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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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尖閣列島問題: その不愉快な選択肢
この記事を書いたすぐ後、中国政府は中国人船長の釈放措置にもかかわらず、日本に補償と謝罪を要求してきました。民主党首脳はショックを受けているようですが、記事にあるような相手方の意図を推し量るという基本で十分な力量がないようです。今後が心配です。

senkaku.jpg
尖閣列島海域で日本の巡視艇と衝突した中国漁船

尖閣列島を巡って日中が対立しています。尖閣列島の領有権を主張する中国漁船が巡視船に衝突し、巡視船は船長以下漁船を拿捕。その後漁船と船員は帰国させたものの、船長は日本の国内法で訴追されるため取り調べを受け、中国政府が船長の釈放を求めて抗議するとともに、様々な対抗措置を打ち出しました。その結果(とは言っていませんが)沖縄地検は中国人船長の釈放を決定しました。


尖閣列島は10年におよぶ領有権調査の結果、日清戦争中の1845年に日本が領有権を宣言し、国際的にも認められ今に至っています。その間、尖閣列島が沖縄の一部であったことから沖縄の施政権が日本に返還されるまで、アメリカの管理に置かれていました。現在は沖縄県石垣市に属しています。

ところが、国連が1969年から1970年に行った海洋調査の結果、イラク埋蔵量にも匹敵する1千億バーレル以上の石油資源があることが判ると、台湾、中国がそれぞれ尖閣列島の領有権を主張し始めます。

尖閣列島は今では無人島ですが日本人が入植していた時期もあり、日本が実効的な支配をしています。この点、同じ領土問題でも竹島が韓国、北方領土がロシアが実効支配をしているのとは全く異なります。実行支配している日本国の領土をよこせと言われるのは、東京は自分の領土だからよこせと言われているのと同じです。

多くの日本人にとっては腹立たしい中国の対応なのですが、外交問題を考えるとき先ずしなければならないのは相手方の意図を推し量ることです。中国はどのような理由で中国人船長の逮捕を厳しく非難し、次から次へと対抗処置を繰り出してきたのか、当面の目的、目標は何なのか、長期的にはどのような戦略を持っているかの仮定を立てることが必要です。

報道の中には今回事件を狂信的愛国主義者の暴走で、加熱する世論が日本から中国政府に批判の矛先を向けるのを恐れて、中国も適切な落とし所を考えている、といった推測をする向きもありました。そのようなことがある程度はあるかもしれませんが、それはあまりに希望的観測というものでしょう。

中国は共産党の一党独裁の国です。全体主義の国と言っても良いでしょう。そのような独裁体制自身が、一種の脆弱さにはなりますが、内閣支持率を毎週集計して20%を下回ったら危険水域だとかいう国ではありません。

まして、日本が実効支配する水域に漁船を繰り出して領有権を主張するような政治行動を大っぴらにできる国ではありません。漁船の取った行動は中国政府の暗黙の了解、ないし積極的な指示があったと考える方が自然です。

それではなぜ中政府はそのような過激な行動を漁船に取らせたのでしょうか。それは船長逮捕後の中国政府の度重なる日本批判の内容を見れば明らかです。中国は尖閣列島の日本の実効支配を覆そうとしているのです。

これを妄想と考える人は、「冷静に話合いましょう」と言って冷静に日本と中国が話し合えば問題が解決すると考えるのでしょうか。冷静に話し合うと「はいわかりました、尖閣列島は日本の領土なのでこれからは中国漁民が領海を犯さないようにこちらも十分注意するので、とりあえず今回は穏便に」とでも中国が言うとでも思ったのでしょうか。それでは中国側が得るものは何もありません。

それでは中国が尖閣列島の日本の実効支配を覆そうと企てているとするとこれからどうするのでしょうか。可能性としては漁船を何度も送り込み、そのうち中国漁船の保護という名目で海軍が尖閣列島の海域に進出するというシナリオが考えられます。

そんなことは可能なのでしょうか。この点に関して元航空自衛隊幕僚長の田母神氏はブログ「尖閣諸島における中国漁船の体当たり」の中で、

20年前の冷戦崩壊時我が国自衛隊の海軍力、空軍力は、中国のそれを圧倒していた。中国に対し「やれるんだったらやってみろ」という態勢が出来ていた。しかし、中国が大幅な軍拡を続け、一方で我が国は軍縮を続けた結果、20年前の状況はひっくり返り、今では中国の軍事力が我が国を圧倒するようになってしまった

と言っています。

田母神氏は一般的には右派に分類される言動を繰り返していますし、日中戦争の認識など歴史を正しく認識しているとは思えないような発言も目立つのですが、軍事専門家としての意見は耳を傾けるべきものがあります。

もし海上自衛隊の力が中国海軍を圧倒していれば、中国は積極的な行動に出ることはありえないでしょう。勢い込んであっさり自衛隊に追い払われれば中国の威信は丸つぶれです。中国のような軍事力を重視する国ではそれは耐えがたいことです。

しかし、今や中国の国防費は名目でも日本の防衛予算を大きく上回っています。実質ベースでは数倍に達するでしょう。軍事衝突が起これば日本側が追い払われてしまう可能性は高いのです。しかも、日本の同盟国であるアメリカとの関係は良好とは言えません。普天間基地移設、思いやり予算などを巡り、日本とアメリカの対立は深くなってきています。

さらに経済的には日本が中国の経済制裁を行うどころか、日本が中国に依存しえいるのが実態です。大体、経済制裁を互いにして我慢比べで日本が中国に勝てるとはあまり考えられません。日本は民主国家、中国は一党独裁国家です。

このように考えると、今回の尖閣列島領有を巡る事件は、偶発的なものというより、今のように日本と中国の力関係が軍事、経済ともに中国優位に傾くまで中国が慎重に待っていた結果だと考えるべきです。そうであれば、今回の事件は終わりではなく、尖閣列島の実効支配を求める中国の積極的行動の始まりに過ぎないということになります。

日本はどうすればよいのでしょうか。いくつかの選択肢を考えてみます。

(1) 中国との友好関係を重視し、話し合いで問題の終息を計る
魅力的な考えですが、中国は聞く耳を持たない可能性が高いでしょう。中国があくまでも尖閣列島の領有権を主張し続けると友好的な話し合いはできなくなるでしょう

(2) 中国の意思を尊重して尖閣列島の領有権が中国にあることを認める
中国は喜びますが、日本は尖閣列島を失い、当然そこにある資源の権利も失います。国内的には中国、日本両政府への批判は高まります。また、中国には沖縄の領有権を主張する声もあり、どこまで後退すればよいか明確なゴールも見えません

(3) 軍事的衝突も恐れず断固中国の領有侵犯に対処する
相手が中国であることを考えると、田母神氏の指摘するように成功する確率は高くはありません。実際に戦闘が行われた場合どの程度の犠牲が伴うか見当もつきませんし、最悪は中国との全面戦争になる危険もあります

(4) アメリカの軍事力と一体となって中国にあたる
日米安保条約では日本領土への侵略はアメリカが防衛する責務を負っていますが、尖閣列島への中国海軍の進出をリスクを取って、例えば空母を尖閣列島海域に派遣して中国に圧力を加えるのは今の日米関係の下では難しいでしょう。アメリカにそこまで日中問題にコミットさせるためには、思いやり予算の大幅増額、自衛隊のアフガニスタンへの戦闘部隊の派遣などの、同盟国としてより積極的な協力が求められるでしょう。

どの選択肢もコストと犠牲を伴います。国連など国際社会に訴えるという方法も考えられますが、中国と日本のような大国間の紛争に国連が口を出すことはほとんどありません。中国は安全保障理事会の常任理事国で拒否権を持っていて、国連は実質的に何も中国にはできません。

日本は戦後、防衛にはコストも犠牲も必要だという当たり前のことを意識せずに生きてこれました。ですから、「平和裏に冷静に話し合」えば相手もわかってくれて解決するとか、「毅然とした態度で接す」れば相手は恐れ入って引っ込むといった幼稚としか言えない発想がまかり通るのです。

今回の事件をきっかけに防衛力を強化するというなら、防衛費を2倍くらいにして、なおかつアメリカに大きな犠牲を伴う協力をする必要があります。かと言って、大人しくしていれば中国は易々と尖閣列島の実効支配へと進んでいくでしょう。選択肢は狭く不愉快な物かもしれません。しかし、それは国際関係の冷酷な現実というものなのです。
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この記事に対するコメント
亡命のために今からできることは?
衆愚政治に陥り、産業構造の転換に失敗した日本は
中国に併合(チベット化)される以外に道はないと思います。
中国人の奴隷になるのは嫌なので亡命の準備を長期的にしようと思います。
どんな準備がよいでしょうか?まずは英語ですよね。
【2010/11/08 23:50】 URL | 亡命のために今からできることは? #- [ 編集]

Re: 亡命のために今からできることは?
> 衆愚政治に陥り、産業構造の転換に失敗した日本は
> 中国に併合(チベット化)される以外に道はないと思います。
> 中国人の奴隷になるのは嫌なので亡命の準備を長期的にしようと思います。
> どんな準備がよいでしょうか?まずは英語ですよね。

外国に亡命するわけですから英語ができるのにこしたことはありません。しかし、アメリカのような英語国でも英語ができるからといって移住が簡単に認められるわけではありません。

若ければ例えばアメリカに留学し、努力して生活の基盤を築くという方法が妥当でしょうが、相応の年齢に達しているなら財産を日本で作りそれを持って移住するのが簡単(財産を作るのではなく移住することがです)な方法です。

どこの国も金持ちは歓迎しますし、所得の低い国なら比較的僅かなお金でも一生暮らせます。財産を金や外貨、外国資産にして持っていれば日本が傾いても資産は守られます。

もっとも中国が日本をチベット化するというのは現時点は妄想に近いと言って良いと思います。ありうるのはフィンランド化(ソ連時代隣国のフィンランドはソ連に極めて宥和的な政策を取った)でしょう。

尖閣列島が中国に取られても沖縄を含め中国が武力で日本を攻撃してまで占領するのはあまりに大変で、中国がよほど愚かでない限り(この前提に多少の不安はありますが)実行する可能性はありません。中国は台湾すら占領しなかったのですよ。
【2010/11/10 06:55】 URL | RealWave #- [ 編集]


ブログ主 様

返信ありがとうございます。

>中国が日本をチベット化するというのは現時点は妄想に近い・・・
中国は台湾すら占領しなかった

現時点ではそうですね。
ただ中国はいずれ日本とアメリカを合わせた以上に成長すると聞き
脅威を感じています。その頃に(同じく超大国に成長するかもしれない)インドと包囲網を築ければいいのですが悲観しています。台湾が陥落するだけで日本は無条件降伏でしょうから。
(今ほどの力が無かった頃の)中国が旧ソ連やアメリカの核攻撃を受け無かったのが痛恨の極みです。


【2010/11/13 01:35】 URL | 続・亡命のために今からできることは? #- [ 編集]


「中国が旧ソ連やアメリカの核攻撃を受け無かったのが痛恨の極みです」?
中国は日本と違って、ドイツとイタリアと連合して世界的な侵略戦争を起こさなかったから核攻撃を受けなかったのがあたりまえでしょう。日本がなぜ核攻撃を受けたのかまずちゃんと反省しなさい。正直に言えばアジアで日本軍隊に殺された人の数は核攻撃で死んだ日本人の数をはるかに超えています。
自分の祖先が何十年前中国を侵略したくせに、いま逆に中国が日本を侵略することを毎日仮想するのが理解できません。
【2011/02/14 01:06】 URL | 浮雲 #- [ 編集]


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