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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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(補足)進む円高 なぜ経済界は静かなのか: そもそもなぜ円高になるのか
前回の記事を書いた後、そもそもなぜ今円高になるのかという質問を受けました。日本の国の借金は900兆円とGDPの2倍に達しようとしていて、ギリシャより比率では悪くなっています。貿易収支もかつてのような大幅な黒字は消えて収支のバランスが取れてきています。円だけドルに対しも、ユーロに対しても、ウォンや元に対しても一人上昇を続けるのはなぜなのかいうわけです。

外国通貨の交換レート、為替相場は色々な要因で決まるものですし、株式相場と同じで予測が本当にできれば大儲けができます。逆に言えば誰も予測はできないし、現時点の交換比率が妥当なものなのかどうかというの判りません。

しかし米ドルに対するレートを見るとそもそも円は安すぎたのだと言うこともできます。ユーロが生まれた2000年頃、1ドル、1ユーロはほぼ100円でした。その時のレートが正しいかったかどうかを議論すると堂々巡りになってしまいますが、アメリカの消費者物価は10年で20%以上上昇したのに、日本ではほぼ一定でした。物価を基準に考えれば1ドル80円程度になってもよかったのに1ドル110-130円くらいで円ドル相場は推移していました。

輸出企業は円で給料も家賃も支払っていますから、物価水準が変わらないのに円が安くなてくれれば競争上も収益上も有利になります。リーマンショック前までは自動車業界を始め日本の輸出産業は円安で大きなメリット得ました。海外進出1点張りだった製造業の日本回帰が進んだのもこの頃です。日本回帰によって必要になった労働力の多くは派遣労働者によって提供されました。

それではなぜ日本円は安くなってしまったのでしょう。それは金利の低い日本で資金を調達し海外で投資する「円キャリートレード」と呼ばれる資金移動が行われたからです。バブルの崩壊以来失われた10年、15年を経過しても日本での投資は活発になりませんでした。景気の下支えのために金利は限りなくゼロに近い水準に据え置かれたのにもかかわらず、投資意欲は冷え込んだままでした。

かわりに日本の資金を投資したのは欧米諸国でした。アメリカではサブプラムローンという低所得者向けのローンを「発明」して不動産を売りまくりました。ヨーロッパはアイスランドやギリシャのような国の不動産投機熱が高まり価格は暴騰しました。

しかしリーマンショックの引き起こした大恐慌以来とも100年に一度とも言われる経済危機により事態は一変しました。各国は景気刺激策と金利の大幅な低減を実施しました。一時はアメリカの金利は日本をさらに下回る水準にまでなりました。

こうなると円キャリーで回っていた歯車は逆回転を始めます。各国は投資に慎重になる一方、相対的に金利差が縮小したことでもはや円資金を移転することをやめてしまいました。結果は日本の貿易黒字は縮小したのに円高になるという現象です。

輸出が増えたわけでもないのに円高になると、ユーロという単一通貨圏で為替調整ができずに経済的苦境に陥ったギリシャと相似形のような事態になってしまう可能性があります。円高で黒字が減り、その分を政府支出で補わなければならないのです。

ギリシャではその政府支出自身が外国からの借金だったため政府支出を増やすどころか緊縮財政をすることになってしまいました。そのため給与下げられる労働者や年金の切り下げをされる一般庶民の不満が爆発して政治的にも危険な状態になってしまいました。

ギリシャがユーロに縛られず為替相場の切り下げで経済危機に対応できれば、輸出や観光客の増加で政府支出を増やさなくても経済は緩やかに回復することができたでしょう。現にユーロ参加国ではないアイスランドはより深刻な危機に見舞われたにもかかわらずGDPの落ち込みは小さくて済みました。

日本の国債が日本人によって買われているのは、まぁ健全なことなのでしょうが、皮肉なことに不況になっているのに円安で輸出を増やし、雇用を増やすという方法が取れないという結果になっています。その意味で日本の状況はギリシャと似ていますが、似ているのは借金が多いという点ではなく、為替相場で景気を回復できないということです。

この日本の状況はオランダ病と言えわれた70年代のオランダに似ているかもしれません。オランダは天然ガスが豊富に取れるため第1次石油ショックの後為替相場が上昇して工業製品の競争力が落ち、国内産業が壊滅的な打撃を受けました。

さらに資源からの豊富な収入により国家財政が膨らみ、資源収入が減少した後もその後始末に苦しみました。日本の場合は天然ガスでなく1400兆円の個人の金融資産が同じような現象を引き起こしているとも言えます。

いずれにせよ日本がギリシャに似ているとしても似ているところは財政赤字ではなく為替調整ができなくなっているということです。間違った分析は当然間違った対策につながります。こんな当たり前で簡単なことをマスコミも政治家もどうも誤解しているようです。心配です。

参考: ギリシャの危機は他山の石なのか
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