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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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ゴミ箱を片付けてゴミを減らすという発想
FuchuGomi3.jpg
府中市の街角に置かれたゴミ箱

府中市のゴミ箱廃止

府中市は2010年2月2日から家庭ゴミ収集の有料化と戸別収集を行うことになりました。 知らない人には、「そんなの今さら当たり前じゃないか」と感じられるかもしれませんが、府中市では今(2009年末)は町中に誰でもいつでも捨てることができるゴミ箱があって、家庭ゴミはそこに捨てればよいのです。

街角にゴミ箱を設置するのは昔は普通だったのですが、今では府中市が全国でもほとんど唯一の存在です。そのため周りの自治体から大量の家庭ゴミを持ちこまれること、分別があまり守られないこと、そしてご多分に洩れず府中市も財政難が深刻であることなどから、廃止されることになりました。

確かによその自治体のゴミを大量に処理させられるというのは困りますし、ゴミ箱自身それほど美しいものではありません。ゴミ箱の周りにゴミが散乱することもあって、撤去は止むえないところでしょう。

しかし、無料でゴミを捨てられるゴミ箱を設置するのは本来は正しいことです。日本ではオウム事件以来テロの心配という名目で駅などからゴミ箱が撤去され、ちょっとしたゴミを捨てるのも不便になってしまいました。

今都心でゴミを捨てるのに一番便利なのはコンビニです。コンビニがなくなってしまうと、町中はゴミだらけになるかもしれません。コンビニが果たしている社会的役割はとても大きいのです。

ゴミ収集の有料化やゴミ箱の撤去を進めると、町中がゴミだらけになる危険があります(ゴミ有料化の行く末)。確かにゴミの収集と処分には多額の費用がかかり、ゴミを減量するために一般の理解と協力は不可欠です。しかし、ゴミを減らす方法としてゴミ箱を撤去するというのはどうなのでしょうか。

公園でゴミ箱を撤去したら「ここはゴミを捨てる場所ではないのだな」と皆が思ってゴミがなくなったという話もありますが、不心得な人間がゴミのポイ捨てを始めると「ここはゴミを捨てても良い場所なのだな」と思われてたちまちゴミだらけになることも考えられます。

「割れ窓理論」というものがあります。一枚でも窓ガラスが割れていると、皆平気でガラスを割ってしまう、逆に言えば、一枚のガラスも割らせない、ささいな犯罪も見逃さないことで、治安を保つことできるという考え方です。ニューヨークはこの発想で犯罪の発生を大幅に減らしたと言われています(本当にそれが最近のニューヨークの殺人減少の理由かは、やや議論がありますが)。

町を清潔に保つためには、ゴミを一つも落ちていない状況を作ることです。きれいな街でゴミのポイ捨てをするのは、普通の人にはなかなかできません。ゴミ箱をなくせばゴミはなくなるという考えには納得できない人が多いと思います。

派遣法改正

派遣労働は自由化が進んできたのですが、リーマンショック以来の「派遣切り」の多発もあって、全面的な改正が議論されています。厚生労働省の諮問機関、労働政策審議会の答申では、仕事があるときだけ雇用契約を結ぶ「登録型」派遣は、通訳のような専門性の高い26業務や高齢者派遣などを除き、原則禁止になり、特に製造業の派遣労働者の使用は認められなくなるようです。

こんなことをすると、日本で製造業を続けることはずっと難しくなるでしょう。答申の通り新しい法律ができれば確実に雇用は減少します。それが皆分かっているはずなのに、派遣労働を禁止すれば派遣切りがなくなるというのは、ゴミ箱をなくせばゴミがなくなるというのと同じです。

企業にとって労働力もコストであり、原材料です。需要を増やすには値段を上げるより下げる方が有効です。派遣切りはなくても、そもそも雇用自身がなくなってしまっては意味がありません。

もちろん、労働力はただの物価ではありません。人間は効率性、経済原則だけでなく、使用にあたっては色々な規制制限があるのは当然です。「雇ってしまえば、煮ようが焼こうが雇用者の勝手だ」と言うわけにはいきません。

しかし、それもこれも労働需要があっての話です。労働者の権利を守るのは厚生労働省の仕事だが、雇用の増大に結びつく経済の活性化は経済産業省の仕事だとでも言うのでしょうか(社民党などはそうなのですが)。

もしかすると、土地が狭く、資源コストの高い日本が高効率の産業を生み出したように、厳しい派遣労働の禁止が、製造業の海外移転を促進して未熟練工の労働需要がなくなることで、日本人の生産性が高まることもありえます。これは長期的には好ましい方向ですが、現在すでに労働市場にある人々はどうすればよいのでしょうか。再訓練はそれなりに有効ですが、高付加価値の労働者とは本来は医者、弁護士あるいは大学院卒レベルの技術者、MBAホールダーなどでしょう。殆どの失業している人たちには手の届かないものです。

このままでは製造業の派遣という低学歴(大学卒でも資格や専門性がないとそうなってしまいます)の人には比較的高収入の雇用がなくなり、本当に低付加価値、低賃金の働き口しかなくなってしまいます。

キヤノンやトヨタという世界的な企業が派遣切りをしたと非難されました。個々の対応には文句を付けるべきところは多々ありますが、このような企業が派遣労働者を使うことを実質的に禁止してしまえば、残っているのは法律なんかお構いなしのような雇い主の本当に低賃金の仕事ばかりになってしまいます。

派遣切りは不況の「結果」であっても、「原因」ではありえません。派遣労働を厳しくすることは短期的には雇用を減少させますし、中長期的には低付加価値の正規社員の温存で日本人の生産性を高めるにもマイナスでしょう。

貸金業法

2007年に貸金業法が改正となりました。利息制限法所定の制限利率(15%~20%)と出資法所定の上限利率(29.2%)との間の「グレーゾーン金利」が廃止になり、これにより利息の上限が実質20%に制限されることになりました。

貸金業法の改正には無法な取り立て行為を禁止するなど、当然のものもあるのですが、「合法的」な貸金業が困難で儲けの少ないものになったことは間違いありません。

ここでも「ゴミ箱をなくせばゴミが減る」という発想が生きています。高利を禁止すれば、高利貸しはなくなるかもしれませんが、お金を貸してくれるところがなくなれば困るのは借りる方です。

子供が病気をして入院費がかかる。父親は失業した。母親もパートを解雇された。どうしようもなく借金をし、返さなくて取り立てに怯えている。悲惨な状況ですが、この問題は最初から金を貸す業者がいなければ解決するたぐいの問題ではありません。

法外な高利は良いのかということはあるのですが、利息は概ね貸し倒れのリスクと見合っています。もし貸し倒れの心配がないのなら、どこの金融機関も喜んでいくらでも貸してくれるはずです。金は余っています。

借金地獄の危険を減らすのなら、ゴミ箱を片付ける、つまり利率を下げて借金を難しくするより、さわやかな美女が「ご返済は計画的に」などとほほ笑むTVCMを禁止して、かわりに恐ろしげな顔をした男に「返さない時は俺がいくから覚悟しておけよ」とでも言わした方がよほど効果的です。

雇用と同じで借金の取り立ても経済原則だけで何をやっても良いということはないでしょう。取り立て方法には規制がなくてはいけません。その上で貸出利息はもっと自由化すべきです。取り立て方法だけでなく情報提供も「余裕を持って借りてください」などという抽象的で無意味なものでなく「10日で1%は年利で36.5%です」という風に判りやすく伝えるように義務づけるべきです。金利がもっとはっきり提示されれば、カードの割賦払い(年率18%!になったりします)を気楽に利用する人はずっと減るでしょう。

闇市場を太らすな

配給制度はなかなかうまく機能しません。必要な物の値段が上がるのを防ぐために配給制度を作っても、物はすぐに闇市場に流れてしまうからです。北朝鮮のような何をしてもすぐに収容所送りになる国でも、闇市が隆盛を極めています。

ゴミ箱はコストがかかります。ゴミ箱の周りにゴミが散乱しないようにゴミ収集をきめ細かに行おうとするとなおさらです。しかし、高いコストは清潔な街を維持するためには有効な投資です。

派遣労働の不安定性さを補うためにセーフティーネットを強化するにはコストがかかります。しかし雇用自身が蒸発してしまうよりは国民経済全体として見ればずっと効率的なはずです。

貸金の金利を自由化しても普通は借りられない(命まで担保に取るようなところしか貸さない)人もいるでしょう。本来そのような人は借金をするべきではありません(そんなことを言ってもする人はするでしょうが)。

危険なのは闇市場が太ることです。不法な労働環境で人権無視で人をこき使ったり、年利1000%で金を貸して、最後は臓器まで売り払うような連中のビジネスが巨大化しないようにすることです。そんな社会は誰も望まないでしょう。

原因と結果を考えないでゴミ箱を片付けてゴミを減らそうとする。そんな政策ばかりになったら日本は本当にお終いになってしまいます。来年がそんな年にならなければ良いのですが。
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