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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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凄腕営業本部長小沢一郎
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民主党の小沢氏が幹事長を解任されました。小沢氏は今まで役職を辞任したり党を飛び出したりしたことはありますが、今回は形式はともかく事実上の解任です。菅政権は国民から不人気な小沢氏が解任されたことで高い支持率でスタートすることができました。

逆に小沢氏の内心はとても穏やかなものではないでしょう。夏の参議院選挙を自民党政権打倒の最終戦争と位置づけていた小沢氏にとって、先頭に立って選挙戦に臨むことは少なくとも公式にはできなくなったわけですから、小沢氏にとっては不本意以外の何物でもないはずです。

ただ、小沢氏の解任で小沢氏の念願だった自民党潰しはいよいよ仕上げに入ることができるようです。鳩山政権の最後の頃は政党支持率で自民党に逆転されるまで追い込まれてしまっていたわけですから、皮肉なことに小沢氏は辞めさせられることで目的を達する可能性を得ることができました。

当ブログでは小沢氏に対しかなり批判的でした。有罪無罪は別として3億円の札束を動かすというマネーロンダリング的な動きは、それだけで公人として失格のはずですし(政治家にはマネーロンダリングさえ必要ないのか)、議員を投票機械として考えないのは民主主義の目的と手段の倒錯以外の何物でもありません(小沢一郎氏のマキャベリズム)。

しかし幹事長というポジションが「影の党首」として総理を操ることより、選挙の最高責任者、企業で言えば営業本部長のようなものだと考えると、小沢氏の選挙戦術を何でもかんでも悪いと決めつけるべきでもないでしょう。小沢氏大悪人論で小沢氏の選挙戦術そのものも民主主義に反しているかのような報道もありますが、小沢氏の選挙戦術を営業推進的な観点で見直してみましょう。

営業部隊に楽をさせるな: 複数人区に複数候補

今度の参議院選挙で民主党内部で論議をよんだ方針です。参議院選挙では全国を1つの区とする比例区と選挙区の二つの選挙を同時に行い、比例で48名、選挙区で73名が選ばれます。このうち選挙区では1人区が29、2人区が12、3人区5人区がそれぞれ5、1となっています。

1人区は当選者が1名ですから通常は大きな政党同士つまり民主党と自民党の一騎打ちになります。これは衆議院の小選挙区制と同じで、その時の政治情勢で大きく結果が違ってきます。「風」をつかんだ政党が地滑り的大勝利を得る半面、大敗してしまう可能性もあります。

ところが2人区は民主党、自民党が1名づつ候補を立てれば、よほどのことがない限りどちらも当選します。逆に一方が2人候補を立てても、1対2以上の得票差がない限り結局1名しか当選させることはできません。1対2以上の得票差は議席数ではそれくらいの差があった、55年体制の自民党、社会党でも実現は難しく、2人区の大部分は自民党、社会党で分け合っていました。

県連レベルで2人区に1人しか候補を立てたくない理由は次のようなものが考えられます。
(1) 2人候補を立ててもどうせ1人しか当選しない。下手をすると共倒れの危険もある
(2) 2人候補を立てて競争すると県連内部で競争することになり、組織の中に軋轢が生じる
(3) 1人より2人の方が選挙の費用、手間がずっと大きくなる
これらは共倒れの危険を除けば全て県連内部の問題です。選挙費用が多くかかるのは確かですが、これは民主党本部がそれなりの資金を提供すれば済むはずです。

民間企業の営業でも大手顧客の競争相手の取り分を取りに行こうとすると、反撃を招いて自分の取り分も失ってしまう危険があります。せっかく自分の取り分の増やしても翌年には増えた取り分に応じてノルマも増え余計に努力を強いられます。

このようなぬるま湯的な営業を許していては会社の真の発展は望めません。顧客(選挙民)からみると全ての取り分(議席)を一方にしてしまうという選択肢を奪っていることにもなります。

辣腕の営業本部長はこのような末端の「楽をしたい」という言い分にやすやすと従ったりしません。売れるだけ売って、翌年はそれをベースにさらに売り上げを増やそうとします。小沢氏の複数候補擁立作戦は、県連の甘えを許さないで、売上(議席)を伸ばそうとするものです。これは営業本部長として当然の施策です。

地べた営業に徹しろ: 辻説法5万回

小沢氏は新人候補は1日50回の街頭演説つまり辻説法を3年間、合計5万回やれと言います。政策論議も何もなくとにかく顔を売って売りまくれというわけです。

これを知恵のない体育会営業と言うのは簡単ですが、オフィスに閉じこもっていても普通の営業は何も売れません。まして選挙は自分自身が商品です。商品見本を見せるというのは売るためには基本中の基本です。

選挙では一度声を交わしたり、握手をした相手に親近感を感じて投票するのは人情です。そうでなくても、投票所で初めて候補者の顔と名前を見る人が多いのです。政策の話は個々の候補者が何を言っているかということもさることながら、政党の政策の方が投票行動に与える影響は大きいでしょう。

民主党の新人候補は、新人セールスマンと同じで何をしてよいかわからない人が多いはずです。ほっておけば、勝手に支持者と称する人を集めて話をするだけで選挙活動と思ってしまう可能性もあります。まずは駅前でティッシュペーパーを配ったり、セールスの電話を掛けまくるような所から始めさせないと営業教育は難しいでしょう。

気取っていては営業はできません。名刺を何枚集めろ、電話を何本かけろというのと同じで、辻説法5万回という具体的な行動指針、目標を与えるのは営業のイロハを知らない新人営業の営業ガイドとして効果が確実に期待できます。

ブランドにただ乗りさせるな: タレント候補の擁立

とかく批判の多いタレント候補擁立ですが、タレント候補が企業が宣伝で使うイメージキャラクターのような役割をしていくれることはあまり期待できないでしょう。むしろ、「選挙民をバカにしている」というマイナス効果の方が大きいかもしれません。

しかし、タレント候補には別の目的があります。参院の比例全国区は、候補者個人の名前か政党名を書くことができます。投票所で初めて候補者の顔を見るような選挙民も政党名は知っているので、適当な候補者がいなければ政党名を書きます。

比例区の当選者数は政党名の得票と各個人の得票数を合わせて、個人として得票が多い候補者の順番に当選します。比例区は組織団体からの候補者が多いので、そこそこ大きい組織は政党名の得票をあてにして、組織挙げて必死に選挙活動をしなくなる可能性があります。

ところが有名タレントは名前が良く知られているので、投票所で知らない候補者よりはということでタレント候補の名前を書く人が沢山出ることが予想されます。そうすると組織票を持っていても、うっかりするとタレント候補より得票数が少なくなって当選できなくなってしまうことも考えられます。

タレント候補が何人かいることで組織票を持った候補者は組織票を取りこぼしなく獲得できるように必死に努力する必要が出てきます。民主党というブランドにただ乗りするわけにはいかなくなるのです。

タレント候補が民主党のイメージにプラス効果ばかりではないことは小沢氏も知っているでしょう。小沢氏は組織からの候補者と応援組織が楽ができないようにしているのです。

会社の取引先はフルに活用する: 利益誘導型選挙

腕の良い営業本部長なら、取引を有利に進めるために自分の会社が購入している製品の取引先のコネを営業活動に利用することに躊躇はないでしょう。

小沢氏は補助金、優遇政策と引き換えに数多くの組織票の取り込みを狙っています。バーター取引は民間企業でも独占禁止法その他問題はあるのですが、そんなことばかり言っていては営業(選挙)は勝てません。

取引関係の利用は末端の営業でもしますが、会社全体の取引先をフルに活用するとなると上層部に権限情報が集中していた方が良いのは間違いありません。小沢氏が陳情を全て幹事長経由に一元化したのは、まさにそのようなねらいがあったからでしょう。

******

小沢氏が幹事長を退いても選挙を営業活動と考えれば小沢氏の選挙戦術は有効に活かしていくべきでしょう。複数人選挙区への複数候補擁立などは県連との力関係で、新しい民主党執行部がどこまで頑張りとおせるか判りませんが、営業本部長の能力を評価するなら県連に押し切られるようでは落第です。

小沢氏は選挙を営業に例えれば実に有能な営業本部長です。凄腕営業本部長は製品開発ができるかというとそうとも限らないでしょうし、社長に相応しいかというと異論も多いでしょう。しかし、究極的には選挙に勝てない政党は存在意義がないとも言えます。少なくとも小沢氏の年来の主張である二大政党政治の中ではそうでしょう。小沢氏が凄腕営業部長だったということだけは間違いありません。


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