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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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推定有罪
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上杉隆氏


小沢一郎民主党幹事長の政治資金規正法違反での立件、起訴が見送られました。小沢氏の資金管理団体である陸山会世田谷の土地購入費、4億円にまつわる資金疑惑は、小沢氏の秘書だった3人の起訴で終わることになります。

ただ、小沢氏を告発している市民団体などは小沢氏の起訴を検察審査会に申し立てているため、最終的に小沢氏が起訴を免れるかどうかは検察審査会の判断を待つことになりました。検察審査会は裁判員制度の導入にあわせて権限が強化されていて、検察審査会が2回続けて起訴相当の結論を出すと、検察の判断のいかんにかかわらず小沢氏は起訴されることになります。

司法の話はこれだけなのですが、小沢氏の資金疑惑をめぐって検察の捜査手法について場外乱闘とも言うべき状況が起きています。検察が捜査情報のリークにより小沢氏の有罪を印象付けるような流れを作ろうとした。これは公務員の守秘義務に反する、あるいは検察という官僚機構が捜査情報の独占という立場を利用して権力を不当に乱用しているというのです。

ネットの世界では検察批判の声はかなり大きく、有名な「きっこのブログ」では検察批判、小沢氏擁護キャンペーンと言ってもいいような記事が続きました(たとえば東京地検の完全敗北)。なかでも上杉隆氏は週刊朝日のような有力メディアを通じて検察批判を続けています。

その上杉氏は小沢氏の不起訴が決まった後、2月10日のDiamond Onlineで「小沢幹事長問題ではっきりしたメディアと国家権力の危険な関係」という記事を寄せ、「日本は推定無罪の原則を持つ法治国家であるはずだ。だが、いまやそれは有名無実化している。実際は、検察官僚と司法記者クラブが横暴を奮う恐怖国家と化している」と検察権力とそこから情報を得てあたかも小沢氏が逮捕されるかのように報道したメディアを強い口調で非難しています。

上杉氏は記者クラブの閉鎖性、記者クラブと権力側の持ちつ持たれつの関係を非難してきました。記者クラブが権力側からの情報を独占することで既存メディアが利益を得ていること、逆にそれが権力による情報操作に利用される危険があることは事実でしょう。記者クラブがかなり日本独特の仕組みであることを見ても、記者クラブが村社会的日本のシステムの一部をなしている現状は変わるべきだ、という上杉氏の主張は大いに耳を傾けるべきだと思います。

しかし、上杉氏の「(日本は)検察官僚と司法記者クラブが横暴を奮う恐怖国家」で「推定無罪」の原則が破られているという、今回の記事を読むと「上杉さんいつから狂信的民主党シンパになっちゃたの?」と聞きたくなってしまいます。報道、評論が一方の立場に肩入れすることは異常でも何でもありませんが、ジャーナリストである以上「狂信的」なまでに特定政党の支持に凝り固まってしまうのはどうかと思います。

検察批判論のおかしなところは、すでにおかしいぞ検察批判で書いたのですが、改めて事件の要点をまとめると、

(1) 今回の疑惑の出発点は陸山会という小沢氏の政治資金管理団体が4億円の土地取引を現金で行ったということです。土地取引を大量の現金で行い、なおかつ政治資金報告書で購入代金を銀行からの借入金であると記載しています。この4億円の出所、なぜ4億円を現金のまま小沢氏の自宅に何年間も保管していたかということに対し、小沢氏側から一般常識で了解できるような説明は一切ありません。小沢氏側に資金の性質を説明できない理由があり、資金の出所が公共事業に関係した建設会社などであるというのは極めて合理性の高い推定です。

(2) 上記の推定を裏付けようとしても、資金の流れが全て現金であるため、カネの出所の特定は困難です。また、資金の出所に目星がついても小沢氏が野党の時代の現金授受と想定されるため、贈収賄 での立件は難しく、政治資金規正法の虚偽記載のような「形式犯」での立件以外は難しいと思われます。

これを見ても小沢氏に「説明しろよ」と言って小沢氏が説明できなければ(小沢氏は何を説明すれは「説明責任」を果たせるのか)、「賄賂性の高いカネを建設会社から受け取ったんだね」と思われるのは当然です。とにかく小沢氏はカネの出所を言って、なぜ4億円(もっとかもしれませんが)も現金で自宅に保管したかをちゃんと口でも文書ででも説明すればよいのです。

いままで数々の事件で罪もない人間がマスコミに犯人扱いをされてひどい目に遭ったことはありますが、そのような事件では犯人扱いされた人たちは記者会見をして反論する機会などはまずありませんでした。小沢氏は違います。

検察が起訴まで持ち込めなかった理由も理解できます。「怪しい」だけでは起訴も裁判もできません。本当は「とっても、とっても、絶対悪いことをしていると確信できるほど、怪しい」のですが、小沢氏のような超大物を「とりあえず適当に逮捕して後は何とかしよう」というわけにもいかないでしょう。

検察の情報リークのやり方は公務員の守秘義務に反しているのかもしれません。記者クラブは閉鎖的で検察の手先になっているのかもしれません。しかし、そのことと「小沢氏はもの凄く怪しげなことをしていた」のとは別の話です。

上杉氏に言いたいのは「記者クラブの問題はどこか別のところでしたら」ということです。最低限「検察と記者クラブは悪い」だから「小沢氏は推定無罪とすべき」だという滅茶苦茶な論理展開は(上杉氏の記事を読めばそう言いたいのは明白です)少なくとも自分はジャーナリストで民主党の広報部員ではないと思うならやめるべきです。

世間の常識に照らせば小沢氏は「推定有罪」です。「推定無罪」になるのは法的な意味での証拠が不十分であるからに過ぎません。本来ジャーナリズムは法律で裁くことができなくても、事実や問題点を明らかにすることで、法の不備の指摘を行うことも重要な仕事のはずです。「政治資金規正法の虚偽記載は形式犯」にしかならないとか「大量の現金は違法なカネであるという証拠がない限り、出所、流れの説明義務はない」というのは制度、仕組みのどこかに欠陥があるとしか言いようがありません。」

今回の「場外乱闘」で上杉氏のように検察の「無理矢理捜査し逮捕、起訴」できる権力の恐ろしさを説く論調は色々あったのですが、「逮捕も起訴もしない」という権限に触れたものはあまりありませんでした。しかし、昨年5月に検察審査会が起訴相当との判断を2回行えば検察が何と言おうと起訴されることになるまで、検察が起訴しないと決めた事件は絶対に起訴されなかったのです。裁判所は検察が起訴したものを裁くことしかできませんから、検察が持つ「起訴しない」という権力は絶対的なものでした。

偶然かどうか知りませんが、小沢氏不起訴の報があってすぐの2月7日の日経に「官邸主導の幹部人事、検察庁・宮内庁は対象外 独立性保つ」という記事が出ました。検察にとってはありがたい話ですが、小沢氏の事件との何の関係もないのでしょうか。上杉氏が記者クラブと検察の批判をするのなら、この報道の裏を探ってみたらどうなのでしょうか。
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