できるロジックを考えるべきです。少なくともまともな営業マンならそうします。

考えてみると役人は、対外援助だけでなく、公共投資も社会福祉も国民の利益にどう結びつくかを深く考えずに、予算枠の確保を優先しているだけのようです。政治家の選挙にはあまり役立たず、圧力団体も弱体のODA予算がひとり割りを食っただけなのかもしれません。

しかし、長期的であろうと短期的であろうと、税金の使い道は全て国民の利益に役立つものでなくてはいけません。「国際貢献」がなぜ必要なのか、本気になれば説明する方法はいくらでもあるはずです。もし、実はそんなことは考えたことがないのなら、そろそろ考えてみたらどうでしょうか。
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この記事に対するコメント

ODAは国際貢献としては重要でしょうが
政治家や役人のキックバックが多いというのをよく聞きます。
国民の税金ですから無駄なく現地の方の為になるように使って欲しいものです。
【2008/08/04 15:13】 URL | KS #- [ 編集]


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