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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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東京の風景をぶち壊す「許せない」建物
東京が美しい町かと聞かれて自信をもってイエスと答えられる人はあまり多くはないでしょう。皇居の周辺から丸の内を望んでみる景色は、堂々とした大都会の趣があるのですが、全体としてみると雑然としていてパリのような整った街並みとはとても比べられません。

日本人が美しい街並みを作る能力がないのかというと、そんなことはありません。京都の町屋や倉敷の蔵の連なる通りを見れば日本人が美しい町を作る伝統を持っていたことは疑いがありません。

東京も江戸時代は江戸城を中心に大名屋敷を配し職能別に作られた町割りをして、機能的でしかも美しい街並みを持っていました。その東京を今高層ビルから見ると、雑然とした建物がとりとめもなくどこまでも広がっています。東京は何の計画性もなくガン細胞が成長するように巨大化してしまった街です。

再開発と称して昔の建物を爆弾でも落としたように一掃してコンクリートで固めて無個性な高層ビルを林立させてしまう。いや個性がないのはまだましな方で、自己主張ばかり強くて周囲とおよそ調和することを考えていない醜い建物が次々に現れて、風景をぶち壊しにしてしまうのは日常茶飯事です。腹を立ててもどうすることもできないのですが、これは東京の街並みを破壊する「許せない」建物リストです。

Edo-Tokyo_Museum.jpg

江戸東京博物館

国技館の近く両国駅から3分ほどのところにある博物館。Wikipediaによると「失われていく江戸、東京の歴史と文化に関わる資料を収集、保存、展示することを目的に、平成5年(1993年)3月28日に開館した」となっていますが、皮肉なことに奇怪で巨大な外観が、東京の風景という文化の破壊の一翼を担っていると思う人は多いでしょう。

コンクリートで固めた広大な敷地に建つ白いビルは、1960年ごろに思い描いたブラジリア的な未来の建造物に和風の屋根を載せた外観を持ち、演歌歌手がボサノバをコブシを効かせて歌うような珍妙さを感じさせます。

高床式の建物を真似たのか、柱に支えられた巨大な建屋は、奇をてらっているだけで何の機能的な合理性も美しさもありません。取り柄と言えばその大きさだけで、貧弱な常設展示物のお陰(?)もあって、兵馬俑展のような場所を食う展示会に利用されることも多いのは、箱モノ行政が唯一有効な東京という場所に助けられた結果です。

60年代のモダニズムと和風を合体させた醜い外見は、博覧会のような1年物の建造物ならまだしも(当初「江戸博」という言葉からそうに違いないと思い込んでいたのですが)、恒久的な建造物としてはその大きさも敷地の無味乾燥さも文化施設としては許されない、無駄どころかマイナスの税金の使い途でしかありません。

Asahi_Breweries_Head_Office.jpg

アサヒビール本社

黄金に輝く金色のオブジェは「新世紀に向かって飛躍するアサヒビールの燃える心を表している」そうですが、これを見て人間の排泄物を連想しない人がいたら、精神をどこか病んでいるのではないかと疑ってしまいます。

この建物は長らく低迷していたアサヒビールがスーパードライで一気にキリンを追い抜いて業界トップに躍り出た1989年に完成しました。デザイナーはフランス人のフィリップ・スタルク。

アサヒビールがどのような注文をデザイナーにしたのか知りませんが、スタルクはオブジェを本社ビルのロビーあたりに置くのではなく、まさか10階建てのビルほどの大きさで作り上げるとは思っていなかったのではないでしょうか。

もっともこれはスタルクに対する好意的な見方で、スタルクは出来上がった建造物に小さな模型以上のイメージを持てなかったに違いありません。そうでなければ、よほど日本に悪意があったか、先述のようにどこか頭の配線がいかれていたと考えるしかありません。

「うんこ」オブジェは成田から箱崎へ続く高速道路からもよく見えますが、吾妻橋を挟んで国際的観光スポットの浅草の向かい側にあります。外国人が浅草で日本情緒を味わって隅田川の反対に世界にも類を見ない人間の排泄物のモニュメントを見つけた時どう感じるのか。つい「国辱」という言葉を思い出してしまいます。

supremecourt.jpg

最高裁判所

日本伝統の名建築というと正倉院、桂離宮といくらでも思いつきますが、基本はすべて木造です。石を使った建物となると、城の石垣と建物とは言えませんが墓石くらいです。そのせいでしょうか、三権の一つ、司法の頂上に位置するこの建物は裁判所というより巨大な墓石のように見えます。

最高裁判所の設計者は岡田新一という東京大学建築学科を卒業し日本芸術院会員になった大物建築家ですが、シンプルでモダンな外観を得意としているようで、最高裁判所のような予算たっぷりで重厚な権威の象徴を作るのは苦手だったようです。こんなことならアムステルダム駅のコピーで東京駅を設計した辰野金吾*のように、アメリカのキャピトルヒルあたりのそっくりさんを作った方がよほどデザイン的にはよかったと思われます。

(*これは俗説だそうです。「アムステルダム中央駅はネオゴシック様式であるが、東京駅はビクトリアン様式」ということで根本的に様式が違うのでコピーのはずはないというご指摘を受けました。ただ辰野金吾の作品は変な和風のアレンジがない分だけ好感を持っています)

キャピトルヒルついでに言うと国会議事堂も石造りの設計が苦手な日本人が設計した建物のようで、権力主義的な重々しさはありますが、美しさはあまりありません。こちらは最高裁判所のモダンさではでなく日本的な味付けを施そうとしたのか、インカのピラミッドのような屋根を載せてあるのがアンバランスな印象を与えています。

石造りの建物に重厚さと優美さを兼ね備えさせるとなると、ギリシャ建築の伝統を持つ欧米が一枚も二枚も上のようです。ファッション関係のデザインでも、日本人は繊細なものは良いものを作るのですが、ボリューム感のある金のアクセサリーなどはあまり得意ではありません。それにしてもバカでかい墓石のような裁判所を作るのはどうかと思いますが。

tokyomode.jpg

モード学園コクーンタワー

西新宿にある学校法人モード学園が建設した高層ビル。新宿駅西口を降りると目の前に50階建ての変わった趣向のこのビルが見えます。コクーンタワーの名の通り蚕のマユをイメージした外観となっているのですが、鳥の巣のようにも、ミノムシのようにも見えます。

コクーンタワーのデザインは斬新ですし、写真で見る限り美しいと言ってもいいくらいです。ただ、西新宿の高層ビル群とはあまりにも趣が違っていて違和感が目立ちます。特に四ツ谷方面から新宿通りを進んでいくと、周りの背の高いビルに囲まれたコクーンタワーはスーツに身を固めたビジネスマンに混じった国母選手のような居心地の悪さを感じさせます。

コクーンタワーはもっと広々とした学園のキャンパスにでも建っていれば、デザインの斬新さもモード学園に相応しく見えたでしょう。しかし、「いつまでたっても足場がはずれない」と不思議がった人が結構いたように、西新宿にせせこましく建てられたコクーンタワーは不調和だけが際立ってしまっています。

Robshon.jpg

シャトーレストラン ジョエル・ロブション

1994年に完成した恵比寿ガーデンプレースの中に建つヨーロッパのシャトー風の外見を持つ建物。ミシュラン東京版で三つ星の評価を得ているフランス料理店、ジョエル・ロブションが入っています。恵比寿ガーデンプレースはサッポロビールの跡地に「豊かな時間、豊かな空間をテーマに、水と緑のアメニティ溢れる都市空間の創出」を目指してオフィス、住居、商業施設を一体に作る複合都市再開発プロジェクトです。この種の都市型複合施設としては1988年に完成したアークヒルズが最初でしょうが、商業施設との組み合わせたという点で、その後の六本木ヒルズ、六本木ミッドタウンなどにも大きな影響を与えています。

シャトーを模したのか、本当にヨーロッパから建物ごと持ってきたのかはわかりませんが、建物の様子はヨーロッパ郊外の三ツ星レストランが収まるシャトーと同レベルのハードウェアと言えるでしょう。

本物指向で作られたはずの建物ですが、恵比寿ガーデンプレースの中に置くと、まるでラブホテル、よく言ってディズニーランドの一施設のように見えてしまいます。想像される料理の味も三ツ星級というよりファミレス並みのような気さえしてしまいます。

ヨーロッパの森の中にひっそりと建っていると素敵に見えるシャトーもコンクリートを引きつめた複合施設群の中では、マンハッタンで天守閣をかたどった建造物を見るような違和感が付きまといます。

同じような一軒屋のレストランでも芝公園にあるクレッセントは、建物はずっと質素ですが、公園の木々越しにレストランが見えて、なかなか良い感じです。レストランからの景色も道路を木が隔てていて、都会の中で森のレストランで食事をするような気にさせてくれます。ロブションももしかしたらガーデンプレースではなく日比谷公園の中にでもシャトーを建てたかったのかもしれません、

ここでのお食事がおおよそ一人3万円、ワインに少し良いものを飲むと5万円くらいとか聞くと、「ラブホテルで飯食ってそんなに払うのか!」と思う人もいるのではないでしょうか。いやいなければ別に構わないのですが。

Roppongi_Hills_Mori_Tower_from_Tokyo_Tower_Day.jpg

六本木ヒルズ森タワー

六本木ヒルズの建設中、高さ240メートルの森タワーが次第に姿を現わすのにつれ、周辺の青山、麻布の人たちの多くは巨大な宇宙人のロケットが着陸してきたような嫌悪感に襲われました。

森タワーのインパクトの強さの理由は、何と言っても高層ビルとしては異例の太さにあります。同じくらいの高さの六本木ミッドタウンの方は森タワーのような圧迫感はありません。高層ビルは男根願望の表れだというフロイト的な分析をする人がいますが、森タワーを見ると、そんなものかもしれないという気がしてきます。

もともと高層ビルは都心のビジネス街や倉庫くらいしかない埋立地のようなところでは、効率的で都市美を作り出す手っ取り早い方法かもしれませんが、六本木のように雰囲気のある街ができあがっているところでは、破壊的な影響があります。まして六本木ヒルズのような広大な敷地全体を一つの色で染め上げるようなことをされては、どうしようもありません。六本木ヒルズができて近くにあった洒落た小さなレストランや秘密めかしたバーは、いきなり照明を明るくされたナイトクラブのような白けた雰囲気になってしまいました。

確かに、六本木ヒルズのあったあたりはテレビ局以外は狭い路地に住宅と小さな飲食店が混在した高級住宅地と言うにはゴミゴミしたところでした。再開発をするのは必要なことだったのかもしれませんが、何も森の木を切り倒して、芝生にしてしまうようなことをせず、元からの風景や雰囲気を残すことはできなかったのでしょうか。

この点では「周囲と調和した街を作る」と言った恵比寿ガーデンプレースもそれほど成功しているとは思えません。高層ビルを建ててコンクリートを敷き詰めた広場と称するものを作ってはぶち壊しです。所詮街の歴史とは無縁な没個性な建造物です。

都心の再開発プロジェクトは何もない野原の真ん中のショッピングセンター作りと同じ発想で計画されるようです。色々お題目は並べますが、できあがったものは区別がつかないほどよく似ています。再開発プロジェクトが民間の資金で行われる以上効率性を追求するのは止むえないことです。しかし、せめて周囲を圧する巨大宇宙船をいきなり着陸させるようなビルだけは何とかならないのでしょうか。


Omotesandohills.jpg

表参道ヒルズ

街を破壊してしまうという点では、六本木ヒルズより表参道ヒルズの方が悪いかもしれません。表参道ヒルズは有名な安藤忠雄の設計で六本木ヒルズと同様森ビルにより2005年に完成しました。

表参道ヒルズの建物自身は決して醜くはありません。ケヤキ並木越しに見える水色のガラスと銀色の金属のフレームの近代的な造形は、一流の建築家の手になったものだと納得させるものです。建物の中には坂道の傾斜にあわせた回廊があり、店のディスプレーを楽しみながら坂道を散策するように歩くことができます。

しかし、表参道ヒルズは250メートルという長大な建物の長さの分通りに面した商店やレストランを刑務所の高い塀のように覆い隠してしまいました。表参道という世界的に見ても洒落たショッピング街から、オープンエアのカフェや並木道を歩きながらのウィンドウショッピングという楽しみを奪い取ってしまったのです。

表参道ヒルズができる前にあった同潤会アパートは古ぼけていましたし、古ぼけているだけで、古い建物に超近代的な高級ファッションの店が入っているパリのような街並みを作ってはいませんでした。それでも、古い部屋を改造した洒落たファッション店を見ながら歩くのを皆楽しんでいました。

今の表参道ヒルズは表参道という共有財産を家賃を払う店子にだけ独占させようとしているようです。しかも、それは成功していません。表参道ヒルズを見ると比べてしまうのは、表参道と並んでファッショナブルな街、代官山の旧山手通り沿いに建てられたヒルサイドテラスです。

ヒルサイドテラスは1969年から7期、30年に渡って旧山手通りに沿って、槇文彦の設計による低層のシンプルで近代的な、そして周囲の風景になじんだとても美しい建物を建てていく長期プロジェクトでした。

ヒルサイドテラスも住居、オフィス、ファッション店、レストランがありますが、街は長い時間をかけて少しづつ作られていきました。そして、最初は大使館が多い高級住宅地というだけだった代官山は洒落た楽しい街になりました。代官山の街はヒルサイドテラスが作ったと言っても過言ではありません。

街を作ったヒルサイドテラスと街を破壊する表参道ヒルズ、何という違いでしょうか。恐らく二つの建造物の差は安藤忠雄と槇文彦という二人の建築家の資質によるものではないでしょう。街づくりにかける時間と姿勢が森ビルと朝倉不動産(ヒルサイドテラスの実質的な推進母体)と違っていたからでしょう。

あまり森ビルの悪口ばかり言うと不公平なので、少し付け加えておくと、森ビルが都心の再開発に大きな貢献をしたことは事実です。同じ再開発でもアークヒルズなどは陰気で古ぼけた溜池周辺を近代的で活気のある街並みに変えてくれました。しかし、六本木ヒルズや表参道ヒルズでは森ビルがあまりに周囲に無関係に街づくりをしてきたということは指摘しておかなければならないでしょう。

Imperial_Hotel_TOKYO_2007.jpg

帝国ホテル

帝国ホテルの建物は醜いわけではありません。周囲との調和を格別乱しているわけでもありません。その意味で帝国ホテルは「許せない」建物ではありません。しかし、かつて帝国ホテルが日本で最も格式のあるホテルであったことを考えると、外資系ホテルのはるか下に位置する、悪く言えば「ちょっと上等のビジネスホテル」になってしまったのは他人事とはいえ残念な気がします。

超一流ホテルであるための条件に優秀なマネージャーやベルボーイ、上等なレストラン、行きとどいたサービスメニューがあるのは事実です。それでもハードウェアとしての建物が豪華で気品がなくてはならないことは間違いありません。帝国ホテルの最大のは弱点はハードウェアが悪すぎることです(別にレストランも最高ではありませんが、まずい飯しか出さない格式の高いホテルもあります)。

昔の帝国ホテルはそんなことはありませんでした。現在の建物の前はフランク・ロイド・ライトの設計した風格と美しさを兼ね備えた建物が使われていました。しかし、低層の建物は270部屋しかなく、経営上止むえないという判断でライトの傑作の一つであった旧館は取り壊され、1970年772部屋を持つ現在の建物がたてられました。

ImperialOld.jpg
帝国ホテル旧館

帝国ホテルの行った経営判断を今の視点で非難するのは公平ではないかもしれません。しかし、シンガポールのラッフルズ・ホテルや、ニューヨークのウォルドルフ・アストリア・ホテルが旧館を残しながら新館のタワーを建設し、今も往年の格式を守っていることを考えると、旧館を少し位置をずらして新館を建てるような工夫ができなかったか残念な思いは残ります。

東京にあるビルの中で戦後から1970年代一杯くらいまでのビルは、安普請のものが多く文化的な価値を持っているようなものはほとんどありません。それらのビルは戦前のビルと比べて天井が低く、部材も内装に安手の物を使うことが多く、現在の水準で考えれば、貧しかった日本を思い出させるようなものです。

帝国ホテルと並んでホテル御三家と言われたホテルオークラもロビーの安っぽさやバーに重厚感がまるで欠けているのを見ても、リッツカールトンやフォアシーズンなどと比べるべくもありません。

東京のビルで保存運動が起きるのがほとんど戦前のものばかりなのは当然です。戦前のビルは天井が高く、石材もふんだんに使った豪華な物が多いのです。不思議なのはニューヨークも同じように戦前の建物の方が天井が高かったりするのですが、その分家賃も高く取れ、壊さずにそのまま使われることが多いのに、なぜ東京はブチ壊してしまうかということです。

都市を作るには時間がかかります。風格と味わいのある街づくりはもっと時間がかかります。それなのに何もかも壊し続けていてはいつになったら、東京は世界に誇れるような美しい街並みを持つことができるのでしょうか。

Nihobashi.jpg

日本橋と高速道路

ビルではありませんが「許せない」ということでは、日本橋の上に架かる首都高速道路の右に出るものはありません。首都高速道路は1964年の東京オリンピックに合わせて突貫工事で作ってしまったのですが、まだ貧しく資金の乏しい日本は建設費を世界銀行から借り入れなければなりませんでした。

そのためもあったのでしょう。首都高速道路は効率性が最優先され「美観などいうのは贅沢」という思想で建設されました。そして都心の真ん中を高速道路が縦横に走るという世界の大都市では例を見ない風景が現出してしまいました。

それでも皇居の周りだけは、皇居の中をのぞかせてはいけないという、美観とは違った理由で地下に高速道路が建設され、かろうじて最低限の風景は守られました。しかし、不敬とは無縁の日本橋などの文化財は容赦なく高速道路で覆われることになってしまいました。

韓国では現在のイ・ミョンバク大統領がソウル市長時代に、ソウル市を流れる清渓川の上を走る清渓高架道路を取り壊して、川沿いの遊歩道を作ってしまいました。ソウルにできることがなぜ東京でできないのかと考えてしまいます。

ただ、清渓高架道路は取り壊されただけで、日本橋の上の首都高速を取り壊す時に検討された地下化はしていません。当然費用ははるかに小さくてすみます。東京の場合は地下化を行わなければ、外環道、圏央道などの東京周辺の環状道路を充実させる必要があるでしょう。それがどのくらい費用がかかるかはわかりませんが、莫大なものであることは間違いありません。それでも都市の美観は費用には代えられないものがあるはずです。

江戸東京博物館のあたりは戦前は下町で庶民の住む町でした。1945年3月10日の東京大空襲はその庶民の町を徹底的に焼き尽くしました。死者は10万人に達しました。

同じように大空襲を受け破壊しつくされたドイツのドレスデンの町は、戦後それこそ煉瓦の1個1個を拾い集めるようにしてできるだけ完全に戦前の街並みを取り戻しました。今本所や蔵前のあたりは殺風景で無機質のコンクリートの街並みが広がっています。

江戸東京博物館では江戸から東京へと続く400年の歩みが展示されています。コンクリートの怪物の江戸博物館を改めてみると東京その物を象徴しているようにも思えます。江戸からの文化的つながりを断ち切った建物を江戸東京博物館として建ててしまう。都市の文化は案外このように作られていくのかもしれません。


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この記事に対するコメント

「アムステルダム駅のコピーで東京駅を設計した辰野金吾」だってお
バンバン(以下AA略
【2010/03/09 02:29】 URL | 匿名 #- [ 編集]


こんなメディアの表層部分をかすめとって、
さも自分の考えかのように言ってるこんな人に
コンサルタントしてほしくないんだが。
浅知恵で深入りするとこんなイタい頭になるんだな。
まあコンサルっちゃコンサルっぽい。
【2010/03/09 08:17】 URL | 匿名 #- [ 編集]


矛盾してますよね。歴史のある建物を壊して新しい建物を作る、スクラップ&ビルドを批判しておきながら、日本橋上の首都高に関しては壊して地下化したほうが良い、というのは。
結局同じスクラップ&ビルドな訳ですよね。
70年代建築に関しても、まだ適切な評価がなされてないだけということはないのでしょうか?
結局、自分が好きなものは壊して欲しくないし、嫌いなものは作り変えてほしい、というだけのような気がします。それでは東京のスクラップ&ビルドの流れはずっと変わらないのではないでしょうか。
個人的には、作ったり壊したり、違和感のある建物が建ったり、そういったものをひっくるめて東京の良さだと思っています。都市にお手本なんてないんですから。
【2010/03/09 12:45】 URL | jnakano #sqCyeZqA [ 編集]


文句を言っている人もいるようですが、別に馬場さんは自分の好きなようにスクラップアンドビルドを望んでいるのではないだろうと思います。ご指摘の内容は東京(佃)生まれ東京(月島、巣鴨、世田谷、早稲田)育ち(現在はロサンゼルス駐在ですが)の私にはなるほどと思えるものでした。
都市の景観は主観的なものなので、いろいろな意見があると思いますが、歴史のないアメリカですら景観をこわす信号機は自治体(日本より小さい単位)が設置を許さず4方向のstopサインで済ますなど、事故のリスクとのバランスを地元でよく議論したうえで決定しているように思います。自治体を小さくすることで議論が活性化しているのは、今の日本と逆行していますが、ひとつの示唆にも思います。
日本をはじめアジアではnakanoさんのような価値観の方が多いようにも思います。
(それが悪いというのではありません) 
欧州は、歴史あるものが好きで、米国は単純に感性で美しいと思えるのが好きで、いずれも統制は良しとの考えですが、東・東南アジアはなりゆきというのが当面の流れではないでしょうか。ただ日本は発展し続ける時代から、縮小する時代へ変化点を通過してしまっていますから、新たな考え方、すなわち欧州的な価値観へシフトするのではないかと思いますが、よくも悪くもやりたい放題では、不動産も上屋も日本人のエゴを映し出すものにしかならないかもしれません。なりゆきもまた民主主義で良いというnakanoさんのような方も多いでしょうし。
歴史とは端的には破壊しないことかとも思います。
ドイツのように、地方都市が活性化して国家を成り立たせるような国になるのがいいな
残念ながら現実はフランス式で中央集権、なんでも東京、それがいろいろな問題のもとかと。
【2010/03/11 17:38】 URL | mu #- [ 編集]

私見
 違和感を覚えたのですが、どう表明すればよいか判らず、寝かせました。
 建築は4つの要素で成り立つと考えます。
1.芸術性
2.学問性
3.経済性
4.オーナーの意向
 馬場さんが挙げられた物に当てはめると
江戸東京博物館  2
アサヒビール本社 1
最高裁判所     2
モード学園コクーンタワー  1と4
シャトーレストラン ジョエル・ロブション  4
六本木ヒルズ森タワー  3と4
表参道ヒルズ  1と3と4
帝国ホテル 3
日本橋と高速道路 3
になると思います。
 馬場さんには失礼ですが、わたし達門外漢が、1と2に意見するのは限界があると思います。3は地価との兼ね合いが大きいですし、例えば4の変更を森一族に求めるのは困難かと。
 日本橋と高速道路は例外として、皆保存すべき既存の建築がない物ですから、もう少し寛容であってもよいのではと思います。
【2010/03/12 10:38】 URL | 桃栗 #- [ 編集]

訂正
日本橋と高速道路を例外として→日本橋と高速道路および帝国ホテルを例外として
【2010/03/12 10:53】 URL | 桃栗 #- [ 編集]

Re: 私見
>  違和感を覚えたのですが、どう表明すればよいか判らず、寝かせました。
>  建築は4つの要素で成り立つと考えます。
> 1.芸術性
> 2.学問性
> 3.経済性
> 4.オーナーの意向
>  馬場さんが挙げられた物に当てはめると
> 江戸東京博物館  2
> アサヒビール本社 1
> 最高裁判所     2
> モード学園コクーンタワー  1と4
> シャトーレストラン ジョエル・ロブション  4
> 六本木ヒルズ森タワー  3と4
> 表参道ヒルズ  1と3と4
> 帝国ホテル 3
> 日本橋と高速道路 3
> になると思います。
>  馬場さんには失礼ですが、わたし達門外漢が、1と2に意見するのは限界があると思います。3は地価との兼ね合いが大きいですし、例えば4の変更を森一族に求めるのは困難かと。
>  日本橋と高速道路は例外として、皆保存すべき既存の建築がない物ですから、もう少し寛容であってもよいのではと思います。

桃栗さん、

日頃の勝手な鬱憤を書いただけなのですが、意外と多く方からの反響がありました。もちろん私は建築家でも芸術家でもないのですが、建築家の多くが自分の作品にだけ興味を持ち、周りの環境、風景にはあまり関心がないことに違和感がありました。

私がボロクソに言った建築物も支持する人は沢山いるだろうと思います。しかし、東京に住む(住んでいなくても構いませんが)人間として風景、環境は建築家の持ち物ではなく、すべての人のものだし、そこれに意見を言う権利は断固ある思います。どんなに有名なデザイナーの服でも自分が気にらなければ、着る必要がないのと同じではないでしょうか。
【2010/03/12 16:15】 URL | RealWave #- [ 編集]


東京の町並みに意見を言うこと自体はもちろん自由であり、そのことには何の文句もありません。。
ただ、
"東京が美しい町かと聞かれて自信をもってイエスと答えられる人はあまり多くはないでしょう。"
のような個人的体験と結びつけ、あたかもコンセンサスが取れているような意見であるように誘導するところに違和感を覚えました。

ある一つの美的センスから意見を述べることも大事かとは思いますが、都市とは誰かのトップダウンの意思で作られているのではなく、多数の人間の意志の融合なのですから、「個人的には汚いと思う」だけではなく、合意のプロセスなどにも踏み込んで考察しなければ、
単に「私は汚いと思うのでなくすべきだ。綺麗だと思うので残すべきだ。」というレベルの話で終わってしまうのではないでしょうか?
【2010/03/14 22:45】 URL | jnakano #- [ 編集]

Re: タイトルなし
> 東京の町並みに意見を言うこと自体はもちろん自由であり、そのことには何の文句もありません。。
> ただ、
> "東京が美しい町かと聞かれて自信をもってイエスと答えられる人はあまり多くはないでしょう。"
> のような個人的体験と結びつけ、あたかもコンセンサスが取れているような意見であるように誘導するところに違和感を覚えました。
>
> ある一つの美的センスから意見を述べることも大事かとは思いますが、都市とは誰かのトップダウンの意思で作られているのではなく、多数の人間の意志の融合なのですから、「個人的には汚いと思う」だけではなく、合意のプロセスなどにも踏み込んで考察しなければ、
> 単に「私は汚いと思うのでなくすべきだ。綺麗だと思うので残すべきだ。」というレベルの話で終わってしまうのではないでしょうか?

jnakanoさん、
おっしゃる通り、全ては私の好き嫌いで書いたものです。私が醜いと感じた建物でも、美しいと感じる人もいるでしょう。問題は東京では美的な理由でビルの建設にストップをかけるようなことは事実上不可能だということです。

たとえばアサヒビール本社のような例でさえ、建築基準法に合致していれば法的に建設阻止をすることはできなかったでしょう。ビル建設許可に美しさの審査があれば、すくなくとも相当な議論になっていたことは確実です。

建築基準に美的要素、つまり外観に対する規制が事実上存在しない日本は欧米の建築家が羨むというような話は良く聞きます。これは皮肉としか聞こえません。

本当に日本人は文化的に雑然とか混沌を好むのでしょうか。桂離宮を見るとそうとは思えません。日本でも相対的には高級ホテルのロビーは安ホテルのロビー(そんなものがあればの話ですが)よりすっきりしています。日本の街は安っぽいのです。なお、私も駅前の赤ちょうちんは嫌いではありません。多様性と混沌、雑然とは違うとは思います。

【2010/03/15 15:15】 URL | RealWave #- [ 編集]

おっしゃるとおりです。
馬場さん,東京の街並みの惨めさに関して馬場さんの意見に全く同感です。オーストリアに住んでいます。海外の芸能人がカメラに向かって「東京大好き。」と言うのは全くの営業用のお世辞で、ビジネスであるからやって来ているのであってプライベートで恋人と旅行する際にお金をかけてまでして、東京を訪ねる物好きは絶対にいません。海外から成田に着くのはそれ以外に便がないからで、観光客がそう来ないのは街並みに情緒や個性が無い上、決定的なのはロマンチックでないからだと思います。成田に到着後、誰もが気が付くのでしょうけど、電車からの眺めで嫌気がさすのはあのパチンコ屋の外観です。政府は観光大国に本当にしたいのなら、画一化を助長する補助金制度を止め、自治体に大幅な権限移譲する必要があると思います。少なくとも入り口である千葉県や東京都は、条例で全ての建物の外観に大幅な規制を加えて欲しいものです。そして司法も「景観の公共性」を支持する必要があるでしょうね。欧州ではキリスト教団体が教会以外にもけっこう住居用建物を所有していてそれらは賃貸可能ですが、購入は出来ません。勿論改造なども不可です。こんなことも街並みの維持に貢献しているのだと思います。ただ、日本は結局貧乏なのだと思います。今の欧州の豊かな国々は世界中から金銀財宝を分捕ってきた「かっぱらい」の国ですから、財力は全く敵わないのだと思います。
【2010/03/17 04:36】 URL | Owlvien #0eKlHyVs [ 編集]

賛成だぁ~
アタシは
浅草が地元ですっ
あの黄色いウンチは
だいきらいっっです
あれが建った時
浅草生まれと言うと
ウンコのそば?と
よく聞かれたものです
子供の頃の
このトラウマで
黄色いウンチを見ると
腹がたってたって…
地元の人から
1番嫌がられている建物ですっっ
【2011/07/01 15:39】 URL | チワワ #- [ 編集]


スタルクデザインのアサヒビール本社ビルについて。

休日にアサヒビール近くの水上バス乗り場に出かけるとと、
アサヒビールのビルを撮影している人がたくさんいらっしゃいます。
皇居の二重橋前のように、アサヒビールを背景に仲良く団体記念写真
を撮っている方もたくさんいらっしゃいます。

スタルクのデザインは、多くの人々に愛されていると思います。
【2011/11/17 11:59】 URL | E #I2dRYrTY [ 編集]


お前ら気持ち悪すぎ。

おれは良い意味で良い。
【2012/03/02 11:48】 URL |   #- [ 編集]

違うと思う
うーん、古いのは京都、奈良、鎌倉あたりにまかせて、
東京の低層ビル街はむしろもっとダイナミックでこれぞ東京大都会的な
超高層ビル街にしてもらいたい。

古臭いのが好きな人もいれば新しいのがすきなの人もいる。
東京モード学園のビルは多くの外国人にも愛されるている芸術的ビルです。
【2013/01/15 01:24】 URL | モエン #- [ 編集]


20年くらい東京に住んでるが違和感は特にないのだが。それを「全員の意見だ」という言わんばかりの論調。老害もいいとこだね。田舎にでも暮らしてな。
【2013/03/05 07:59】 URL | 匿名 #- [ 編集]


旧東京市街の悲惨さは筆者の言う通りです。
現在の東京23区が地球上で最も醜い街である事は疑いの余地がないでしょう。
それにも関わらず、なぜ首長や議員クラスで景観保護というか、美観を取り戻そうという声が一切上がらないのでしょう。都心の住民は少ないですし、年々減っています。住民による提起だけではどうにもならないのは明らかです。
今、まさに都知事選の最中ですが、景観改善を公約に挙げている候補はいません。

文化を知らぬ悲しき東京人、哀れな東京都。
【2014/01/31 02:13】 URL | 名無しの都民 #- [ 編集]


「森ビル、東京、破壊」というワードでこのブログにたどり着きました。
私は、ここ十数年前からの森ビルの「再開発という名の東京破壊」について非常に腹立たしく空しい思いをしています。
私は東京の坂道が大好きで特に港区界隈をたまに歩いては楽しんでおりました。
情緒もあり味わいもあり、好きな街です。
しかし、六本木ヒルズが建つ頃から、何か違和感を覚え始めたのです。テレビ朝日の周辺の坂や住宅をつぶし、殺風景な人工的な巨大過ぎる建物を建設。ビル風が強く吹き、外に立っていられない。情緒を無くした人工の無機質な物体。うんざりです。
表参道ヒルズも同じです。冷たく味のない、表参道から温度を奪ってしまうような長いストローク。
現在、鳥居坂ガーデン(とても魅力のある大人の空間でした)周辺を破壊するプロジェクトもあるようです。その他、神谷町の郵便局裏周辺、六本木交差点からロアビル~東洋英和周辺、麻布十番近くのさぬき倶楽部周辺、皆再開発で街がごっそり姿を消します。
どこも個性のある好きな場所でした。
そういえば、元麻布にある周囲からかなり浮いた印象の薄レンガ色の巨大でグロテスクなマンション、あれも森ビルだそうですね。あのマンションが出来た時はあまりのセンスの悪さに驚いたものです。
森ビルの再開発のセンスの悪さにあきれ返るばかりです。現在虎ノ門に周囲と調和しないかなり巨大な高層ビルが建設中ですが、もうどうにでもしてくださいって感じ。
今は私たち庶民の力ではもう何も出来ません。この「破壊」というセンスのない街づくり、悲しんでる人達は大勢いると確信します。
東京は、森ビルというお金のことしか考えないセンスの全くない会社によって壊されるばかりです。
今、東京の街のビルを俯瞰で見ると墓石に見えます。
最近東京が好きではなくなってきてます、悲しいかな。
森ビル、本当に嫌いな企業です。
【2014/02/23 18:21】 URL | 昔東京に住んでた人間 #- [ 編集]


せっかくコメント欄で有益な議論がされてると思ったのに、
最後は個人の好き嫌いでしか語れない人しかいなくなってしまうのですね。
【2015/11/22 19:40】 URL | 匿名 #- [ 編集]


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