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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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フィンランドと北海道 (続きの続き)
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 シリコンバレー

前項

ある地方、地域が特定の産業で強い競争力を持つためにはどのような条件が必要か。この問いに初めて明確な答えを提示したが、マイケル・ポーターのクラスター理論です。マイケル・ポーターは地域の競争力の確保には、資源、土地、労働力などといった伝統的な強みの源泉ではなく、重要な要素として、1)競合状態の存在、2)厳しい需要家の存在、3)関連産業の存在、そして4)基本的な強みとして優秀な労働者、資本、インフラなど有するという4つの要素が有機的に地域の競争力を作り出すと考えました。この4つの要素は互いに関連し、図に描くとダイヤモンドのようになることからダイヤモンド・モデルと呼ばれます。

このダイヤモンド・モデルの例としてシリコンバレーがあります。シリコンバレーにはたくさんのハイテク企業による競合状態、垂直、水平の関連産業と需要家、優秀な労働力やベンチャー企業をサポートする資金とインフラの4要素の全てが強力に存在します。このため、シリコンバレーは次から次へとハイテクのベンチャー企業が生み出されているのです。

フィンランドはどうでしょうか、寒冷の地で自然資源にもあまり恵まれていないフィンランドの国民は勤勉で教育熱心でした。人口が希薄なスカンジナビアは携帯電話の普及率が最初から高く、厳しい需要家が存在していました。そして近隣のスウェーデンにはエリクソンという強力な電話機器の企業がありました。この環境がノキアを世界的な携帯電話のメーカーに押し上げたのでしょう。

マイケル・ポーターは政府の産業政策を否定してはいません。しかし、クラスター理論にしたがって、ダイヤモンド・モデルの各要素の中で、欠けているもの、弱体なものを補強したり、活性化し、企業により積極的に競争力を獲得するよう仕向けることが政府の仕事であって、資金をつぎ込むことを求めてはいません。むしろ、競争状態の確保のために、独禁法の厳格適用のような、ルールの監視者であることを期待しています。公共事業は地方に一定水準の生活基盤を確保するためには必要でしょう。しかし、公共事業が自身が基幹産業になって、公共事業支出の削減が地方の経済的沈滞に直結するというのは、地方への産業政策の誤りだったと言わざる得ません。

さて、北海道はどうすれば良いのでしょうか。まず、クラスター理論に基づく産業政策は決して短期的なものではないことは認識すべきです。次の選挙に勝つために、失業者や寂れた商店街を解消するためにはクラスター理論は何もしてくれません。短期的には常に公共事業のような、資金を直接注入する方法しかないのです。

しかし、長期的な視点を持つのなら、たとえば北海道はロシアに隣接しているという地理的条件を何らかの構造的強みに転換することが考えられるでしょう。領土問題の存在や最近強まりつつあるロシアのナショナリズムを考えると、難しい点は多いのですが、ロシア人がより活動しやすくなる環境を作り、ロシアの技術と日本の技術が融合できる場を作り出すことができ、製造業、観光、貿易などさまざまな面で、独自の競争力を持つことは十分に可能でしょう。

ダイヤモンド・モデルの要素である厳しい需要家は必ずしも北海道民である必要はありません。日本さらに世界中がマーケットでも、生産と市場を結びつけることができればダイヤモンド・モデルは機能します。インドのバンガロールのコールセンターの需要家の大部分は地球の裏側にいることを思い出してください。


厳しい環境から世界一競争力のある国家を作り上げたフィンランド。基幹産業の石炭の衰退以来、人口が減少しテーマパークという名の箱物行政という博打を無責任に打って、あげくに倒産した夕張のような都市を多数抱える北海道。しかし、今でも基本的条件に大差はありませんし、フィンランド国民より、北海道道民が教育程度、福利厚生で大きく劣っていることはありません。

それどころか、多数の優れた教育施設や、視点経済と言われながらも、多くの企業の工場が北海道にはあります。日本という世界でもっとも高品質を求める莫大な需要家の存在もあります。公共事業に依存した格差解消という麻薬に頼るのはばら色の未来を約束するものではなく、潜在的な強みを殺してしまう可能性させあるのではないでしょうか。

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テーマ:地方自治 - ジャンル:政治・経済

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