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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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The Next Wave: インターネットの次に来るもの(6): 4つの波から見えるもの
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最初の商用コンピューターが出現してから現在までのコンピューターの歴史、60年を15年づつの4つの波に分けて振り返ってみました。60年の間にコンピューターの性能は10億倍も向上し、利用のされ方も全くと言っていいほど変わってしまいました。「インターネット時代」を「コンピューター」の時代の波とくくってしまうことにも異論はあるでしょう。

しかし、インターネットも技術の中心がコンピューターであることには変わりません。コンピューターの性能が劇的に向上したことで、個人が自宅で膨大な情報のアクセスが可能になったのです。「インターネットの次」の波を予想するために、4つの波から見えてくるものをまとめてみましょう。

(1) エポックメイキングな出来事が波の始めにある

どの波も最初にエポックメイキングな出来事がありました。 UNIVAC Iの発表(1950年:第1の波)、IBM S/360の発表(1964年:第2の波)、IBM PCの発表(1981年:第3の波)、ネットスケープの上場(1995年:第4の波)、これらは単に象徴的な出来事にとどまらず、社会的にも高い注目を浴びて、それぞれの波が大きなうねりになるきっかけになりました。

4つの出来事の中で、4番目のネットスケープの上場だけはメーカーの製品発表ではありません。インターネット自身は「製品」ではありませんし、ブラウザーやWebサーバーも最初は製品として作られてはいませんでした。検索エンジンもまだ存在していませんでした。インターネットを動かしたのは、「第2の産業革命」が起きると信じた無数のベンチャー企業でした。ネットスケープに時価総額で100億ドル近い初値を付けた株式市場の熱狂は、2000年のドットコムバブル(ITバブル)の崩壊まで続きます。

(2) 技術はすでに存在していた

全く新しい技術が突然登場して、一度に世の中が変わってしまうということはまずありません。どんな技術も社会に広く受け入れられるためには、ちゃんとした「製品」になっている必要があります。

UNIVAC Iは商用の名の通りコンピューターを製品化しましたが、コンピューター自身はすでにいくつも作られていました。UNIVAC Iは最初の「買える」コンピューターでした。IBM S/360で本当の意味で新しかったのは、ファミリーというコンセプトで製品系列すべてのモデルで同じプログラムが動くということだけと言っても良いでしょう。その意味で、第3の波であるPC時代は、1981年のIBM PC発表ではなく、1977年のApple II発表から始まったと考えても良いかもしれません。それまではPCを使うのは、コンピューターマニアの知識と忍耐力が必要でした。ただIBMというビジネスコンピューターの巨人がPCを発表したことで、ビジネス界でのPC利用が一挙に加速したことは間違いありません。

コンピューター-ネットワークとしてのインターネットは1969年のARPANETにまで遡ります。インターネットを世界を覆う情報ネットワークに変えたのは1990年最初に稼働したワールドワイドウェッブとブラウザーですが、それまでにインターネットは大学や研究所を結んで張り巡らされていました。しかし、インターネットが一般家庭から買い物ができるような便利な道具になるためには、ネットスケープのブラウザーのような手軽に利用できるツールが必要でした。

革新的な技術を浸透させるには、技術を製品の形で包み込むことが必要です。また、そのような製品を簡単に使えるような、パッケージやサービスもなければいけません。さらに、価格や信頼性などが多くの顧客に受け入れられるレベルになっていることも大切です。そのような環境が整うには技術が生まれてから何年もかかることが普通です。逆にいえば、新しい波を起こす技術は、もう存在しているのです。

(3) 統合によって多くの技術が淘汰される

新しい波は、技術的には何年か前から準備されていますが、それが波として現れる結果、従来からあった技術、方式あるいは製品は淘汰されてしまいます。インターネットの出現の普及の以前は、コンピューターネットワークの主力だったのはIBMや富士通などのそれぞれのコンピューターメーカの独自仕様のネットワークでした。メーカーが違えばネットワークを接続することは簡単ではありませんでしたし、同じメーカー同士のネットワークをつなげることもメーカーの支援がなくては困難でした。

LANの世界でも様々な方式があり、メーカーごとに独自の世界を作っていました。インターネットが現れて、ネットワークはTC/IP、イーサネットに統一されました。メーカー独自の仕様のネットワークはまだ残っていますが、全てのコンピューターネットワークがインターネットに遅かれ早かれ統一されていくのは確実です。

PCの場合はWindowsとインテルが覇権を確立しました。最近はまた回復しつつありますが、アップルのマックのシェアは3%程度にまでに落ち込んでしまいました。同じことはメインフレームの時代にもありました。IBM S/360(後にS/370になる)は互換機まで含めれば9割を超えるシェアを持っていました。

技術がまだ広く受け入れられていない段階では、どの技術も対等です。性能や価格は開発者の努力や、技術自身の特性によって決まりますが、いずれにせよ大きな発展の余地があります。ところがある技術が一定以上の力を持つと、開発投資、ユーザーの慣れ、周辺産業の発展などで、技術の優位性がスパイラルに高くなり、ついには他の技術を圧して淘汰するまでになります。いったん、このようなことが起きると容易に優位性を覆すことは困難になります。

このような現象を特定の技術に「ロックインされた」と言うこともあります。コンピューター以外でもかつてのVHSの勝利に終わったビデオテープのベータ、VHS間の競争や、最近のブルーレイとHD-DVDで争われた新DVD規格などでもこのようなことが見られます。

コンピューターは複雑怪奇な代物です。稼働にはソフトウェアがなければいけませんし、ソフトウェアは稼働環境が変わると動かなくなってしまいます。接続機器の種類も多いので、特定の環境以外は動作保証をしないというのも普通です。コンピューターはもともとロックインの起きやすい業界と言えます。特に新しい波とも言うべき変革があると、特定の製品、仕様が突出して技術進歩のスピードを速めて他の技術を押しのけてしまう可能性が高くなります。

(4)集中と分散が繰り返される

第二次世界大戦が終わり、コンピューターが最初に現れた頃、世界にコンピューターは3台しか必要ないと言われました。アメリカ、ヨーロッパ、ソ連に1台づつあれば十分だと言うわけです。1台で何百人、何千人分の計算量をこなすのですから、それ以上あっても計算の需要がないだろうと考えられたのです。

UNIVAC Iが最初の商用コンピューターとして販売されるようになって、多くの企業や研究機関はこぞってコンピューターの導入を行いました。ソフトウェアの重要性など考えもしなかった初期のユーザーはハードウェアの性能を最大限発揮できるようにすることが一番重要な課題でした。このため設計思想や方式の異なる数多くのコンピューターが現れました。もちろん、ソフトウェアに互換性などありませでした。コンピューターの本格的普及が始まったのは巨大なコンピューターの力を民間企業が広く利用できるようにする分散化の時代でもありました。

IBM S/360は企業の情報部門にコンピューターを集中することを提案しました。それまで、会計部門、研究部門、人事部門でバラバラのメーカーのコンピューターを使って行われていた処理は、全方位を意味する360度から取ったS/360でまとめて行うことができました(ただし、これは当初の構想で、実際には科学技術計算、通信処理、機器制御などで様々なコンピューターが使われました)。

企業の情報は人、物、金に続く第4の資産として情報システム部門の持つメインフレームに集中され、情報部門が大きな力を持つようになりました。情報部門の長はCIO (Chief Information Officer)とよばれ、財務を担当するCFO (Chief Financial Officer)と並んでCEO(Chief Executive Officer)の候補とも言われました(ただし、これはコンピューターメーカーの誇張もあります)。情報処理はメインフレームの時代に集中化が徹底して追及されました。

集中された情報を取り戻し、必要なシステムを素早く作りたいという願いが、PCによって実現しました。ダウンサイジングによる分散化がPC時代の合言葉でした。ダウンサイジングはPCとLANを組み合わせ、さらにクライアントサーバー方式という小型コンピューターで小規模な情報集中を行うことで推進されました。今や部門ごとにシステムが構築され、情報部門の権威と力は失われました。

インターネットは時計を逆回転させたわけではありません。しかし、インターネットは分散化から集中化に流れを変えるものでした。まず、高機能化の一途をたどっていたPCの情報をインターネットが再び集める道筋が見えてきました。PC時代のクライアントサーバー型処理ではデーターはサーバーにあっても、処理はPCで行っていたのが、ウェブサーバーなどのサーバーが行うようになり、情報はインターネット上のサーバーやネットワーク全体で共同し蓄えられるようになってきました。分散化という名のPCの肥大化にはストップがかかったのです。

最近「クラウド」という言葉をよく聞きます。クライドに明確な定義はありませんが、コンピューター処理が目の前のPCではなく、「雲」のような得たいが知れないどこかで行われるという意味でしょう。コンピューター処理が電気、ガス、水道といったインフラのようになり、コンセントをつなげば電気が来るように、コンピューターが使われるようになるということです。

もともとインターネット自身がクラウドだと考えることができます。検索エンジンを使って、世界中どこにあるかはわからなくても情報へのアクセスという処理を行うことができるのです。インターネットはこの世にただ一つしかありません。インターネットがただ一つのクラウドになった時、インターネットへの集中化は完了したと言えるのかもしれません。

(5) 原動力は半導体技術の進歩

4つの波を動かしている力は半導体技術の進歩です。半導体技術はムーアの法則と言って2年ごとに回路密度が2倍になるという経験則に支配されています。半導体を作るコストは密度が高くなってもあまり変わりません。回路数が2倍になるということは価格が半分になるのと同じことです。さらに半導体の処理速度を向上させるのは、サイズを小さくして信号の伝達時間を短縮する方法と、複数の処理を同時併行的に行う方法があります。回路密度が高くなれば、同じ処理をする半導体の大きさが小さくなり信号が速く伝わるのと同時に、より沢山の処理を一度に行うえることもできます。ムーアの法則は2年ごとに処理速度が2倍になると読み替えることもできます。

2年で2倍の性能向上は10年で30倍、1つの波のサイクルを15年とすると、半導体の性能は180倍以上になります。半導体の性能向上が100倍以上にもなると、製品の位置付けや市場が大きく変わります。目に見えない需要が顕在化したり、高価で一部の顧客にしか手の届かなかったものも一般化されます。

それぞれの波を特色づける統合化、標準化も価格と性能の向上によって可能になります。価格が高ければ、コストを削減するために目的に合わせて仕様を特殊化する必要がありますが、安くなれば標準化して同じものを使った方が安くなります。工業製品の中で半導体ほど急速に、しかも持続的に価格と性能の両面で向上が続いたものはありません。そして半導体技術の進歩は後15年くらいは今の勢いで続きそうです。波は4つでは終わりません。

続く

インターネットの次に来るもの:目次
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