ビジネスのための雑学知ったかぶり
ビジネスでも雑学は重要! 知っていると少しは役に立ったり、薀蓄を自慢できる話題をご紹介
プロフィール

RealWave

Author:RealWave
Twitterアカウントはrealwavebabaです。

馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

ご連絡はrealwaveconsulting@yahoo.co.jpまで

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

お客様カウンター

Since 2009/10/21

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

盲信するなノーベル平和賞
Nobel-Peace-Prize.jpg

2010年のノーベル平和賞は中国の 劉暁波に与えられました。 劉暁波は中国の人権活動家で民主化運動で拘束され現在懲役刑に服しています。ノーベル平和賞は本国で政治犯とされている人物に与えられることも多く、 劉暁波も例外ではありません。中国政府が劉暁波の受賞に対しノーベル平和賞委員会に抗議したのも当然かもしれません。

しかし、中国政府は単に抗議を行っただけでなく、ノーベル賞の授与式に各国が代表を送らないように圧力をかけたことで一層大きな話題を呼びました。圧力を受けた国には日本も含まれます。

中国の圧力は力を増す大国の傲慢さの表れとも受け取られ、中国は国際社会での評判を大きく傷つけることになりました。しかし、中国の態度が言語道断であるとしても、ノーベル平和賞というものが問題の多い賞であることは知っておくべきでしょう。

例えば、クジラの保護を訴えて過激な行動を繰り返すシーシェパードや太地町のイルカ漁を描いた「ザ・コーヴ」の映画監督、ルイ・シホヨス氏が「失われつつあるクジラ資源の保護に英雄的な貢献をした」という理由でノーベル平和賞を貰ったらどうなるでしょう。

日本政府が授賞式に欠席するように圧力をかけるとも思えませんが(また圧力が有効とも思えませんが)、多くの日本人が中国政府の感じたのと同じ不満「暴力的、犯罪的で一方的な思想に凝り固まった人間をノーベル平和賞の委員会は表彰するのか」を持つのではないでしょうか。

荒唐無稽な話のように思うかもしれませんが、そうとばかりも言えません。ノーベル平和賞は「国際平和、軍備縮減、平和交渉、保健衛生、慈善事業、環境保全、などの分野に多大な貢献または影響がある発言を行った人物や団体に対して授与される」(ウィキペディアより)ものですから、クジラやイルカの保護は環境保全という意味では表彰対象です。

いくらクジラ保護が環境保全と言ってもシーシェパードのように過激で暴力的な反対活動が許されるわけはない、と思うかもしれませんが、民主化活動、人権活動はデモや座り込みなどかなり強硬な手段も取ります。「乱暴な行動」は見方を変えれば「勇敢な行動」と言えなくもありません。

日本のクジラやイルカの漁は資源に悪影響を与えているわけではなくノーベル平和賞の委員会がそんな科学的にいい加減な言説に惑わされるわけはない、と考える人もいるでしょうが、それほどノーベル平和賞委員会が慎重とは限りません。

2007年にIPCCとアル・ゴアは地球温暖化の防止活動に対しノーベル平和賞与えられましたが、地球温暖化はその原因が人間活動によるものかどうかを含め、まだ科学的には明確な結論の出ていないものです。少なくとも自然科学や経済学に与えられるノーベル賞は学問的評価が十分に定まるまで受賞が見合わせるのに比べれば見切りもいいところです。

まして、アル・ゴアの作った映画「不都合な真実」は現代の科学版ホラー映画とも言った方が良いくらい、大袈裟で事実に反するものも多数含まれています。アル・ゴアは政治家としてメッセージを送ったのでしょうが、事実に基づかない政治的プロパガンダにノーベル平和賞が与えられるとすれば、賞の値打ちは随分下がってしまうはずです。

科学に関連しない受賞者を見ると、さらに異論を引き起こしそうな人物のオンパレードです。韓国の金大中大統領は金正日との南北首脳会談を実現させたことで2000年にノーベル平和賞を受賞されましたが、今では会談実現のために多額の資金を裏金として北に送金したことが知られています。

1994年にイスラエルのペレス首相とともに受賞したPLOのアラファト議長に対しては「テロリストにノーベル平和賞を与えるのか」という批判が強くありました。

日本人でただ一人の受賞者である佐藤栄作の1974年の受賞理由は「沖縄の平和的返還の実現」ですが、今日の沖縄の基地問題の根深さを見ると複雑な思いを持つ人は多いでしょう。

実際に受賞した人物だけでなく候補者にまで目を広げれば1939年の平和受賞候補にはヒットラーがいます。もっともヒットラーが危険人物だというのは当時も認識されていて、ヒットラーを候補者としたスェーデンの国会議員のエリック・ブラントは、ヒットラーを候補にすることで、イギリスのチェンバレンが受賞することを防ぐ狙いだったと言われています。

この他、スターリンやムッソリーニも候補になったことが知られています。もし第二次世界大戦で枢軸側が勝利を収めたり、戦後の冷戦がなければ両者の受賞は実現していたかもしれません。しかし、チャーチルやトルーマンはなぜ受賞しなかったのでしょうか(チャーチルは大戦回顧録でノーベル文学賞を受賞)。実は現職のアメリカ大統領の受賞は2009年のオバマ大統領が始めてです。「元」に範囲を広げても2004年のジミー・カーターが唯一の受賞者です。

どうもノーベル平和賞は、本当に世界平和実現に力のある大国首脳には与えないという不文律があるようです。例外はオバマ大統領以外ではソ連最後の書記長のミハエル・ゴルバチョフが1990年に受賞したくらいです。

1945年に国際連合の設立への貢献に対してノーベル平和賞を受賞したコーデル・ハルは、第二次世界大戦を通じてのアメリカの国務長官ですが、日本では日本を戦争に追い込んだ事実上のアメリカの日本に対する最後通牒であるハル・ノートの作成者として記憶されることが多いでしょう。

ハルがいかに大物国務長官とはいっても、国際連合設立決定はアメリカ大統領を始め現在の常任理事国、特に米英ソの首脳が中心になったことは疑いありません。そのような本当の大物にノーベル賞平和委員会は賞を与えないようなのです。

大物と言えば、ダライ・ラマ14世は1989年に受賞していますが、同じ宗教者のローマ法王は受賞していません。先代のローマ法王、ヨハネ・パウロ三世の熱心な平和活動は高く評価されていましたし、影響力という点では非常に大きなものがあったことは間違いありませんが、ノーベル平和賞は与えられていません。

ノーベル平和賞の委員会は「賞を与えられる」人々と「賞を与えるには偉すぎる」人々を分けているようです。しかし、平和はやはり大きな力を持つ大国の首脳のリーダシップがなくては実現しません。キューバ危機を核戦争にしなかったのはケネディーとフルシチョフの決断力で他の全ての登場人物は脇役に過ぎません。

科学分野のノーベル賞に例えるとノーベル平和賞は理論を構築した人に与えるのではなく、理論を確かめる実験の準備を一生懸命した人物に与えるようなところがあります。これでは明治維新の功労者を西郷隆盛や桂小五郎ではなく、坂本竜馬にするようなものです。話としては面白くても歴史的な真実とは言えないでしょう。

しかも、テロリストと英雄の区別などは、その時その時の立場や見方によって違うように、受賞者の平和への貢献の基準は極めて曖昧です。明治維新で伊藤博文は最初は人切り伊蔵のような仕事をしていたらしいのですが、維新が成功したため殺し屋ではなく初代総理になりました。

平和が歴史の中でどう実現するかは長い目で見なければ判らないし、環境活動のように行動と成果の結びつきが科学的に十分解明されていないものは対象から外して、シュバイツアーやマリア・テレサのように「頑張って弱い人を救ったとっても立派な人」だけにノーベル平和賞を与えることにしたらどうでしょう。これなら話はずっとすっきりします。それでも異論は多々出るでしょうが、 劉暁波の受賞騒動のようなことはなくなるはずです。

確かに 劉暁波やアウンサンスーチーなど民主化、人権運動家にノーベル平和賞を与えることは運動に大きな力を与えます。しかし、それはノーベル平和賞委員会自身が民主化運動の推進者となり政治運動を行っていることと同じです。

もしそれでいいじゃないか思うなら、シーシェパードがノーベル平和賞を受賞したと想像してみてください。日本人にはノーベル平和賞委員会が日本のクジラ漁の停止に圧力をかけている傲慢な態度の反捕鯨団体になったように感じられるでしょう。

ノーベル平和賞の委員会はヒットラーを受賞させるほど愚かではありませんでしたが、それほど先見の明があるわけではありません。そして平和を求めると称する人にありがちな傲慢さを持った組織です。また、本物の偉いさんには賞の授与などというおこがましいことをしない、傲慢とは裏腹の一種の卑屈さも持っています。こんな賞は中国政府でなくても少し斜めから見るのも時には必要ではないでしょうか。
スポンサーサイト

この記事に対するコメント
同感ですね
正直ノーベル平和賞自体はきわめて政治的だったり、プロパガンダを含んでいたりしているので、主観的な賞です。
私も、アル・ゴアの受賞は環境保護ビジネスの陰謀ではないかと思っています。アル・ゴアとその支持者は、温暖化や環境破壊についての彼らの主張に、理性的・科学的な異議を申し立てる事を「倫理に悖る」という非科学的・感情的反論しかしていません。そして、彼らの予言がことごとく外れていることを指摘すると異端者として葬ろうとする。
【2010/12/14 15:15】 URL | ednakano #olb1JwF2 [ 編集]

少し違う意見です。
おおまかには、賛成ですけど、佐藤栄作については意見がことなります。
たしかにその当時に佐藤の受賞については違和感を感じました。
ただし今考えると、すぐれた業績です。当時北方領土と南方領土(沖縄)は永久に帰ってこないと考えられていました。それにたいして繊維と交換したといわれましたが、それをとりかえしたんだから誉めるべきです。たしかに現在の情勢を考えると、複雑な感もありますが、沖縄がアメリカの州になる可能性もあったことを考えれば、今のほうがずっとましです。
【2010/12/15 13:48】 URL | shiro #- [ 編集]

Re: 少し違う意見です。
> おおまかには、賛成ですけど、佐藤栄作については意見がことなります。
> たしかにその当時に佐藤の受賞については違和感を感じました。
> ただし今考えると、すぐれた業績です。当時北方領土と南方領土(沖縄)は永久に帰ってこないと考えられていました。それにたいして繊維と交換したといわれましたが、それをとりかえしたんだから誉めるべきです。たしかに現在の情勢を考えると、複雑な感もありますが、沖縄がアメリカの州になる可能性もあったことを考えれば、今のほうがずっとましです。

私も佐藤栄作の沖縄返還の業績は極めて顕著なものがあると思います。当時も沖縄返還には否定的な意見も多かったのですが、米兵の犯罪に沖縄県民、日本人がどれほど強く反応するかを考えると、そもそも地位協定など損座視し得ない返還前の状態がいかに異常なものだったかがわかります。

ただ、沖縄返還には、繊維の貿易制限だけでなく、日本の非核化の約束(つまり米の核の傘への従属)、米軍基地の広範囲な自由使用など、日本側の沢山の譲歩があったことは事実です。現実の政治とはそのようなものですが、そんな一切合財は覆い隠して顕彰するノーベル平和賞というものが本当にこの世の中に存在する価値があるのかは、やはり疑問に感じざるえません。
【2010/12/16 00:34】 URL | RealWave #- [ 編集]

ノーべり平和賞の選考は…
「〔ノーベル〕平和賞はノルウェー国会選出の五人委員会が選考にあたる」(ヤフー百科事典)
「〔ノーベル平和賞の〕選考はノルウェー国会が任命する政治的に独立した機関であるノルウェー・ノーベル委員会(5人)が行う」(ウィキペディア日本版)

ノルウェーは捕鯨国なので、いかに「政治的に独立」しているとはいえ、シーシェパードやグリーンピースみたいな反捕鯨団体にノーベル平和賞を贈るにはちょっと考えにくいのですがね。

ノルウェー捕鯨産業もシーシェパードには嫌な目に合わされているらしいので、どういう対処をしているのか、かなり興味があります。
【2011/02/20 01:57】 URL | 老泉敬 #dEK2Ddoc [ 編集]


たしかにノーベル平和賞は、微妙な存在でしょう。
しかし、いくらなんでも捕鯨国のノルウェーがシーシェパードのようなエコトロリストに授章させることはしないでしょう。
結局、馬場氏の反捕鯨派としての「素」が出ちゃったということですか?
【2011/04/13 23:04】 URL | 老泉敬 #aq1tDx3c [ 編集]


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://realwave.blog70.fc2.com/tb.php/278-7ebe555c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。