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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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吉野家の決断番外編 株式市場は知っていた!?
吉野家の株価と日経平均の動き

吉野家ディー・アンド・シーの株価(青字)と日経平均 (赤字)

ジェームズ・スロウィッキーの「みんなの意見は案外正しい」(角川書店刊)という本が最近刊行されました。品評会に出品された牛の重さとか、様々な事柄や数量の推定を専門家ではない不特定多数の人が集合的に行うことで専門家以上に正確な答えが得られるという興味深い事例を色々述べています。その中に株式市場の驚くような洞察力の例として、スペースシャトルのチャレンジャー号が爆発墜落したときのNY市場の反応があります。

スペースシャトルのチャレンジャー号が発射直後爆発墜落した光景は全米に放映されていました。NY証券取引所も直ちに反応して、スペースシャトルの製造に関係したロッキードなど関連4社の株は値下がりを始めたのですが、その日の終わり値は、1社(Morton Thiokol)が12%下落し、他の3社は3%の値下がりにとどまりました。その後6ヶ月して調査委員会はチャレンジャー爆発の原因は固体燃料タンクのパッキング(Oリング)が低温で凍結破壊されたためと発表しました。MortonThiokolはまさに、その固体燃料部分を製造していたメーカーだったのです!

調査委員会の発表のはるか前、爆発直後(数分後)に誰か真の原因を知っていた人がいたのでしょうか。インサイダーの疑いは社内外を問わず調査されましたが、インサイダーの事実は確認されませんでした。株式市場という多数の人が参加する場で多数の人が集団として正確な予測を僅か数分で達成したとしか考えられないのです。スロウィッキーはなぜ株式市場が全体として未来を予測したり、真実を分析できるかは述べていません。個々の投資家は自分の利益を考えているだけで、特別な能力を持っているわけではありません。しかし、株式市場は時として未来を知っているとしか思えない動きをするのです。

吉野家(吉野家ディー・アンド・シー)の株価はBSE問題で牛丼販売打切りが不可避となった2004年の初頭に大きく値を下げました。しかし、その後はむしろ堅調に推移して、日経平均とほぼ同様な動きに終始しました。つまり株式市場は吉野家が牛丼の販売中止で深刻な打撃を受けることは予想しつつも、BSE問題は一時的なものであり吉野家は致命的な打撃を受けることはないと予測したことになります。米国牛肉の輸入は複雑な政治問題ですし、BSEが米国、世界でどの程度広がっているか、そもそも収束するかというようなことは誰も確信を持ってわかるはずのないことです。ただ、株式市場は吉野家が翌年の平成17年に3割減の売上げとなるなど、売上げ、利益とも多大の影響を受けているのを見ながら、吉野家の将来は大丈夫と判断したことになります。

スペースシャトルのチャレンジャー号墜落の時に示したような魔術的未来予測機能が株式市場にあると信じるなら、吉野家は牛丼販売を休止するという決断がBSE問題の長期化などのリスクがあるにもかかわらず、きっと大丈夫だろう確信することもできたはずです。市場に自分の戦略の妥当性の判断もさせてしまおうというのは、無責任でも荒唐無稽でもなく、むしろ現時点でもっとも確実な未来予測の手法ということすらできます。スロウィッキーも触れていますが、アメリカでテロの発生の先物市場を開設しようという計画がありました。テロの関連情報はCIAを始めおびただしい数の分析官、研究者、外交官、警察、ジャーナリストが個別に収集しています。それらの大量の情報は互いに矛盾することも多く、統合してひとつの結論を導き出すことは困難です。そこでテロの発生を先物市場で取引することにより、バラバラな情報を統合しようというのです。しかし非常に有効に機能しそうであったこの構想は不道徳だという(テロの発生確率が高くなって儲かる人が出てくる)という理由で総攻撃にあってつぶれてしまいました。

さて、吉野家の株価のチャートを見ると2003年の半ばごろから株価は日経平均と反対に弱含みとなり年末にかけて20%近く下落しました。日経平均は反対にその間10%程度上昇しています。BSEの発生が米国で確認、発表されたのはその年の12月です。米国のBSE発生の発表とそれに続く日本政府の米国牛の禁輸措置、さらに吉野家の牛丼販売休止へと続く1月ほどの間に株価は一時的にさらに大きく下げましたが、その後は前に述べたとおり日経平均とほぼ同様な動きを示しています。2003年の半ばから日経平均と反対の吉野屋の株価の値下がりは何を意味していたのでしょうか。私には株式市場がBSE問題の発生を全体として予測していたと感じています。信じるか信じないかは別ですが・・・
 
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テーマ:意思決定 - ジャンル:政治・経済

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