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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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The Next Wave: インターネットの次に来るもの(7): 第5の波
続き
ポスト・インターネットの時代(2010-2025?)

技術予測

ここで予測されていることは特に目新しいものではありません。技術的には今すぐにできるものがほとんどですし、実現しているものもあります。それどころか10年前でも同じようなことは考えられていました。しかし、技術的にはできても、簡単に誰でも使えるようにするには、価格が十分に安くなる必要があります。また、事業モデルの確立や制度などの社会的インフラも必要です。その意味で、本格的な実現に向けてようやく準備が整ってきたと言えるでしょう。時代は大きく転換しようとしています。

SkyTree.jpg
東京スカイツリーも無用の長物に?


(1)全てのコミュニケーション・ネットワークが統合される

半導体の技術は2年で2倍という勢いで進歩しますが、通信技術もほぼ同等のスピードで改善が進んできました。インターネットが世間でやっと認知され始めた1995年ごろ、日本では個人の家庭からPCをネットワークに接続させようとすると、秒速10K ビットそこそこの電話回線を3分10円で使うしかありませんでした。

現在では100Mビットの光回線が家庭で使用でき、料金は接続時間にかかわらず一定です。単純な比較は難しいところもありますが、一千倍から一万倍の性能向上が行われたことになります。これは半導体の15年で100-200倍よりさらに1桁以上の速さで改善が進んだことになります。

過去の15年は通信の自由化が急速に進んだ時期に当たるので今後とも同じ勢いが持続することはないかもしれませんが、半導体と同じくらいの性能向上、つまり10年で30倍、20年で1000倍程度の改善は十分期待できます。予想が正しければ、10年内外のうちに家庭で個人が数Gビットの通信を手軽にしかも安価に行えるようになるのです。

ここまで通信容量が大きくなれば、インターネット以外の従来型の通信手段はほとんど全てインターネットで置き換えることができます。今でもスカイプのようなインターネット経由の電話サービスがありますが、地上波放送、衛星放送、電話、ケーブルTV、有線放送などインターネット以外の通信メディアのインフラは不要になってしまいます。

企業では数年前からネットワークコンバージェンスといって、インターネット(もっと限定的にIP技術と呼ぶべきかもしれませんが、基本的には同じことです)で、コンピューター通信も電話もひとまとめにしてしまうことは行われていました。通信容量に十分余裕ができれば大雑把な管理でも問題はなくなるので、設置も使い勝手も一般の個人向けのレベルにできるはずです。

過去15年のインターネットの普及の中で、コンピューターの世界ではネットワークはインターネットに統一されてきました。一部の例外を除いて、メーカ独自仕様の企業内に閉じたコンピューターネットワークは、インターネットに置き換えられました。これからはコンピュータ・ネットワーク以外の全てのネットワークをインターネットが包含していくでしょう。放送メディアとインターネットは融合するのではなく、インターネットに統一されていくと考えられます。

ネットワークがインターネットに統一されることで、衛星放送設備、ケーブルTVなど莫大なインフラが無用の長物になります。地上波デジタルのために建設中の東京スカイツリーも例外ではありません。東京スカイツリーは20年後はただの展望台になっているかもしれません。

(2)無線接続が基本になる
Denshinnbashira.jpg
電信柱も撤去が進む

通信速度がどんどん向上しても、英語でラスト1マイルと言われる各家庭へのアクセスは電話会社のインフラに頼っています。日本ではNTT東・西がここを押さえていて、新しい通信技術はNTTの了解なしには家庭に入り込めません。

将来の通信技術の革新やインターネットへの全面移行を考えると、ネットワークへの接続の基本は無線が中心になるでしょう。ここでいう無線はインターネット技術ベースの無線で一般の携帯電話の無線ではありません。インターネット技術による無線接続はスターバックスや公共の場でも提供されてきていますが、もっとずっと一般的になります。最終的には携帯電話もインターネットの無線接続に置き換えられていくと考えられます。

無線でインターネットに簡単に接続ができれば、住居の中の電話やテレビのための配管は必要なくなります。電信柱から通信用の電線がなくなれば、電信柱を通り除くことはずっと簡単になります。建物の中も町の景色も無線接続で大きく変わっていきます。

現在ではインターネットへの無線接続ではWi-Fi(実質的にIEEE802.11)と呼ばれる、標準が支配的です。ただ、セキュリティー、無線の到達距離の問題など、一般の電話回線経由のネットワーク接続を全て置き換えるのには乗り越えなければならない障害が色々あります。しかし、それらは技術の進歩や使い方の工夫で解決できるものがほとんどです。Wi-Fi以外の無線技術が現れることもあり得ますが、インターネットへは無線接続が主流になることは確実です。

(3)PCと携帯の区別はなくなる

Ubiquitous.jpg


インターネットへのアクセスはPCと携帯電話のどちらが主役かという議論がありますが、この議論は無意味になるでしょう。PCと携帯の区別はなくなって、形状や機能は目的によって自由に決められるようになるからです。

PCにしろ携帯電話にしろ、現在の機能は数年も経たないうちに、小さな半導体の中に納まってしまうはずです。液晶の時計が部品として家電製品や筆記用具に組み込まれたように、ネットへの接続機能さえあれば、必要に応じて、好きな機器を使ってメールを見たり、ネットショッピングができます。

GoogleのスケジューラーをPCと携帯電話で共用する機能がありますが、スケジューラー、メールなど個人に属するものは個人のプロファイル情報を使用する機器にセットすれば、PCでも携帯電話でも、あるいはデジカメでもゲーム機でも、すぐ自分用の環境が使えるようになります。預金通帳がなくても、キャッシュカードやPCから預金の移動ができるように、物理的なPCや携帯電話の意味合いはずっと小さくなるでしょう。

(4)あらゆる機器がインターネットに接続する

MonitoringCamera.jpg


デジタル家電とか情報家電といった言葉が出てきて大分時間が経ちます。現代の家電製品はコンピューターそのものと言っていいほど、機能の多くがマイクロプロセッサーとソフトウェアでコントロールされています。自動車の中には何十個もマイクロプロセッサーが使われています。巨大な車メーカーは巨大なソフトウェア会社でもあります。

コンピューターがあらゆる機器に入り込んでいくという考え方は、ユビキタスというやや耳慣れない名前を付けられて、10年以上も前から言われてきたことです。ユビキタスコンピューティングという標語でビジネスチャンスを狙った動きも色々ありました。

しかし、多種多様な製品にコンピューターが組み込まれていても、ほとんどはインターネットを含め外部のネットワークとはつながっていません。一部の自動車は電話を使って緊急コールを自動的に行うことができますが、持ち主が自分の車に「電話をかける」ことができるわけではありません。

遠隔地から保守を行うことは、コンピューター機器では昔から広く行われてきましたし、コマツは大型ブルドーザーなどをGPSで設置場所をサービスセンターで把握できる仕組みを実用化しています。しかし、一般の家電製品では一部のオーディオ機器などを除いて、そのようなことは行われていません。

これからは、主要な自動車や家電製品はインターネットに接続され、ユーザーやメーカーが遠隔地からそれらの機器にアクセスして会話することができるようになるでしょう。ちょうど、ブラウザーとWebサイトのように統一されたインターフェースで簡単にアクセスができるようになります。

たとえば、自宅のエアコンのURLアドレスをクリックして、エアコンのスイッチを入れたり止めたりすることが考えられます。電話で自宅のエアコンのスイッチを入れるような製品は、20年以上前からありましたが、ブラウザー経由にすればメーカーごとにコントローラーを導入するような費用と手間は不要になります。

自動車のブレーキランプが切れたら運転席のパネルに警告が出るのは今では当たり前ですが、持ち主にメールを飛ばして知らせることもできます。こんなことができてどんな価値があるかは疑問に思うかもしれませんが、車の状態をリアルタイムでメーカーとユーザーが共有できれば、リコールの処理などはずっと簡単になるはずです。

テレビ番組の録画もレコーダーとテレビの接続はもう必要ありません。テレビが添付ファイルのメールをレコーダーに飛ばしてもよいですし、ストリーミングモードで転送してもよいでしょう。もっとも、CD、DVD、ブルーレイと続いてきた媒体依存の録画は、もうすぐなくなるでしょう。録画された番組はファイルとしてHDDあるいはネット上のどこかに保管されるようになり、媒体の世代交代でレコーダーやPCを買い替えるるといった馬鹿馬鹿しさはなくなるはずです。 HDDの容量が十分に大きくなれば、外部媒体などなくてもファイル保管ができますし、通信速度が速くなれば、ネット上に保存しても実用上困りません。

インターネットにアクセスする人口は次第に地球の全人口に近付きつつあります。Webサイトの数も数億に達しています。しかし、これからはその何倍もの数の機器がインターネットユーザーとして参加するようになるでしょう。インターネットのユーザー数は再び爆発的に増加し、その大部分は人間ではなく、家電製品、車、監視カメラ、火災報知機のようなセンサーになっていくでしょう。

(5)物がしゃべる

RFid.jpg
あらゆる品物にICタグが付けられる


冷蔵庫がインターネットにつながっても、それだけではあまり価値はなさそうです。しかし、冷蔵庫が自分で在庫管理をしてくれれば意味があるでしょう。冷蔵庫の中身を外から知ることができれば、買い物のときに無駄な物を買わず、必要な物を必要なだけ好ことができます。それどころか、バターがなくなりそうだったら、バターの注文を冷蔵庫が自分ですることもできるでしょう。

要(かなめ)の技術はICタグと呼ばれる小さな電子部品です。ICの値段は回路数ではなく、概ね物理的な大きさ(面積と考えて構いません)で決まります。2年で回路数が2倍になれば、同じ機能を持つICタグの値段は半分になります。

ICタグはRFID(電波個別識別)とも呼ばれます。ICタグが電波を出して、自分が何かを検査機に教えるのです。「物がしゃべる」と言ってもよいかもしれません。しかし、ICタグでなくても、バーコードはスーパーの品物、宅配の荷物、工場の部品などあらゆるところで使われています。ICタグがバーコードよりすぐれたところはあるのでしょうか。

「あまりない。むしろ欠点の方が多い」というのがの現在の答えでしょう。値段が高い、熱や湿気など環境に敏感、取り付けが面倒など欠点は山ほどあります。唯一バーコードにはできない、「離れた場所から情報を得られる」という長所も「確実性が今一つ」という大きな問題を抱えています。PASMOやETCカードのような安定した状況では使えるのですが、コンテナ一杯の中身を外から瞬時に把握するなどというのは夢物語に過ぎません。

元NHKワシントン支局長の手嶋龍一の書いた「ウルトラダラー」という小説では、北朝鮮の作る偽100ドル札に対抗するため、本物の100ドル札にICタグを埋め込むという話が出てきます。本当にできれば相当有効な方法ですが、紙幣の製造は高熱の圧着工程があるので、今の技術ではできません。

世界最大の小売り業者であるウォルマートは全ての納入品をICタグで管理しようとして、2003年から6年間奮闘しましたが、サプライヤーの評判も悪く(相手がウォルマートで表立っては言えなかったようですが)、効果も期待されたものは得られないと言うことで2009年に一区切りという名の打ち切り(少なくとも全面採用は諦めた)になったようです(参照)。

まだ未熟な技術の一つと言えるでしょうが、可能性は大きなものがあります。価格は半導体の価格性能比と連動しているので急速に安くできますし、大きさがさらに小さくなれば、品物の中に埋め込むのはずっと簡単になります。気が付いたら全ての商品にバーコードが付いたように、何もかもICタグが埋め込まれる日が来るのは確実です。

全ての品物にICタグが付けば、品物の製造から廃棄まで完全に管理できますし、自分の持ち物は下着でも、CD(まだ存在していればですが)でも、ティッシュペーパーでも何でもどこにどんなものがあるかわかります。偽のブランド品を身につけても、すぐにばれてしまうかもしれません。本当にこんなことがバラ色の未来かどうかは疑問に思う人も多いでしょうが、携帯電話と同じで便利な物はいつか必ず普及してしまいます。

集中から自律型分散へ

過去に繰り返されたコンピューターの進歩の波は分散と集中を繰り返してきました。そして、インターネット時代の15年は集中化の歴史でした。その前の15年のダウンサイジングの時代にメインフレームからPCに移行していった情報処理は再びサーバーへ移行して行きました。Googleなどが無料で提供することも多いWebメールへOutlookから移行する人が増えました。ExcelやWordからも無料のGoogle版オフィス(処理自身はPCですがネットで配布され、ネットでの利用が前提です)に移行する人が加速度的に増えるでしょう。PC時代の覇者、マイクロソフトの黄金時代は終わりつつあります。

情報はそれ以上に集中化が進みました。インターネットで情報がどこにあっても取り出せるのですから、自分で抱え込む必要はありません。通信速度がさらに向上して、ネットファイルの使い勝手がもっとよくなれば、自分のPCにファイルをしまい込んでおくのは、大量の現金を自宅に置いておくように非常識なことになるでしょう。

インターネットの進歩が続けば何もかも全て集中してしまうのでしょうか。そうもいきません。情報を貯めたり処理したりするのはネット上のどこかのサーバー(クラウドと言っても構いません)でするにしても、情報を「使う」のはユーザーです。情報はユーザーの見えるところに「配達」され、ユーザーの使いやすいように「加工」されることが必要です。自宅で映像を見たいと人が思う限り、テレビはなくなりません。

次に情報を「収集」するためには情報の発生源に情報処理の能力-インテリジェンス(知能)-が必要です。PCや携帯電話ではこの場合インテリジェンスは人間自身です(PCや携帯電話ではありません!)。情報を収集し使用することを集中できないのなら、最初から情報収集と情報使用を分散させ、情報を集中するのをやめてしまったらどうでしょうか。

トヨタ自動車の有名なカンバン方式は、コンピューターを介在させないで在庫を最小化する方法です。カンバン方式では生産のために部品を使用すると、カンバンと呼ばれるカードが部品を供給している部門に送られます。部品を供給している部門はカンバンを受け取らない限り部品の製造をすることができません。生産ラインがカンバンだけを頼りに動いている限り、生産ラインの各部門に部品が積み上がってしまうことはありません。カンバンという情報が生産のコントロールをしているのです。

カンバン方式の威力を理解するために、中央で生産ラインの各部門の部品生産量を決めていることを考えてみます。中央では車の予測した生産台数に合わせて、生産ラインにいつどのくらいの量の部品を製造すればよいかを命令します。すべてが予想通りであれば、これで問題はありません。ところが実際は、ちょっとした機械の故障、納品業者の遅れで、予定通りの生産ができない場合が多発します。そんな場合生産ラインが止まってしまわないように、予め余裕を持って各部門の生産量を割り当てておくことが必要です。そのような余分の生産は、生産ラインの中で在庫として積み上がってしまいます。

逆に、思ったより注文が多くても、計画された生産量を急に増やすことはできません。需要の増加に合わせて、改めて中央の計画部門で生産ラインの各部門ごとの生産量を決める必要があります。しかし、カンバン方式が完全に機能すれば、注文の増加は注文の増加に合わせてカンバンの枚数を増やすことで、自動的に生産ラインの各部門に伝えられます。カンバンという物を代表するものが情報となって生産のコントロールを行うのです。カンバン方式では「部品を使った」という情報は中央を経由しないで、直接に部品を供給する部門への生産命令として使われていることになります。

ICタグが全ての品物につけられ、品物を保管したり使用したりする機器に「インテリジェンス」が組み込まれると、情報を中央に伝達し蓄積して処理する必要はなくなります。自動車の混雑状況を知るには、車載のコンピューターから現在の位置と移動速度を知ればよいはずです。世の中の全ての品物の状態が判るのなら、中央で計画し管理をしなくても全ての物は滞りなく流れてくれるはずです。

こんな世の中が楽しいのかどうかはひとまず置いておきましょう。30年前に、全ての人が携帯電話を持っていてどこにいても呼び出さすことができる社会を望むかと聞かれて、無条件に「素晴らしい」という人はあまりいなかったはずです。現在の携帯電話が人間を本当に便利にしているのか不自由にしているのか答えることはできなくても、携帯電話なしでは待ち合わせ一つできなくなっています。

このようなことを実現には、全ての機器をインターネットに接続させ全ての品物を管理するためのブラウザーとWebサーバーのような標準的なインターフェースが普及する必要があります。半導体技術が進歩することで、全ての機器に同じインターフェースを持たせることはコスト的には可能になるでしょう。

難関は膨大な数のコンピューター(そのほとんどは人間が直接には操作しない)が自律的に稼働を続けるようにすることです。コンピューターたちは自分で障害を修復または報告し、環境に合わせた稼働状態を維持しなくてはいけません。ウィルスの攻撃に対抗することも必要です。

このようなコンピューターは生物の細胞とよく似ています。細胞はエネルギーを取得して活動し、ウィルスなどの攻撃から身を守り、互いに協調して機能を果たします。これは単に「似ている」というレベルではなく、自律し分散したコンピューターがインターネットを通じて協調的に仕事を行うようにするには、コンピューターは生物の細胞と同じような働きをする必要があります。

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自律分散型コンピューターは生物の細胞と良く似ている


グリッドコンピューターという考え方があります。 考え方というより、実際に稼働もしているのですが、莫大な数のPCが協調的に仕事を行うことです。SETI@homeというプロジェクトでは300万台のPCが連携して、地球外生命体からの電波を探し出すための計算を行いました。グリッドコンピューターは、ほとんどが使われていないPCの空き時間を有効に活用することで、巨大なスーパーコンピューターを作り、タンパク質の構造解析や財務モデリングなど、莫大な計算が必要な問題を解決しようというものです。

多細胞生物のように互いに協調する自律分散型のコンピューターは、複雑系でいう自己組織化を行っていることになります。高速道路の渋滞の原因の多くは、前の車がブレーキを踏んだ時に後続の車の原則が一瞬遅れるため遅れが積み重なって引き起こされるのですが、車間距離を協調的に保てれば渋滞が大幅に減ることが分かっています。そのようなことを車に積んでいるコンピューター同士が会話をしながら行うのを空から眺めると、まるで車の列が一つの生き物のように動いているように見えるでしょう。

グリッドコンピューターに参加するのは基本的にPCのユーザーの自発的な協力です。人間がいなくてはグリッドは作れません。自律型コンピューターが集まってグリッドを作ることができるでしょうか。地球上に生命が現れて40億年以上経ちますが、DNAを持つ有核相棒が現れたのは20億年前、多細胞生物が現れるのはさらに10億年がかかりました。自律分散型のコンピューターの目的は単細胞生物ではなく多細胞生物を創ることです。技術はコンピューターが自律的に多細胞生物を作り出す一歩手前のところまで来ています。

新時代を開くエポックメイキングな出来事とは

今までのコンピューターの4つの波は最初にエポックメイキングな出来事がありました。今度の新しい波は何かエポックメイキングな出来事とともにやってくるのでしょうか。新しい波の中心は:
(1) コンピューター、家電、車、建物など全ての機器がインターネットで結合される。インターネット以外の電話、放送などのネットワークは順次統合される
(2) 全ての品物がICタグで管理できるようになる。
(3) 全ての機器はインテリジェンス(知能)を持ち、ICタグの情報を活用する
(4) コンピューターを自律的に制御し互いに連携させる技術が普及して、多くのコンピューターが自己組織化されて機能を行う
といいうものになるはずです。このようなことを実現するには標準化を行うための強力なリーダーシップを持つ企業や製品、あるいはコンソーシアムが必要です。また、それは目に見える形である必要があります。後から考えて「今にして思えばあれが革命の始まりだったんだ」というのではなく、世の中がある種の熱気に包まれるような動きでなくてはいけません。

GoogleIPO3.jpg
グーグルのIPOに臨む創業者たち

候補は色々ありますが、技術はあってもビジネスにするには乗り越えなければいけない障害は少なくありません。携帯電話は機能的にはどんなインテリジェンスを積み込むこともできますが、PCと同様にインテリジェンスの本体は人間そのもので、自律型コンピューターというのにはあたりません。車載コンピューターも価格が少々高くても高性能の機器を組み込むことは可能ですが、メーカーの壁が合って標準化はなかなか進みません。家電製品も冷蔵庫から卵を1個取り出したら、コンビニが納入業者に卵の注文をするというのは道具立てが結構大変で簡単にはできそうもありません。ICタグが本当に普及する(全ての品物にICタグが付く)にはまだ時間がかかるでしょう。

再び歴史に学ぶのなら、過去のエポックメイキングな出来事は、小さなベンチャー的な会社が先陣を走り、既存の大企業が決定打を出すというパターンを描いています。PC時代のアップルとIBM、インターネットブラウザーのネットスケープとマイクロソフトがそうでした。グーグルもヤフーがもう少し賢明であれば、検索エンジンの部品メーカーで終わっていたかもしれません。

PCの時代をIBMが、インターネット時代をマイクロソフト開いたように、一つ前の時代の覇者という意味では、グーグルには時代を変えるだけの力があるでしょう。グーグルは携帯端末用のAndroid OSの普及を進めていますが、現在はOpen Handset Allianceという業界団体がその役を行っています。ただ、グーグルの興味はPC、携帯電話どまりのようで家電やセンサーまではカバーしていないようです。グーグルは最後まで検索エンジンのメーカーなのかもしれません。日本の家電メーカーは技術的なベースとしてはかなりのものがあるのですが、小さくまとまって製品に閉じた多機能追及に走る傾向が強いので、自律分散型のコンピューターを協調して動かすようなことはあまり期待できません。

どうも現時点(2009年末)にはエポックメイキングな出来事の影はまだ見えないようです。もちろん、コンピューター発達の15年周期説などは私だけが言っている話で、ノストラダムスの予言のようなものかもしれません。しかし、15年というのは技術が成熟し、次の時代に移るのにちょうど良い時間というのはまんざら見当はずれでもないでしょう。何かはっきりしたものが見えてきたら、再びこの話題に戻ってみましょう。それまでは、エポックメイキングな出来事に期待して世の動きを見ているのも悪くはないでしょう。

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