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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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おぼっちゃん総理の資質を考える
指導者の知的能力

2001年の6月、インターネットで某研究機関がブッシュ大統領(息子の方です)の知能指数(IQ)が91と推定したという噂が飛び交いました。この話は3年ほど前の当ブログでも取り上げました(ブッシュ大統領の知能指数)が、単なるいたずらだったことがすぐに判明します。しかし、噂を真に受けたところも多く、イギリスの高級紙ガーディアンも記事にしてしまいました。

ガーディアン紙を含め噂が広範囲に信じられてしまったのは、ブッシュの知能がそれほど高そうには思われていなかったことに大きな原因がありました。ブッシュ大統領の話しぶりは英語国民にとっては使用語彙があまり豊かではありません。ハーバードビジネススクールでMBAを取得していますが、クリントン大統領が権威あるローズ奨学金を受給してオックスフォード大学で学んだことなどと比較して、恵まれた環境で育ち学費の苦労など必要なかったにしては並みのレベルと考えられていました。

指導者が一定以上の知的能力を持っていなくてはならないことに反対する人は少ないでしょう。しかし、数あるリーダーシップ論にも、リーダーは知能程度が高くなければならないとしたものはあまり見当たりません。リーダーは寛容であるべきか冷酷であるべきか、人の意見に耳を傾けるべきか自分の意思を前面に押し出すべきかなど、リーダーシップのスタイルについては多くが語られているのに、知的能力はリーダーの資質の一部であるとの認識は少ないようです。東洋のマネージメントブックとも言うべき論語も学問することの大切さは述べても、頭が悪い人間は君子になれないなどとは言っていません。

確かに過去の偉大な政治家が皆学力優秀であったかというとそうでもありません。イギリスを第二次世界大戦で勝利に導いたウィンストン・チャーチルは学業と素行の不良のため、学校を何度も変わっています。戦後日本の高度経済成長をリードした池田、佐藤両首相は高級官僚の出身ですが、池田は大蔵官僚には珍しく京大卒です。佐藤は東大出ですが抜群の秀才とはとても言えず、二流官庁の鉄道省に入省しています。佐藤はその後の出世もあまりぱっとしなかったのですが、お陰で戦後の指導層のパージから免れて運輸次官に昇進するという幸運を得ます。

学歴主義、成績至上主義の弊害は日本社会でたびたび指摘されてきたことです。日本帝国海軍はハンモックナンバーといって、海軍大学の席次が最重要視され、出世もほとんど席次で決まっていました。このハンモックナンバーへのこだわりは太平洋戦争中も続き、提督たちは数々の負け戦の責任を問われることもなく、席次通りに出世し続けました。同様の伝統は官僚社会にもあって、公務員試験の時の成績がその後の出世にもずっと尾を引くと言われてきました。

学歴や成績で知的能力を判断するのは、とても確実な方法とは言えません。学歴がお粗末でも高い知的能力を持つ人はいくらでもいますし、成績優秀で大学教授になったような人が、視野が狭く分別に欠けることはよくあります。まして学歴で知的能力どころかリーダーとしての資質を推し量るのは乱暴過ぎます。

とは言っても他に判断基準がないとき、学歴が知的能力の推定にそれなりに役立つことは間違いありません。指導者にはカリスマ性も必要でしょうが、物事を判断するための分析力、論理性もなければなりません。偏差値の高い大学を卒業していることは知的能力の証明の一つとは考えられるからです。

単純な学歴偏重とは思われたくないので付け加えておきますが、知的能力は社会での評価を経て有効性を証明するものですし、社会的な活動で証明される知的能力の方が、学歴よりよほど実際的な意味があります。学歴は数ある知的能力の検証法の一つしか過ぎないということはいくら強調してもし過ぎることはありません。

プロの棋士や将棋指しは驚異的な知能を持っていると言われますが、最高度の知的作業を行っていることは間違いありません。そして、プロの棋士、将棋指しのほとんどは、早くに専門の道を歩むため、大学卒はむしろ少数派です。また、学校なぞろくに出ていなくても、非常に高い知能をうかがわせるお笑い芸人はいくらでもいます。

しかも知的能力そのものはリーダーの資質のほんの一部です。IQなどはスポーツ競技で言えば、立ち幅跳びや、握力の数値のようなもので、基礎体力の数値がいくら優れていても、それだけで一流のスポーツ選手になれるわけではありません。ただ、基礎的な体力が明らかに劣っていれば、スポーツ選手して成功するのは難しいでしょう。リーダーにとってある程度以上の知的能力があることは必要条件です。

おぼっちゃん総理の資質を検証すると

日本のリーダーの知的レベルはどの程度なのでしょうか。このようなことが気になりだしたのは、鳩山首相を含めて二世政治家の総理大臣が5人も続いているからです。キャリアを一から積んでいれば、学歴には無関係に社会的に認められたこと自身が高い知能を証明していると見做すことができます。たとえゴマすりで出世したとしても、ゴマも頭がよくなければ上手にすることはできません。

ブッシュ大統領もIQが91だという噂が出た理由に、大統領を父に持つ二世政治家だということがあります。二世政治家は出発点として、認められために地道に努力する必要がありません。一般の人であれば、「何か光るもの」「抜群の実績」「献身的な努力」などがなければ、上の人に引き立てられることなどないのですが、二世であれば「特別にダメだと思われる」ようなことさえなければ、チャンスは与えらます。しかも一般の人ならチャンスは一度きりのことが多いのに、致命的なことさえしでかさなければ、チャンスは何度も訪れます。そこまで差があれば、頂上に上り詰めた後も改めて知的能力を問われても文句は言えないのではないでしょうか。

小泉純一郎:
祖父、父親ともに大臣まで務めた、二世というより三世政治家です。1,980日と戦後3番目の長期政権を維持しました。公立の横須賀高校から慶応大学経済学部に入学卒業後、ロンドン大学で学んでいます。ロンドン大学については公式には留学と主張してますが、聴講生だったというのが本当のようです。英語の発音も留学生となるのは無理ではないかと思えるレベルです。

慶応大学経済学部はかなりの難関ですし、受験で合格したわけですから一定以上の学力はあったと推定されます。政治家になってからも大蔵、厚生族の政策通の議員としてキャリアを積んでいます。二世議員ではあっても、政治家としても行政能力を評価されてきたと考えてよいでしょう。

小泉については、「変人」「小泉劇場」など毀誉褒貶はあったものの、総理在任中、知的能力に疑問符が付けられるようなことはありませんでした。「ワンフレーズ政治家」との批判もありましたが、状況、タイミングに合わせて適確で印象に残る言葉を吐くのは、IQで重視される言語能力も高かったからと推定できます。

知的能力に多少疑問符をつけたくなるのは、総理大臣退任直前のアメリカ訪問でプレススリーの真似をしたことかもしれません。多くの日本人は気恥ずかしく感じたのではないかと思いますが、軽薄さは知能レベルとはあまり関係ないようです。

安倍晋三:
成蹊学園を小学校から大学までエスカレーターで進級しています。その後アメリカに渡り1年後に南カリフォルニア大学に入学を許可されますが、1年で中退しています。帰国後神戸製鋼に入社し3年勤務の後、竹下登と総理の座を争った、父安倍晋太郎の秘書官を経て、父親の死後、1993年衆議院議員となります。1960年安保改定時の岸信介は祖父にあたります。

小泉内閣成立後2001年官房副長官になり、北朝鮮への強硬姿勢や若さと歯切れのよい発言に人気が集まり、幹事長に異例の抜擢をされますが、参議院選挙敗北の責任をとって幹事長代理に退きます。ポスト小泉の最有力候補として官房長官に就任、小泉首相退陣の後、自民党で圧倒的な支持を受け自民党総裁、内閣総理大臣となります。

安倍は知的能力に大きな疑問符の付く政治家です。安部の学歴、職歴を見ると、厳しい競争を勝ち抜いてきた様子はありません。成蹊大学は難関大学とは言えませんし、それも受験はせず持ち上がりです。エスカレーター式であっても、中学受験はその後の成績と相関している場合が多いのですが、小学校では本人より家庭や父親の社会的地位が重視されます。安部の家柄はその点では申し分ありません。

サラリーマンも平社員として3年の勤務ですから、キャリアとまでは言えません。政界に入ってからは父親の秘書官から衆議院議員となり、行政的な実務にはほとんど関与していません。つまり、知的能力を厳しく問われるような経験はしていないのです。唯一の実績とも言える対北朝鮮の強硬論にしても、強硬だったこと以外粘り強く拉致問題解決を前進させたわけでもありません。

安倍の話し方を聞いていると滑舌は良いのですが、主語述語の関係など意味が良くとれないことが時々ありました。特に首相辞任表明の時などは、精神状態もよくなかったのでしょうが、かなり意味不明の部分がありました。

安倍が中途で政権を放り出してしまったことと、知的能力が高くなかったこととは関係ないでしょう。むしろ、自分にはとても勤まらないと思った時、あっさりと政権を投げ出したのは、知能より二世特有の地位に恋々としないという要因が大きかったと考えられます。

安倍は知的能力と十分な経験を欠いていたことが総理大臣としての職務遂行上障害になったのでしょう。総理大臣はお飾りではなく、巨大な行政機構の長であり、政党のボスです。官僚と渡り合い使いこなす、理解力、分析力に加え、広範な知識や権謀術数も必要です。人任せで勤まるほど甘くはなかったということです。

ただ安倍は外遊で相手国の要人と会う時は、姿勢もよく実に堂々と見えました。外務大臣も務めた父親と行動を共にした経験と訓練が役に立ったと思われます。しかし、見た目だけでは総理はできません。総理大臣になるためには場馴れする訓練も大切かもしれませんが、知的能力という本来の資質に欠けては意味がありません。

福田康夫:
麻布高校から早稲田大学第一政経学部に進んでいます。父は91代内閣総理大臣、福田赳夫です。大学卒業後、丸善石油(現コスモ石油)に入社して、17年間のサラリーマン生活を送ります。丸善石油時代には米国勤務を経て石油輸入課長になっています。まずは順調な昇進と考えられます。退社後、総理大臣だった福田赳夫を秘書官となり1990年に衆議院議員になるまで13年間秘書として過ごします。

二世としては例外的な50代での議員初当選でしたが、外交畑を主として過ごした後、森内閣で官房長官となります。大臣経験もない官房長官への抜擢でしたが、安定感のある仕事振りで評価を得、その後森内閣から小泉内閣へ引き続き官房長官となります。森、小泉両内閣通算1,289日の官房長官在任は歴代1位です。

福田は言語的に安倍のような知能レベルを疑わせるようなことはありませんでした。サラリーマン時代大企業の管理職として認められていることからも、一定以上の知的水準を持っていると推定されます。父親の秘書官から政界に入るという点では安倍と同じでしたが、安倍が社会経験もあまりなく、まったくの勉強のために秘書になったことと比べて、実務的な能力を買われて父親を手伝うことにしたと考えられます。

大臣も官房長官しか経験していないことは安倍と同じですが、長期に渡り各大臣の上司のような立場で内閣を切り盛りしていたことを考えると、経験不足だとは言えません。しかし、その福田も安倍と同じく1年で政権を投げ出してしまいます。

福田が辞任したのは恐らく参議院で多数を失って、政局運営に困難を極めたことが直接の原因です。それはそれとして、結局は福田も安倍と同じで、本質的に総理の座に執着する度合が小さかったということになります。知能レベルとは別に二世議員の淡白さということなのでしょう。

麻生太郎:
麻生も安倍が小学校から大学まで一貫して成蹊学園だったように、学習院小学校から持ち上がりで学習院大学を卒業しています(小学校は3年生からの編入)。学習院卒業後スタンフォード大学大学院に入学し、途中でロンドン大学に転入しています。どちらも学位の取得はありません。

麻生は毛並という点では、他の二世議員と比べても群を抜いています。祖父は吉田茂で、明治の元勲大久保利通や天皇家にまで連なる名門に生まれました。父親は九州の炭鉱財閥から始まった麻生産セメント会長で、衆議院議員として麻生派の創始者となった麻生太賀吉です。太郎本人もロンドンからの留学後すぐ麻生産業取締役から1973年麻生セメント社長になっています。

明治維新が出発点とはいえ、麻生は家柄的には日本の貴族とも呼べる存在です。総理就任時の、「御名御璽(ぎょめいぎょじ)をいただき」というような大袈裟な表現も、天皇家をお守りする貴族の一員という意識が言わせたものと考えられます。毛並のよさという点では、イギリス王室以上と言われたチャーチル的な首相です。学校の成績が悪かったという点でも似ています。

しかし、麻生がチャーチルに似ているのはそこまででした。チャーチルが大戦回顧録でノーベル文学賞を受賞したのと比べるのは酷ですが、漢字の誤読で首相としての適格性を云々されるという未曽有(これを麻生はミゾウユウと読んだのですが)の事態を引き起こしています。

ただ麻生は安倍のように文法が乱れて意味不明になるようなことはあまりなく、漢字が読めなかったり、「何となく」という口癖があるように語彙の乏しさの方が目立ちました。麻生自身も「勉強嫌い」だった書いているようですが、書籍を極端に読まないのではないかと思われます。麻生の漫画好きは有名ですが、主たる読書は漫画だけだったのではと推定されます。麻生の場合は知能よりも不足していたのは学力だったと思われます。

麻生は学生時代はできの悪い生徒で、会社員はいきなり取締役としてスタートしています。それも創業家の御曹司ですから、周りが全て段取りを付けてくれて自分は何もしなかったのではないかと思います。何もしなかったという推定は多分正しいでしょう。麻生の知的水準で会社経営を意欲的にしていたら、麻生セメントは倒産していた可能性が高く、会社が存続しているという事実が、何もしなかったという何よりの証拠かもしれません。

何もしなかったことで会社を存続させてきた人間が、経営者として経済に強く、英語もうまい外交通だと言って総理になったのですが、多分総理大臣は麻生が初めて主体的に責任を持って職務を実行しなければならない仕事だったのでしょう。

麻生が安倍、福田よりすぐれていたのは、総理のポジションへの執着でした。支持率が下がり続けようと、マスコミが次は民主党政権だとはやしたてようと、麻生は衆議院の任期いっぱいまで断固首相の座を降りませんでした。

どうしてあんなに頑張れたのか不思議ですが、安倍や福田にしたところで、大きなスキャンダルがあったわけでもなく、自民党は衆議院で3分の2を超える圧倒的多数を持っていたのですから、政権を放り出す必要は冷静に考えればありませんでした。そこに気づいていた点では麻生は賢かったのかもしれません。

鳩山由紀夫:
鳩山は東大の応用物理学科を卒業してスタンフォード大学で博士号を取得、東京工大助手から専修大学助教授を経て政界に転じています。母校の東大には残れなかったものの、この経歴は最高水準の知能の持ち主でないと得ることはできません。

鳩山首相の祖父は麻生の祖父の吉田茂から政権を奪った鳩山一郎です。父親の威一郎は大蔵事務次官から政界に入り外務大臣を務めています。資金提供をしたと問題になった母親はブリジストンタイヤの石橋家の出身で、ご承知の通り大金持ちです。知能も、毛並も、財力も申し分なく、総理大臣になるために生まれてきたような環境で政治活動を続けてきました。

鳩山に欠けているものは、職業人としての実務的能力でしょう。大学時代はマネージメントではなく研究者でしたし、政界に入っても野党が長く、族議員も大臣もしていません(細川内閣時代に官房副長官を短くしただけです)。観念論や美辞麗句を並べれば表の仕事はできますし、批判はしても実行可能な対案を練り上げる必要もありません。

鳩山は「責任を取らされる」という懸念や心配なしで、人生のほとんど過ごしてきたのだと思います。でもなければ「普天間基地の移設は責任を持って5月までに結論をだします」などという恐ろしいことが言えるはずがありません。

鳩山首相も地位にあまり執着していないように思えます。苦労して得た地位ではないし(本人はそうは思っていないでしょうが)、首相でなくなっても全てを失うようなことはないからです。家柄、財力は首相でなくても自分のものです。責任を取ると言って辞めてしまう可能性は大いにあるでしょう。

指導層を選抜する仕組みが必要

総理大臣の資質、それも知能のような資質のごく一部を検証するというのはバカバカしいことなのですが、総理になるまで十分な検証を経ていないと思われる二世政治家の総理が続くと、このような作業も必要になります。

最後の官僚出身の総理大臣の宮沢政権が総辞職してから15年以上たちますが、今まで生まれた11人の首相のうち二世議員でないのは、細川護熙、村山富市、小渕恵三、森喜朗の4人だけです。そのうち細川は母方の祖父の近衛文麿が首相経験者です。特に最近5代の首相は全て二世議員、それも3人は首相経験者を父または祖父に持っています。

二世議員が直ちにダメな議員にはなりませんが、知能、経験、責任感など二世議員が大きな問題を抱えていることは見た通りです。特に知能のようにIQテストなどで比較的簡単に測定できるもので資質に疑問符が付く人物があっさり総理大臣になってしまうのは大きな問題です。

また、経歴的に首相となって仕事ができるかどうかということがあまり重視されず、「国民的人気」があるという怪しげな基準で首相候補を選ぶ結果、抽象論ばかりで実行能力が著しく劣る人間が首相になってしまうことも起きています。

日本には指導層を育てるというより、指導層につくべき人間を選抜していくプロセスが是非とも必要です。さもないと、下積みの苦労も知らず、下積みの仕事をさせて初め判る人物像を判断されることもなく、議員あるいは首相候補にいきなりなってしまうことを防止することはできなくなります。

下積みの仕事と総理大臣の仕事は違います。しかし、総理大臣のようなジェネラリストの頂点に立つような人は概して下積みの仕事もそれなりにこなすものです。余分な選抜過程を入れることで、みすみすふるい落とされてしまう有為な人物も出てくるでしょう。しかし、それでも漢字もろくに読めなかったり、責任というものを理解しているとは思えない総理大臣が生まれるよりまだましなはずです。

最後の官僚出身の総理大臣、宮沢喜一は秀才として有名で、「30にして60歳の頭を持つ」という老獪さもありました。しかし、宮沢は学歴、それも東大出かどうかにひどくこだわり、東大出の少ない官僚出身でない政治家をバカにしていました。しかも腹の中で思うだけでなく、酔うと(宮沢は酒乱の気があったと言われています)面と向かって相手に言うのでひどく嫌われていました。

いい年をして東大出かどうかを人間の評価基準にしていたのは、ハンモックナンバーにこだわった海軍のように愚かな話ですし、精神年齢も幼稚だったのではないかと思います。30の時から60の頭を持っていたというのは、知能の話だけで精神年齢は30程度のまま年を重ねたのかもしれません。そのせいか宮沢は早くから総理候補と呼ばれた割にはなかなか総理になれず、最後は金丸、小沢という東大も出ていない連中の面接まで受けてやっと総理になれました。その総理の座は内閣不信任案の可決によって失ってしまいます。それが東大出にこだわる幼稚さのせいかはわかりませんが、知能指数が高くても、学歴が高くても総理の資質としてはまだ十分ではないという一つの例ではあるでしょう。

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この記事に対するコメント
国家指導者の選抜法
 真面目に考えたのですが、「頭が疲れる割に実のある方法は浮かばないな」と諦めようとした時、good ideaが浮かびました。
 基本はアメリカの大統領制と同じですが、最後に「くじ」を導入するのです。選挙結果は倍率に換算し、その倍率をソフトに打ち込んだ上、大きな会場(森タワーに巨大ビジョンを吊るすとかもいいかも知れません)でくじ引きをします。

 最大の欠点は、必ずしも民意が反映されない点ですが、各国の指導者を遡って行って、必ずしもベストの人選が為されたとは思えないことより、制度的に完璧なものは存在しないと考え、許容範囲と判断しました。
 次の欠点は、泡沫候補であっても、ごく低い確率ではあるものの、当選の可能性がある点です。また立候補者数が膨大になることが予想され、選挙での作業が困難を極める点です。

 最大の長所は「盛り上がる」点です。確率以上の何者も存在しない訳ですが、お参りする政治家・占い師の登場・存在しない不正・買収・陰謀説とか、今から目に見える様です。
 次の長所は、個人で出馬可能ですから、党の候補に成れなそうな立場の人物でも、離党すればよい点です。

 下らなく感じると思いますが、国立大の教育学部の付属校では、学力テストで2倍まで絞った上でくじ引きを行うことが行われて来た・いることもあり、民主的な手続きとして、受け入れ可能範囲と考えます。
 実現性としても、現在の議席状況では可決の見込みはありませんが、少数政党はこぞって賛成するはずですので、状況次第では可決されると思います。

 いずれにせよ、その盛り上がりを考えると、一度はやってみたいです。
 
【2010/02/06 10:17】 URL | 桃栗 #- [ 編集]

ささいなことですが
ハンモックナンバーとは海軍兵学校の卒業席次のことだとおもいますが。
【2010/02/08 11:57】 URL | shiro #- [ 編集]

Re: ささいなことですが
> ハンモックナンバーとは海軍兵学校の卒業席次のことだとおもいますが。

ご指摘の通りですね。ハンモックナンバーが提督の昇任にまで影響を与えていたので、海軍参謀を養成する海軍大学の成績が重視されると思い込んでいました。もっと前の海軍兵学校の成績で何もかも決めていたわけですね。
【2010/02/08 15:16】 URL | RealWave #- [ 編集]


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