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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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放射能ってそんなに怖い?
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現代の外科医が幕末の日本にタイムスリップして大活躍をするという「JIN-仁」は大変面白いテレビドラマです。ストーリー展開もありますが、小道具や言葉遣いなど時代考証がとても丁寧に行われています。このような作品はディテールをおろそかにすると興醒めなのですが、細々したところに気を遣っているのがよくわかります。

しかし、本当に現代の医者が幕末にタイムスリップしてしまったら何ができるでしょうか。検査機器はない、治療器具もない、薬はない。こんな状況では現代的な医学知識は大して役には立ちません。JINでは主人公は器用に麻酔薬から点滴装置まで何でも作ってしまうのですが、そんな実学的知識を持った医者は滅多にいないでしょうし、知識があってもそれを使うための材料や道具がないという堂々巡りになってしまいます。

プログラマーがコンピュータなしでは仕事ができないなように、現代の科学者、技術者は膨大な技術的インフラとそれを使って支援してくれる人々がなくては一人では何もできないのです。

ただ、外科医やプログラマーの知識があまり使い道がなくても公衆衛生的知識を19世紀に持ち込むと多大な貢献をすることができます。例えば、産褥熱は出産時に細菌が妊婦に入ることで起きる病気で昔は出産に伴う死亡事故の最大の原因でした。

産褥熱は出産を介助する助産婦、医師がアルコールや清潔な水で丁寧に手を洗うことでほとんど防ぐことができますが、それが明らかになったのは19世紀になってイグナーツ・ゼンメルワイスというハンガリー出身のドイツ医師の研究の成果でした。それまで医師は手洗いはもちろん入浴もろくにしていなかったのです。

しかし、ゼンメルワイスの研究は医師を侮辱するものとして当時のドイツ医学界の権威から激しい避難を浴びます。出産時に手を洗うことが励行されるようになったのはゼンメルワイスの死後のことでした。

そもそも「消毒をする」というのは細菌というものの存在があって初めて科学的に必要性が証明できるものです。目には見えない細菌は、19世紀後半になってロベルト・コッホによって発見されました。それまでは手を洗うこと理由は本当の意味では不明だったのです。

細菌の存在が明らかになるまでは、コレラ菌が保菌者の排泄物が飲み水に混入して広がるという仕組みは判りませんでした。逆に言えば排泄場所と井戸を分離することが有効にコレラの蔓延を防ぐ方法だということは、観察結果を元にした経験的事実でしかありませんでした。

1895年ドイツの物理学者ヴィルヘルム・レントゲンは非常に透過力の強いものが放電管から発生していることを知り、謎の光線という意味を込めて「X線」と呼びました。X線の発見で手術をせずに人体の内部を観察するという革命的な医療法が実現することになります。

X線が使われ始めた当初、X線が放射線障害を起こすことは知られていませんでした。このためX線発見の初期にはX線の実験中に皮膚炎を起こすなどの事故が相次ぎました。しかし長期的な放射能の障害が明らかになるにはさらに時間がかかりました。

X線の発見から10年以上たった1911年、放射線医の白血病の増加が報告され、その前後から遺伝以上、奇形児の発生などの放射線による長期的な障害が次第に理解されるようになりました。

それでも一般の放射能に対する認識は低く、1920年代になってからも夜光塗料の塗布作業に従事していたアメリカの女子工員に骨髄炎が多発するといった被害が出ます。研究の結果この疾患は長期に渡り夜光塗料の原料のラジウムを体内に取り込んだために起きた慢性放射線障害であることがわかります。

ラジウムの発見者であるマリ・キューリー自身も長年放射性物質を扱っていたことが原因と思われる再生不良性貧血で死亡しています(ただし、放射線障害の影響については異論もある)。放射能の危険性は専門家でさえ最初はあまり意識していなかったのです。

放射能の恐ろしさが強く世間に印象付けられるようになったのは原爆の開発と使用によるものでしょう。マンハッタン計画と呼ばれた原爆開発では多数の科学者、技術者が放射能の犠牲になっています。その中には20世紀最高の頭脳と呼ばれた数学者、フォン・ノイマンも含まれます。

広島、長崎は一瞬にして10万人以上の生命を奪いましたが、放射線障害の巨大な研究サンプルの提供も同時に行いました。アメリカにとって未来に起きるだろう核戦争で放射能がどのように人体に影響を与えるかは軍事上大きな価値のある情報でした。アメリカは被爆者の調査を徹底的に行いその結果は軍事機密として日本から持ち去られて行きました。

日本人にとって広島、長崎の原爆投下は最初の核兵器による放射能被害でしたが、それは最後の被害ではありませんでした。1954年ビキニ環礁で行われた水爆実験の付近で漁をしていた第5福竜丸の23名の乗組員は実験による放射能被曝をします。そのうちの一人久保山無線長は「原水爆による被害者は私で最後にして欲しい」という遺言を残して亡くなります。*

第5福竜丸事件は日本に強烈な反核運動を起こします。この反核運動は反米運動と政治的に連動することで、左翼陣営がその後反原発運動に傾いていくきっかけになっとも言えます。

実際には核兵器はアメリカの占有物ではなくなっていましたし、それは核実験でも同様でした。1950年代から1960年代にかけてアメリカ、ソ連に続きイギリス、フランスさらには中国が核兵器の開発成功し、次々に核実験を行います。

核実験により無秩序に空気中に放出される放射性物質は「死の灰」と呼ばれ恐怖の的となります。骨に蓄積され危険な内部被曝を起こす原因物質であるストロンチウム90の環境での濃度は60年代に最高を記録します。

今では忘れられつつありますが、冷戦の終了まで核戦争は人類の破滅を意味していました。そして一般の放射能に対する恐怖は核兵器への恐怖と二重写しになって深く浸透していきます。

その一方で放射能の被害の定量的な分析は多くの研究者の努力と、放射能被害が明らかになるまでの多数の放射線の犠牲者によって進められていきました。そして、放射能の人体に対する害は確定的な害、つまり火傷を負ったり、細胞分裂の機能を失って死亡してしまうような、一定以上の放射線に被曝すると必ず受ける障害と、それより少量の放射線に被曝した場合長期的に確率的に発生する障害とに分けられることが判ってきました。

確定的な放射線障害の最近の例では、1999年茨城県でJCOの核燃料加工施設内で作業員が高速増殖炉の研究炉常陽の核燃料加工中に誤って(というより最初から正しい手順を無視して)処理中のウランの溶液を多量に貯蔵した容器内で臨界状態、つまりウランの核分裂を起こしてしまうという事故によるものがあります。

この事故では作業員2名が致死量の6シーベルトを超える放射線被曝をし死亡しています。また1名は3シーベルトの被曝をして一時白血球がゼロになるという極めて危険な状態になりましたが、その後辛うじて回復しました。

放射線が危険な理由は細胞の中の遺伝子、DNAの分子を放射線が破壊するからです。DNAが大量に破壊されると細胞分裂を行うことができなくなり、造血機能が失われるような重大な障害が起きます。これが確定的な放射線障害です。

確率的な放射線障害の影響は発癌率の上昇です(妊婦は奇形児を出産する危険がありますが、より厳しい被曝基準値がある以外は基本的な考え方は同様です)。発癌率の上昇は1シーベルトあたり5%と考えられています。

確率的影響では被曝量と発癌率は比例関係にあるとされています。つまり被曝量が1シーベルトの半分の500mシーベルトになると発癌率は2.5%上昇するということです。

この比例関係は200mシーベルトまでは確かめられており、100mシーベルト程度までは比例関係が続くと想定されています。しかし、被曝量がさらに半分の50mシーベルト程度だった場合、発癌率は本当に線量の分だけ上昇するのかどうかは定かではありません。

被曝量が小さくなるとなぜ発癌率との関係が不明確になるかというと、比例関係が成立するとしても100mシーベルトでは発癌率上昇が0.5%、50mシーベルトでは0.25%にしかならないからです。日本人の二人に一人、50%が癌に罹る現在。このような小さな値を統計的に検出するのは極めて困難、と言うより不可能です。

今、ネットやマスコミの中で100mシーベルトが危険とか、危険でないとか議論が起きていますが、どちらが正しいにせよ、非常に小さい発癌率の上昇の有無を巡ってのことだということは覚えておいてよいでしょう。放射線被曝100mシーベルトでの発癌率の上昇は受動喫煙並み、50mシーベルトではあったとしてもさらに半分に過ぎません。

たとえ0.25%でも膨大な人口を考えると無視するのはおかしいと考える人も多いでしょう。現に受動喫煙で癌による死亡する人は世界では60万人に達するとの推定もあります。

このため公衆衛生の観点では年間の被曝量が100mシーベルトという地域に人が居住することは許されません。今回の福島原発事故で避難命令、勧告が出されたのは基本的には放射線の被害に対する公衆衛生的配慮と考えられます(もちろん、炉心溶融や再臨界といった最悪の事態への懸念もあります)。

このような説明は「放射能はどんなに微量でも人体に有害で、その害は致死的なものだ」というる反原発派だけでなくの多くの人が共有する考え方とはずい分かけ離れたものではないでしょうか。

公衆衛生の観点では許されないような衛生水準でも平気な人はいくらでもいます。喫煙のリスクに相当する発癌率の上昇は放射線では3.4シーベルトです。これは1年の間に積算しての話ですが、一度に浴びると発癌率の上昇どころが造血機能を失って死んでしまうような量です。

数10mシーベルトというのは住民を避難させるかどうか、小学生を校庭で遊ばせるかどうかという話になると非常に重大な数字になりますが、発癌率の上昇ということに引き直して考えれば「致死的に危険」なものとは到底言えません。急性放射線障害を起こすようなことがなければ、放射能は青酸カリやヒ素のような毒物というより、塩分、煙草といった発癌誘発食品と比べるようなものなのです。

昔、目に見えない細菌やウィルスの引き起こす疫病は怨霊や悪魔の仕業と考えられていました。神の怒りを鎮めるために祈りをささげたり、中世のヨーロッパでは疫病の引き起こす魔女だと名指しされて、沢山の女性が殺されたりすることもありました。

放射性物質の放射能は徐々に放射線を出すことでしかなくなりません。科学にできることはありません。この点でわれわれは19世紀にタイムスリップした外科医とできることは大して変わりません。しかし19世紀に現代の公衆衛生の知識を持ち込むことができれば、抗生物質や手術用の麻酔薬がなくても、多くの人を救うことができます。

放射能は目に見えませんが、その危険性と性質は良く理解されています。冷静に必要な対策を立てればほとんど危険から逃れることは可能です。「手をていねいに洗いなさい」で病人が劇的に減りましたでは、テレビドラマは作りにくいかもしれません。しかし、犠牲者は「ドラマチック」に減らせるのです。

このブログでは放射能の強さを示す単位であるシーベルトなど、いくつかの技術用語が含まれています。個々の説明は省いているますが、全体像をもっと判りやすく知りたいと言う方は、例えば「放射線を理解するために
をご参照ください。


*これが放射能被曝のためだったというのは現在では異論が多い。肝機能障害によるものとする説が有力となっている。
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この記事に対するコメント
消毒について
ご存知かと思いますが、洗浄は大事ですが消毒はあまり意味がないか、もしくは有害な場合が多いです。
【2011/05/16 23:08】 URL | KY #67oAcE0k [ 編集]


放射線は塩分、煙草といった発癌誘発食品と比べるようなものなのです。
※これらは自らの注意で摂取しない選択が出来る。比べること自体バカの発想
あなたは放射線の専門家ではないと思うのでしょうがないが、被曝に関して、乳児・幼児への影響倍率や全く無い、受動喫煙と放射線被曝で発ガンリスクを比較etc・・・バブル期に他人の事も考えず、大した苦労もせずさんざん贅沢したであろう自己中の爺さんぽい文章です^ ^(あなたがそうだとは言ってませんよ)ビジネスの為の雑学とありますが、今の若い日本のビジネスマンがこんな雑学覚えて、海外で話したら、恥ずかしすぎるので、もう少し大人としての責任と見識をもって書こうね。
また話題性から受けを狙ったんでしょうが、ムリクリ仁を絡めようとしているが、まったく整理できていない。意味不明^ ^文章構成力ももっと鍛えなきゃね。
【2011/06/24 16:51】 URL | 素晴らしい雑学ですね。笑止^ ^ #- [ 編集]


しったかにまともにへんとーしとるよw
もっとうんちみたいなざつがくのこんびねーしょんをたのしみなよw
なんでもまえむきにねo(^▽^)o
【2011/12/12 05:15】 URL | 匿名 #- [ 編集]


ばかに言ってもわからないとは思うけど、「比べること自体バカ」というのは単なる考えなしです。「リスクを定量的に比較する」のはいかなる場合でも無意味にはなりません。ばかでなければ「受動喫煙と同程度のリスク」という情報を得ることで、仮に今被っている受動喫煙をなくせば被曝によるリスクの増加を打ち消せる、と考えることもできるでしょう。ばかには無理ですけれど。

【2011/12/28 02:06】 URL | 名無しさん@ニュース2ちゃん #pYrWfDco [ 編集]


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