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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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中国と支那の間
ChinaUN.jpg

支那は尊称?

東京にオリンピックを招致することに熱が入って以来、沙汰やみになっていますが、東京都の石原知事は、中国を支那と呼んで物議を醸すことが度々ありました。石原知事は中国人、朝鮮半島人などをひっくるめた三国人という言い方もしましたが、こちらの方も議論を呼びました。

どちらも現代の日本語としては死語と言ってよいほど使われません。これは侮蔑的なニュアンスを持つからで、石原知事の発言にも内外から強い抗議がありました。石原知事も発言の文脈や、日頃の言動から、少なくとも好意的な意味合いでは使ってないはずなのですが、石原知事は「支那というのは中国の尊称で、支那と言って悪いことは何もない」と言い放ちました。

支那が中国の尊称だという主張は、右派系のネットではよく見られるのですが、使っている人たちが中国に批判的な人ばかりなので、当の本人がそんなことは思っていないのは、常識的には明白です。 

確かに、清王朝が中国を支配していた江戸時代には、日本人の学者や知識人は、地理的な意味合いを示すために、肯定的、あるいは本当に尊称として支那を用いていました。しかし、言葉というのは使う側も、受け取る側も侮蔑だと思えば、侮蔑になります。支那という言葉の使用を擁護する立場から、東シナ海、南シナ海を東中国海、南中国海と呼ぶのかという人もいるのですが、屁理屈以外の何物でもないでしょう。

北朝鮮は侮蔑語

むしろ、中国に反感を持っているのなら、「あんな連中は侮蔑的に呼ぶのが当然だ」と主張した方がよほど理にかなっています。かつて日本の左翼系の人たちは、アメリカのことを米帝国主義、略して米帝を呼ぶのが常でした。「米帝のベトナム侵略を糾弾する」という風に使ったのですが、彼らは「帝国」というのは、大英帝国と呼ぶように、国家に対する尊称だなどとは言いませんでした。

現在でも、朝鮮民主主義人民共和国は、テレビや新聞でも北朝鮮と呼ばれます。普通の呼称として使っているのですが、北朝鮮という呼び方は、地域を指しても国家を指すわけではありません。つまり、朝鮮民主主義人民共和国を国家として認めていないわけですから、立派な(?)侮蔑語です。北朝鮮の側も、韓国のことは南朝鮮と普通は呼んでいます。もちろんこれは、韓国を国家として認めていないからです。昔は、ソ連、中国も韓国と呼ぶより、南朝鮮と言っていました。

「支那と呼ぶのはいけないが、北朝鮮と呼ぶのはいいのか」と言われると、反論は案外難しいものがあります。北朝鮮を日本は国家としては認めていないという理屈はあるかもしれませんが、6カ国協議や国連など、正式な場では日本政府も朝鮮民主主義人民共和国と呼んでいます。北朝鮮なんて悪い奴らだし、みんなそう呼んでいるし、特に相手も文句を言っていないみたいだし、それでいいじゃないか、といったところなのでしょうか。

支那がNGなのは漢字を使うから

支那の語源は諸説があるものの、秦の始皇帝で有名な、秦が語源になっているとするのが有力です。支那という言葉は、仏教が中国に伝来する際に、梵語で中国の地域を指す言葉として、インドから中国に逆輸入された言葉に漢字をあてたものです。支那以外でも、脂那、支英などがあてられています。

一般に世界で中国を呼ぶ時に使われるChinaも、支那と同様の語源と考えられており、この意味では、中国を支那と呼ぶことを批難されるいわれは本来ないはずです。中国を支那と言ってまずいのは、漢字では中華人民共和国という国名があるからです。

中国は、もとともとは、辛亥革命で清王朝を倒した孫文が建国した、中華民国を略したものです。その後、中華民国政府は共産党政権の中華人民共和国に台湾に追われ現在にいたりますが、どちらも「中華」を名乗っていることに変わりはありません。

しかし、中華というのは考えてみれば、相当に自己肥大的な名称です。もとはと言えば、中華思想という、自国だけに文明があり、周りはすべて野蛮国という考えがベースです。実際は「自国」などという概念すらなく、中国は世界そのもの、世界の中心で、他の民族、国家は周辺にいるという考えです。

中華という言葉の持つ尊大な印象に抵抗があったのでしょう。戦前、日本は中国という呼び方より支那と呼ぶことを好みました。支那人、支那事変、支那そば、支那服と、中国と言わず支那を中国の代わりに使うのが普通でした。

結果として、支那という言葉は侮蔑的な響きはなかったものの、中華という言葉を拒否したということで、中国から見れば失礼な呼び方ということになりました。第二次大戦後、中国政府(中華民国政府)の要請により、日本政府は公式には支那という言葉を使わないように通達を出します。

しかし、中華という言葉は尊大なものかもしれませんが、そんなことにこだわり出すと「日本」という呼称も、中国から見て太陽の出てくる方向の国という意味で、「中華」を追認しているとも言えます。日本にとっての「日の本」はハワイあたりです。だからと言って、「日本」は中国に媚を売る自虐的な国名だから捨ててしまえとは、石原知事でも言わないでしょう。

支那と中国という名称が並列して存在し、支那が侮蔑語だとなってしまうのは、日本が漢字を使っているからです。英語では中国は単にChinaですし、正式にもPeoples Republic of Chinaです。中華思想は漢字圏以外では効き目がないようです。

ペ・ヨンジュンそれとも勇俊?

漢字を使っていることで起きた問題には、韓国人、朝鮮人の名前の呼び方もあります。1960年代に軍事クーデターで大統領になった朴正煕は、日本ではボク・セイキと呼ばれていましたが、韓国式にはパク・チョンヒです。日本ではパク・チョンヒと言われてもわからない人が多いでしょう。

逆にペ・ヨンジュンは漢字表記では勇俊ですが、こんな字はどう読んでいいのか、ほとんどの日本人には見当もつきません。このように、韓国人の名前が原語に近いカタカナ読みになったのは、在日韓国人、朝鮮人が執拗に抗議を繰り返したからです。今では、韓国人の名前は漢字表記をすることも減ってきました。

これに対し、中国人は名前を日本風に発音することに抗議をしたという話は聞いたことがありませんし、メディアも胡 錦濤はコキントウでホゥー・ジンタオなどとは言いません。これにはマイナスもあって、英字新聞でHu Jintaoと書いてあっても、誰のことか皆目わからないということになってしまいます。 小平(トウショウヘイ)のDeng Xiaopingにいたっては、普通の日本人にはどう発音したらよいかもわからないでしょう。

いっそローマ字表記に?

この際、外国人の名前や国名はローマ字表記にしたらどうでしょう。ここで言うローマ字表記とはアルファベット表記、つまり元のスペルをそのまま使うということです。この場合発音は、自国流が基本になります。

Peoples Republic of Chinaは、China人民共和国ですから、支那人民共和国と大変近い発音になります。これなら中国政府も文句を言いにくいでしょう。ところが、元のスペルをそのまま使うと大変不便なことが起きてきます。

アルファベット国どうしでは、Georgeは英語でジョージ、フランス語でジョルジュ、ドイツ語ではゲオルグと自国流に発音します。日本人は英語に合わせて、ジョージと読むのが自然だと思いますが、そうするとジョルジュ・サンドはジョージ・サンドになっていささか興ざめです。ついでに言うと、前の法王のヨハネ・パウロ2世は、英語式ではジョン・ポール2世と犬の名前みたいになってしまいますし、ショパンがチョピン、ピタゴラスがパイタゴラスでは、誰が誰だかもわからなくなってしまいます。

かと言って、アルファベットを無理やりカタカナ表記と混ぜ合わせて、Putin(プーチン)をPuhchin、Berlusuconi(ベルルスコーニ)をBerurusukohniにしてしまったら、何のためにローマ字表記にしたのかわからなくなってしまいます。つまり、ローマ字というのは、外国人がカタカナ代りに日本語を勉強する助けにはなるかもしれませんが、日本語を表記する方法としては、全く定着も成熟もしたものでもないのです。

そもそも日本語をローマ字で表記しようというのは、日本語を英語にしようとした森有礼、フランス語にしたらと言った志賀直哉と同じくらい乱暴なこと言えます。文字を換えるのは、言語そのものを換えるのに近いほど大変なことです。

中国は中国、ChinaはChina

結局、中国を支那と呼ぶのは、喧嘩を売りたいとき以外は、言語的に無理のある話です。逆に、中国自身がChinaという、もとは地理的な呼び方を受け入れているのは、そうしないとChina政府であるという立場が失われると危惧しているからかもしれません。

チベットや、ウイグルはChinaという「地域」にくくることはできても、中国政府の支配下にいることは100パーセントの人が認めていることとは言えません。そうでなくても台湾政府は、ついこの間まで、Chinaの正当な政府であると主張していました。

その理屈で言うと、中国を支那と呼ぶのは、暗黙のうちに中国政府が台湾、チベットを含む全中国地域を代表していることを認めていることになるのかもしれません。これは支那と呼びたがる人達の本意ではないでしょうが、中国政府が抗議をする限りは「悪口」「呼び捨て」の類として機能しているのは確かではあります。

ということで、東京オリンピックの招致の行方が決まるまでは、石原知事は支那という呼称は封印して、中国と言い続けるのでしょう。動機はともあれ、相手の気に障ることは言わないというのは、オリンピック精神に合致してはいるでしょう。招致に失敗した後、どうなるかはわかりませんが。
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