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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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奇策ではない高速道路無料化論の続き:財源論議
明石大橋
本州と四国には3本も橋を架けたが・・

前回の続き)

国民の借金には変わりはない

高速道路の通行料を無料化すると言った時、真っ先に出る反論は財源をどうするかということです。英語で「No Free Lunch!:タダ飯はない!」と言いますが、高速道路料金がタダになったら、どこかでつけを払わなくてはいけないのでしょうか。

ここで注意しなければいけないのは、高速道路料金の半分以上は過去に積み上がった40兆円の借金を返済するために使われているということです。この借金の貸し手は主として郵便貯金ですが、仮に高速道路会社が破綻して借金が返せなくなったらどうなるでしょうか。

40兆円もの金が焦げ付けば郵便貯金も連鎖倒産する危険があります。民間企業と民間銀行の間で、同じことが起きればそうなるでしょう。

しかし、民間銀行でも預金者の預金は最大1千万円まで保護されます。最近の金融危機では「自己責任」を信条とする、市場主義のアメリカやイギリスでさえ、預金は政府が全額保護しようとしています。

高速道路会社の借金も、高速道路会社の存続とは無関係に、日本政府が保証を与えている実質的な国民の借金です。どうせ国民の借金であるなら、利息の一番安い国債に置き換えてしまうのが得なはずです。

ここで話は高速道路が「たまたま」政府あるいはその関係機関が運営している営利事業なのか、公共財として政府が対価なしで提供するべきものかの議論に戻ります。公共財なら、そのために作った借金を国債で賄うことは当然です。

高速道路建設のための借金を国債で行うことが妥当なら、40兆円は高速道路無料化のための財源議論ではなく、その20倍におよぶ国の借金返済の一部の問題ということになります。

財源論議を借金返済に結びつけるのは危険

国の借金と個人の借金は違います。その違いの根本は、個人は寿命があるが国には寿命がないということです。個人は寿命があるので、最後はきちんと元本を返済しなければいけませんが、国は利息さえ支払えるのなら元本は減らさなくても構いません。

もちろん、野放図に借金を重ねていけば、借金の利息を新たな借金で返済し、なおかつ借金が雪ダルマ式に増えていくという破滅的なシナリオに陥る危険がありますが、今からでも財政の規律を回復して、無茶苦茶をしないように気をつけても遅くはありません(このあたりは「借金なんか怖くない」をご参照)。

むしろ危険なのは、なりふり構わず財源を探し出し(つまり国民から金をむしりとって)借金を返済しようとすることです。国民が返済された借金の分を、消費や設備投資にまわしてくれればよいのですが、溜め込んだままだと、経済は大縮小してしまいます。

これは、国債を買っている郵貯や銀行が償還期限の来た国債の償還を受け、新たな国際の発行もなく、かといって他に安全な借り手もいなくて途方に暮れるという状態です。金が余って、預金利息がますます低くなるという、あまり嬉しくないことになります。

歯止めがなく、ずるずると国債発行額が増加するというのは、体に悪いと判っていて、タバコを吸い続けるようなものかもしれません。 その例えで言うと国債残高増加にやたら神経質になるのは、タバコの煙を吹き付けられたからといって殺人未遂だと騒ぎ立てるようなものです。体に良くはないでしょうが、いきなり死んでしまうような話ではないのです。

国債の発行が一定程度あるというのは、今では経済の生理現象として組み込まれています。国の借金を目の敵にするというのは、必ずしも正しくはありません。

借金の責任は誰にあるのか

多くの人が気分的に納得できないこととして、今ある借金には、需要とは無関係に本州と四国の間に3本も橋を架けてしまって作ったような、バカバカしい借金が含まれていることがあります。こんな借金を作らした連中の責任追及はしなくてよいのでしょうか。

もちろん、しなくてはいけません。しかし、バカバカしい借金の原因は3本の本四架橋だけではありません。「熊しかいない」ような田舎の片側二車線の立派な道路。水が余っているのに、自然を破壊するダムなどなど、「建設工事が欲しくて」作ってしまった、施設と借金の落とし前はどうすればよいのでしょうか。

そもそも、本四架橋にしろ何にしろ、建設工事で利益を得たのは、建設業者や政治家で、利用者ではありません。通行料を高くして無関係な人たちに借金を積み上げた責任を負わせようとするのは筋が通りません。

前回の記事でも書いたように、借金を利用者に被せようとするのは埋没コストは、もはや節約できないお金だということを忘れた発想です。高い通行料は経済的利便性を損ねますし、建設工事で得をした連中を罰する何の役にも立ちません。

ゴルフ場が会員から集めた預託金が返済できなくなっても、ゴルフのプレー代をやたらに値上げするようなことはしません。そんなことをしても、客が集まらず経営が成り立たないからです。預託金を預けた会員は損をしてしまいますが、高速道路の場合は会員は日本国民自身です。腹立たしくても、ツケはもうまわされてしまっているのです。


最後は税金で肩代わりだが・・

とは言っても、高速道路料金の収入が年間2兆円以上あることは確かですから、無料化して何の代替も必要ないというわけにはいきません。

まず、高速道路を新たに建設する費用があります。しかし、これは本来他の一般道路と一体に総合的に考えるべきことでしょう。一定の予算配分で高速道路、一般道路をどのように建設すればよいかを考えるのです。

日本では道路は建設国債という形の借金や、道路特定財源など特別な財源を割り当てられていました。実際には、それらに加えて高速道路の料金があったわけです。

現在の日本のように、かなり道路が整備された状況では、道路だけ特別扱いするのは理屈に合いません。道路というインフラ不足で経済発展が損なわれているということは、ほとんどないのです。道路予算も他の支出項目と同等に、全体としての優先順位を考えるべきです(まぁ、言うほど簡単な話ではないでしょうが)。

いずれにせよ、社会福祉、防衛、道路建設それに国債償還費、利払い費などさまざまな項目のバランスをどう取るか、税金をどのように徴収するかは政策選択の問題です。

高速道路の利用料金は、高速道路を作り続けるという前提を取り外してしまえば、道路特定財源の一部で補えるでしょうし、あるいはコンマ0.5%以下の消費税の増税でカバーできるはずです。

ただ、これはあくまでの財源論議に伴う計算上の話で、道路特定財源の一部や消費税のコンマ何パーセントかを高速道路予算に固定的に振り向けるということではありません。それでは高速道路料金と同じことになってしまいます。

高速道路の無料化に財源問題がないとは言いません。しかし、40兆円の借金をいきなりどうにかしなければいけないという問題でもありませんし、高速道路利権の維持を考えなければ、他の財源(つまり税金)への転換は、それほど大変なわけではありません。

何よりかにより、欺瞞に満ちた高速道路民営化の陰で、十分なチェックもなく政府支出全体のバランスも考えない、現在の状態を続けることがよほど問題です。財源論議の裏読みをもっとするべきでしょう。
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