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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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財源論議のバカバカしさ
Manifesto-DP.jpg


どうやら政権交代

やっと総選挙が8月30日に行われることになりました。総選挙の最大の焦点は自民党から民主党への政権交代があるかどうかということです。もっとも、どの予想でも民主党の勝利はほぼ確定的で、関心は民主党が勝つかどうかということではなく、どれくらい勝つかということになってきました。

同じ勝利でも、連立政権でなくては多数派を確保できないかろうじての比較第一党と、常任委員会全てで多数派となる絶対安定多数、さらに参議院での否決に再可決で対抗できる3分の2を超えるような圧倒的多数とでは、政局の動きに大きな違いがでます。今のところ、絶対安定多数程度の議席は獲得できるのではないかというのが大方の予想です。

民主党がここまで優位に立つことになったのは、政権交代を実現したいという意思が国民多数に強くなっているからでしょう。民主主義を機能させる上で、政権交代は基本的な要件と言ってもよいものですが、日本では自由民主党設立以来、細川政権の短い例外を除き、政権交代がありませんでした。

皮肉なことに、民主党があまり勝つと、自民党が崩壊してしまうのではないかとも言われていることです。せっかく二大政党による政権交代が実現するのに、一方がなくなって二大政党ではなくなってしまうということもありえます。

全ては国民の財布

自民党が崩壊してしまうかどうかはわかりませんが、民主党も基本的な政策でバラバラな集団の集まりで、崩壊する可能性は小さくありません。それでも、今回の総選挙ではマニュフェストという形で、政党として統一した公約を文書化しています。政権獲得後、マニュフェストに従って、整然と政策を実行していくのなら、内部的な意見の相違は本来は大きな問題にはならないはずです。

政権交代が目の前に迫ったことで大きな注目を浴びることになったマニュフェストですが、民主党のマニュフェストに対し、自民党は財源の裏付けないバラマキだと批判しています。確かに、具体論として出てくるのは高校教育の無償化など支出を伴うものがほとんどなのに、どこからその金が出てくるかというと、「無駄をなくす」の一点張りだからです。消費税は検討するとさえ言っていません。具体的なのは配偶者控除をなくすということくらいでしょうか。

しかし、「財源がどこにあるのか」という質問は良く考えてみればおかしな話です。どのような財源にしろ外国から借りたり、もらったりしない限り、大元は日本国民が自分の財布から支払う以外にはありえないからです。

長年の自民党政権で既得権化したものや、分捕り合戦で獲得されたものには、非効率だったり、無駄だったりするものも多いでしょうから、それらをきちんと削減できれば、他に回す予算は多少捻出できるでしょう。しかし、もし本当に無駄な支出だったら、取りあえず国民に返すのが筋で、無駄を見つけた分を勝手に使ってよいということにはなりません。

本当に必要な支出であれば、他で予算が余るかどうかと関係なく、予算化すべきでしょう。民主党のマニュフェストの施策を見ると、バラマキかどうかは別にして、国民の生活費の補助を行うものが大部分です。ということは所得の再配分を行うことが政策の基本です。財源論議とはどこのポケットからどこのポケットに金を移すかということで、どこからか打ち出の小槌を見つけるという話ではありません。

予算を捻出するのに、無駄を無くすという方法以外に、色々なところに積み立てられている資金、いわゆる埋蔵金を活用するというやり方もあります。しかし、埋蔵金は使ってしまえばお終いですから、当面の増税を回避できるというだけで、恒久的な財源とはなりません。

そもそも埋蔵金と呼ぼうと何と言おうと、国民の財産であることには変わりません。国民の財産を使うというのは、国債を発行して借金で財源を購うのと、国民の立場から言えばなんの変りもありません。埋蔵金を財源と言うのは本質的にはナンセンスです。

経済成長の財源は国債しかない

生活保護も幼児教育の援助も所得の補助は、国民の誰かの支出になるはずの所得を別の誰かに移してしまうことです。マクロ的に考えると、国民全体として負担が増えるわけではありません。使えるはずだった所得を税金で持っていかれる人は嬉しくはありませんが、もらって嬉しい人もいるわけですから、全体として計算上は帳尻が合っています。

ところが自民党の目指す経済成長の実現となると話が違ってきます。経済成長の実現、あるいは同じことですがGDPの減少の回避ということになると、帳尻が合っていては逆にまずいということになります。

GDPは、個人の消費支出、企業の投資、輸出から輸入を引いたもの、政府の支出(政府による最終消費で歳出そのものではありません)を合計したものです。個人が消費を節約したり、企業が投資を控えたら、輸出を増やすか、政府支出を増やすしか、経済成長を実現する方法はありません。

このうち輸出の増加(または輸入の減少)が難しければ、政府が支出を増やす必要があります。このとき、政府が税金を徴収して支出を増やしても効果はありません。その分、個人や企業は支出を減らさざる得ないからです。

結局、経済成長(ないし縮小の防止)のためには税金以外に財源を求めるしかありません。外国からの援助や借金をあてにするわけにはいかない日本は、国債の発行額を増やすことが経済成長実現の(少なくとも短期的には)唯一の手段と言うことになります。

自民党は民主党のマニュフェストの財源の不明確さを非難する一方、自身は消費税を議論の俎上に載せる、つまり消費税の増額を求めることで、責任のある政党としてのイメージを打ち出そうとしているのでしょうが、国債残高をさらに大きく積み上げざる得ないということには口をつぐんでいます。

単純に考えても、日本の500兆円のGDPを2%増加させるためには10兆円の支出増が必要です。消費税を含め、税金を財源にしては意味がないわけですから、10兆円の国債を追加発行しなければいけません。ほっておけばマイナス成長が予想されるのなら、民主党の16兆円どころではない、バラマキが行われることになります。

財政再建は危険な思想

実際には、民主党政権が実現しても、国債を大量発行しても経済の勢いを回復させる必要は出てくるでしょう。国債を唯一の財源として経済成長を実現しようというのは、何も間違ったところはありません。むしろ、危険なのは赤字国債の積み上げを国家の危機と考えて、増税あるいは支出の削減で借金の残高を減らすことを、財政再建と称していることです。

日本人全体から見れば、政府支出も個人消費も日本国民のお金の使い方です。この中で政府部門の赤字が積み上がったからといって、個人から税金を召し上げたり、福祉を削りまくって、財政が再建できたというのは全体を何も見ていないと言われても仕方ないでしょう。

もちろん、国債を無制限に発行していけば、最後は財政というより、国民経済が破綻してしまうでしょう。ただでさえ、政治家はバラマキをしたがりますし、税金を払うのが好きな人はいませんから、長期的に歳出・歳入のバランスを取るには一定の節度や努力がなければいけません。

しかし、財政が再建される、つまり積み上がった赤字がどんどん減っていく状態を作るのは経済的には持続的なマイナス成長の要因を政府が作り出すことで、何もよいことはありません。積み上がった借金は、さらに雪だるま的に増加するのを防げれば十分です。

政策軸はできるか

自民党のマニュフェストは、「どんな政策を、どのように、いつまでに行っていく」ということを明確に示すという意味ではマニュフェストと言うにはかなりお粗末と言わざるえません。ただ、政権党として今までの施策を全面否定することはできませんし、選挙前に増税をはっきり示すのは難しいですから、これが精一杯かもしれません。要は「今のままで何が悪いですか?」と開きなおるしかないわけです。

とは言っても、今回の選挙で政策軸らしきものは出てきました。民主党が所得の再配分を目指す、つまり貧しい人をなるべく作らないという考え方を取るのに対し、自民党が政府は所得再分配にはあまり介入せず、不況の緩和や、公共投資、防衛などに限定した役割を担うというものです。

民主党は政策は所得の再分配のためには、税金をかなりたんまり取るのが必要なのに対し、自民党は本質的には小さい政府を目指しますが、景気の平準化には国債を頼らなくてはいけません。民主党は高負担・高福祉、自民党は低負担・低福祉を目指していると言っても良いでしょう。

選挙前ですから、民主党は税金など増やさなくてもやりくりで何とかなると言っていますが、それでは所得の再配分の機能は果たせません。逆に、自民党は格差社会の追及が経済の活力のためには必要、と言った方が論理的な筋道は立つはずです。

マスコミ的なエモーショナルな表現を使うなら、所得の再配分を求める方は、貧しくて教育や医療を満足に得られない困窮した人々に焦点を当てることになりますし、格差追及を求める立場では、生活保護を騙して受け取るヤクザや、失業保険で遊んでいる若者(このような人種は日本では、あまりいませんが、ヨーロッパの高福祉国では当たり前の風景です)を描くことになります。

企業でも、好況時は金遣いが荒くなりますし、不況時はケチケチモードになります。どちらか一方だけでは、無駄だらけの体質になったり、逆に将来の布石を何も打たないリスクを抱えたりすることになるので、好不況の循環があるのは、企業にとってむしろ好ましいことです。

同様に国家でも、一方的に所得の再配分に突き進むと、経済の活力が失われたり、国民の労働意欲が衰える可能性が高まりますし、反対に格差の拡大を放置すると社会の安定性を破壊してしまう危険があります。

首尾一貫していることは、個人でも政党でも信頼を得るためには必要ですから、行き過ぎを是正するには、政権政党を変えてしまう方が良いだろうというのが、二大(政党による政権交代が健全な民主主義のために有効だろうということになります。

今回の総選挙は政権交代を行うための政策軸が、かなりはっきりと出てきました。耳触りの悪いことは言いたくないということで、民主党は増税を、自民党は国債増発を唱えていませんが、政策の色合いはかなり違っているように見えます。

国民主権なのですから、その時々に良いと思う方を選べばよいのですが、「どちらを選んでも同じこと」などでは全然ありません。かなり性格の異なる主張をお互いにしているのです。

ただ、財源論議は問題の本質ではありません。税金か国債かというのも、PLでみるかBSでみるかという違いです。どちらにせよ、全ての財源が国民であることだけは間違いありません。


ワシントンベービーシッター協同組合
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