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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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イチローよもっと三振を
ichiro (1)

出塁率はイチローの弱点?

アメリカの大リーグのオールスターが始まります。イチローは今年で9年連続オールスターに選ばれ、先発メンバーとして出場します。オールスターの後、後半戦が始まりますが、イチローが今年も200安打を打ち、8年連続200本ヒットの大リーグの記録を塗り替えるかが大きな注目点です。

オールスターまででイチローは128本のヒットを放ち、200本安打までは後72本です。イチローの所属チームのマリナーズは74試合を残していますから、1試合1本ヒットを打てば記録は達成されます。先頭打者を務めるイチローは打席が多く、1試合1本は打率2割3分に相当します。新記録達成は大きな怪我でもしない限り、間違いのないところです。

新記録と並んでもう一つ注目されるのは、イチローが首位打者を取れるかということです。オールスターまでのイチローの打率は3割6分2厘と高打率なのですが、怪我でスタートの遅れたミネソタ・ツインズのジョー・マウアーが、規定打席に到達して3割7分3厘で首位となり、イチローは2位となっています。

もっともマウアーは復帰後4割を超える打率で打ちまくっていたのが、この30日は3割1分6厘と少しペースを落としています。大リーグは強打者が多くイチローといえども首位打者になったのは8シーズンで2回だけですが、今年のイチローは絶好調で首位打者獲得は大いに期待できます。

そんなイチローですが、出塁率が打率と比べて低すぎるという批判があります。出塁率というのは、文字通り打席に立った回数に対し、どのくらい塁に出るかということです。打率では四死球やエラーでの出塁は分母からも分子からも除外されますが、出塁率は全て計算に入ります。

現時点(2007・7・14)でのイチローの出塁率は3割9分3厘ですが、これは打率上位50人中37位です。イチローは打率が高いので、出塁率を打率を割ると1.085倍程度になってしまいます。この1.085という数字は打率上位50人の打者の中で48番目です。イチローと首位打者を争うマウアーは1.196で24位、50人の平均は1.213となっています。

打率も大切ですが、本来野球は塁にどれでだけ出るかが勝負です。抜群の安打製造機のイチローですが、アメリカでチームに対する貢献よりも個人記録にばかり執着しているのではないかという陰口が聞こえてくるのは、全く根拠がないとばかりも言えません。

なぜ出塁率が低いのか

イチローの出塁率が打率と比べて相対的に低いのは、四球が少ないことに理由があります。イチローの今シーズンの四球の数は17個ですが、これは50人中の45番目です。四球の数の1位はプーホールズの71個、2位はフィールダーの67個ですが、マウアーも35個を稼いでいます。イチローが大リーグの平均並みの1.2程度の出塁率と打率の割合を達成するためには、少なくとも30個程度の四球を選ぶことが必要な計算になります。

四球の数は一般的には強打者が多くなります。四球数の1位と2位のプーホールズ、フィールダーはホームラン数も現在1位と6位で、32本、22本を放っています。ホームラン打者は敬遠四球が多くなりますが、プーホールズは71個の四球のうち32個が敬遠です。ただ、意外なのはイチローも11個の敬遠四球があり、敬遠四球の数では4位につけています。ホームラン打者ではないイチローを敬遠するというのは、ヒットを打つ技術を相手が非常に恐れている証拠です。

ともかく、イチローの四球は敬遠を除くとたった6個しかないことになります。イチローは四球を粘り強く選ぶくらいなら、どんどん打っていくのです。どんどん打つので四球だけでなく三振も少なくなります。イチローの三振は32個で、打率上位50人中の40番目です。この三振の少なさは、イチローの選球眼の良さもあるでしょうが、四球の少なさを考えるとどんどん打ってしまうことが三振の少なさにつながっていると考えた方がよいでしょう。

つまりイチローにとっては出塁率どころか、打率さえ必ずしも重要ではなく、ヒットを沢山打つことに全てを集中していると想像されます。イチローが1番にこだわるのは打席数が多く稼げるからでしょうし、ヒットが打てなければ四球を選んでも塁に出ようというこだわりはないのです。

最強打者の指標OPS

出塁率の大切さは単に塁に出て得点の機会を増やすということだけではありません。出塁率を高くするためには、敬遠ばかりされる強打者でない限り、粘り強く四球を選んでいく必要があります。打者が粘り強く打球を選ぶと、ピッチャーは投球数が多くなります。ピッチャーの投球数の管理を厳格に行う大リーグではこれは非常に意味のあることです。粘ることで球数を増やせば、ホームランやヒットを打たなくても、ピッチャーを引きづり下ろすことができる可能性があるからです。

三振は大振りするホームランバッターにつきものと言われますが、粘って四球を選ぼうとすると見逃し三振を取られる可能性も高くなり、やはり増えてしまいます。けれども、イチローほどの打撃術があれば、ストライクとボールの区別がつきにくい臭い球は、ことごとくファールにすることもそれほど難しくはないでしょう。もしイチローがヒット数へのこだわりを捨てて出塁率にこだわるようになれば、たちまち出塁率トップ争いに加わることができるでしょう。

もっとも「出塁率争い」と書きましたが、出塁率は記録としてはほとんど注目されません。打撃3部門と言えば、大リーグも日本のプロ野球も、打率、ホームラン、打点です。出塁率はタイトルとして意味はありません。

しかし、打者の能力を評価しようとすると、打率よりはむしろ出塁率、ホームラン数よりは長打率(出塁数を打数で割ったもの。10打数で本塁打1本、2塁打1本、単打1本は、そう出塁数は4+2+1=7で長打率は7割になる)が真の実力を評価しているというのが最近の考え方です。打点は本人の能力だけでなく、他の打者や打順の影響が大きいので、評価指標としては、必ずしも適切ではありません。

アメリカでは出塁率(On Base%)と長打率(Slugging%)を足したOPS(O Plus S)という指標が打者の能力を測定するもっともすぐれた指標であると言われてきています。OPSの数値がキャリアを通して1を超えたバッターは大リーグ史上8人しかいません(ただし記録は5,000打席以上が条件)。1位はベーブ・ルース(バンビーノの呪い)の1.159です。ルースはホームラン記録で有名ですが、生涯打率も3割4分2厘でイチロークラスです。1.159というOPSは出塁率4割6分9厘、長打率6割9分で達成されています。

OPSの記録は日本のプロ野球では、(少なくともマスコミ報道では)全く無視されています。そもそも、出塁率や長打率もほとんど気にとめられることもありません。それに出塁率と長打率を足すというのも、それが実体的な意味があるのか(たとえば出塁率x長打率ではいけないのか)も今一つ不明確です。今さら打者の真価はOPSで決まると言われても納得する人は少ないかもしれません。

ちなみに大リーグの記録ではイチローのOPSは通算で0.811ですが、松井秀樹は0.851です。最近影が薄い松井ですがOPSで見ると、そこそこやっていることがわかります。今年も松井のOPSは0.884でイチローの0.873を上回っています。打率は低くても、日本に戻れば相当威圧感のある打者でいることはできそうです。

もっと三振を

イチローが大打者であることは何の疑いもありません。シーズン262安打の大リーグ記録、大リーグになっていきなりの首位打者とMVP獲得、守備も8年連続のゴールデングラブ賞。今年9年連続のシーズン200本安打を達成しようとしまいと、野球殿堂入りは確実です。

しかし、イチローほどの打者であれば、個人記録だけでなく、チームに貢献する度合の高い出塁率にもっとこだわってくれれば、相手のチームにとって本当にいやな選手になることは確実です(今だって相当いやな存在でしょうが)。

野球はどんなバッターでも平均すれば3回に1回くらいしかヒットを打てませんし、1週間くらい見ていて、良く打つバッターが打たないバッターより優れた選手だというわけにもいきません。打者の良し悪しはシーズンあるいはキャリアを通じて、統計的にしか決めることはできないのです。その中でイチローがヒット数という確実な統計データにこだわるのは、プロとして当然でしょう。

とは言っても、イチローのような天才バッターが持てる能力の全てをヒットを打つことだけに注ぎ込んでいるのは、いささか残念な気がします。出塁率にこだわれば、四球も増えますが、三振も増えます。イチローの三振がもっと増えれば、それはイチローが個人記録だけにはこだわらなくなってきた証拠かもしれません。
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