ビジネスのための雑学知ったかぶり
ビジネスでも雑学は重要! 知っていると少しは役に立ったり、薀蓄を自慢できる話題をご紹介
プロフィール

RealWave

Author:RealWave
Twitterアカウントはrealwavebabaです。

馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

ご連絡はrealwaveconsulting@yahoo.co.jpまで

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

お客様カウンター

Since 2009/10/21

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

一年を振り返って: 原発を巡って
今年は33本のブログを書きましたが、そのうち約半数の15本が原発事故に関連するものでした。原発については昨年から何本かブログを書いてきたので、事故が起きた時、炉心溶融の意味やチェルノブイリ、スリーマイル島の事故などについて一定の知識は持っていました。

しかし、どちらかという知的なゲームとして見ていた原発の妥当性の論議は、事故後にわかに現実的な課題になってしまいました。原発を停止して電力不足や電気料金の値上げを我慢するのか、あるいは稼働を続けるべきなのか、というのは日本人誰もが考えるべき問題になりました。福島の事故を受け、ドイツとイタリアでは原発を電力源として放棄することが決まりました。

もっと切実な問題は放射能の危険性をどう考えるかということです。放射能被害を心配して避難地域でもないのに疎開する人まで現れました。福島県産の農作物は安くしても売れなくなり、ゴルフ場さえ茨城、栃木ではプレーする人が大幅に減ってしまいました。

年が終わるのに当ってブログを振り返りながら、原発について考えてみたいと思います。

ブラックスワンを見た日: 福島第一原発事故 2011/03/28 

事故の約2週間後の記事です。その後ここで書いたことから事実認識は大きくは変わっていません。前の年に確率的には2万年に1回程度と考えていた事故が実際に起きたことで、何を反省し、何を検証すべきを考えるのが記事を書いた目的でした。

その時は検証し反省をした上で原発の稼働を当面続けるということが念頭にありました。しかし、世の中は原発稼働賛成と反対の二つに分かれ、また反省も「絶対に事故が起きないようにするにはどうするか」という不毛なものに移ってしまったようです。

安全対策を強化することで事故の確率と事故の被害を小さくすることはできます。しかし「絶対」に事故を起こさないことは過去も将来もできません。ブラックスワンは確率的にはありえない事も起きうるという意味です。そしてそれは原発事故だけでなく、金融システムから戦争まであらゆることに適用されます。「絶対」を求めることは現実的ではない。その理解がまず必要です。

脱原発のコスト 2011/04/18 

「絶対」を求める人に決定的に欠落しているのはコストの概念です。「金で命の問題を考えてはいけない」というのは正しくありませんし、現実の世の中はそのようになっていません。1億あれば心臓の移植手術を受けて命が救える、と判っていても1億円が簡単に降ってくるわけではありません。原発を停止すれば原発事故の危険はなくなりますが、コストはかかります。

原発のコストは放射性廃棄物処理や事故の損害をどのように見積もるかは原発に対する立場で大きく違ってしまうのですが、少なくとも原発を火力で置き換えれば、燃料費が余計にかかるのは事実です。原発を全停止するとその費用は2兆円程度ですが、将来化石燃料の価格上昇でその額はさらに膨らむ可能性は大きいと思われます。

石炭火力と原発どっちが危険か 2011/05/11 17:23 
原発事故と飛行機事故 2011/09/04 

原発に反対する人たちが往々にして無視するのはコストと並んで、原発以外のリスクです。原発と飛行機のリスクは死亡確率という点では圧倒的に飛行機が高い(そもそも原発ではほとんど人は死んでいない)のに飛行機には乗るが原発は嫌というのは、頭で考える理屈には合いません。

理屈には合わなくても、原発が怖いと感じられるのは自由意思では選択できないからとか、色々とそれこそ理屈は付けられます。だからと言って原発と他のリスクの比較さえ嫌悪するのは正しい態度とは思えません。

原発を止めよう、停止しようというのはリスクがあるからでそれ以上でも以下でもないはずです。しかし原発反対に政治的意義を見出すような人や、感情的なレベルで原発停止を求める人はこのような考えに納得しません。困ったことだと思います。

放射能ってそんなに怖い? 2011/05/09 

原発の危険は放射能の危険に尽きます。しかし、放射能の危険について一般的な理解は高いとは言えません。いまだに「何ベクレルの放射能が検出された」というニュースがで出ますが、それがどの程度危険なのか、ベクレルとはどのような意味を持つかを報道してはくれません。

放射能被曝は、一時に大量の放射能を浴びる急性放射性障害に陥らなければ、長期的な発癌率の上昇以外の危険はありません。そして発癌率の上昇はタバコなどと比べれば概ね小さいし、ほとんどの地域では癌患者の増加がいかほどであろうと放射能の影響を確かめられないほど僅かでしかありません。放射能の危険性への正しい認識が正しい事故対策になるのですが。どんな少量の放射能も致命的に危険、という科学的には誤った考えが多くの人に持たれてしまっています。そして、それがコスト意識のなさと結び付くと、どんなに費用をかけても除染を完全に行うべきだという議論になってしまうのです。

東京電力は破綻するしかないのか 2011/06/07 
なぜ人は東電社員の懺悔を求めるのか 2011/11/29 

今回の事故で主要なターゲットになっているのは、もちろん東京電力です。東電の管理体制、事故準備に不備な点があるとか、官僚的で決まり切った情報しか流さない、といった問題があるのは事実なのですが「悪の象徴」として潰すことを目的化したような動きが出るのは、いつものことながら異常に感じられます。

二つのブログは財務的にどの程度東電は破綻の淵にいるかということと、なぜ個人攻撃的な東電社員への非難へと人の心が動いてしまうのかを解説しています。

自然エネルギーに未来はあるのか 2011/05/17 
孫氏の自然エネルギー構想はいばらの道 201/05/26 
官製プロジェクトはなぜ失敗するのか 2011/05/31 

二つのブログを書いた5月頃は原発がなくても自然エネルギーがあるさ、といったある種のユーフォリア(多幸症)的な高ぶりがありました。その頃自然エネルギーを事業化する動きを全国の知事を巻き込んで始めたのがソフトバンクの孫正義氏です。

自然エネルギーは決して簡単に原発の代替になれるようなものではないということについては本文をご参考にしていただくとして、変わり身の早い孫氏は既に自然エネルギーへの興味をまったく失ってしまったようです。

孫氏の素早い動きに負けまいと(?)、菅首相も自然エネルギーへの傾倒を見せました。サミットで新しいエネルギー政策「サンライズ計画」を発表したのです。しかし、こんな計画が発表されたということすら今では忘れさられてしまっています。

放射能の危険は「絶対安全と証明されてはいない」と言い続ければ、いつまでも主張を変えずにいられますが、自然エネルギーの事業化は実際に採算に合わなければ孫氏のような実業家はあっさりと見限るということです。今年は自然エネルギーの実用化についての検証作業という点では有意義だったかもしれません、

日独伊はなぜ脱原発に向かうのか (1)
 2011/07/31 
日独伊はなぜ脱原発に向かうのか (2) 2011/07/31 

福島原発事故への反応はある意味海外の方が強いものがありました。事故を受けイタリア、ドイツでは原発を電力供給の手段として放棄することが決められました。日本が保守点検に入った原発の再稼働をしないことで実質的に原発廃止に向かっているように見えることを合わせるとどうしても第2次世界大戦での日独伊三国同盟との連想が働いてしまいます。

ただ、この話は連想が働くという以上の共通点は今のところ見出せません。むしろ、ドイツとイタリアがフランスという原発大国からの電力供給を受けられる立場にいるのに対し、日本は自国で電力供給を完結させる必要があるという違いに思いをいたさなくてはいけないでしょう。

強いてあげると日独伊は敗戦国であるということが理由で核兵器を保有していないということかもしれません。しかし、原発は核保有国以外にもあり、その全てで廃止の方向に向かっているということはありません。やはりこれはただの偶然の一致に過ぎないと考えるべきでしょう。しかし、何とも言えない不気味さが残るのは事実です。

村上春樹氏への手紙に代えて  2011/06/12 
袋小路の反原発運動  2011/09/22  http://realwave.blog70.fc2.com/blog-entry-304.html

原発反対には数多くの知名人、有名人も参加しました。その中で村上春樹氏の原発への反対意見の表明は大きな影響力があったと思います。とりわけ氏の作品の愛読者の一人としては、氏が豊富な知識と冷静な分析力を持っていると知っているが故に、ある種残念な気持ちにさせられました。

それと比べれば、大江健三郎氏の反原発運動支援は、驚くに足るようなものではありませんでした。氏は1960年の安保闘争以来、一貫して反戦派であり、核兵器と原発を同一視するという立場をとってきたからです。

全体として見れば、政治運動と結びつくようになって反原発運動は一つの袋小路に入ってきています。しかし、原発を停止させるという意味で反原発は成功を収めつつあります。原発に危険性がある以上、原発を受け入れるかどうかいう問題は増税や米軍基地と同様にプラスとマイナスを秤にかけるという、日本がもっとも苦手とする問題を克服しなければならないからです。

一連のブログを読み直して感じたのは、専門家でも何でもない私のブログのレベルの知識を持たずに原発や放射能危険さらには東電の破綻処理の問題を論ずる人があまりに多い事です。それは表面を見る限り、マスコミ、政治家多くの評論家も例外ではありません。

今年はこのブログを含めれば15本も原発に関するブログを書きました。来年もまたいくつか書くことになるかもしれませんが、世の中の原発論議が政治的、感情的なものからもっと経済学も含めた科学的なものになることを期待しないではいられません。

それでは最後ですが、皆さま良いお年を!
スポンサーサイト

この記事に対するコメント

原発はないほうがいい。ただし、明確にエネルギー問題が解決するなら。
解決策がないにもかかわらず、安易に反対するのはいかがなものかと私も考えます。
現実問題から見て、冷静に対処する。原発反対派は「命より経済」と言うのでしょうが、「経済こそ命を支える」という現実を無視してはならない。
【2012/01/02 11:57】 URL | takezo #- [ 編集]


本当は賛成か反対かの二項対立ではなく、中庸的な落とし所を求めていくべきなんでしょうけれど、どっちつかずの宙ぶらりんは世間には支持されにくいんですよね。
【2012/01/06 16:54】 URL | linde #- [ 編集]


> 放射能ってそんなに怖い? 2011/05/09

生鮮食料品の放射線ゼロの検査体制を掲げたイオングループ。
だが、現実的科学的に放射線ゼロはありえない。
食料生産現場への抑圧でしかないという。

そんなイオングループの姿勢を評価しているのがグリーンピースジャパン。
グリーンピースから枝分かれしたシーシェパードともども、反捕鯨で有名。

そんな団体に歩調を合わせて日本の捕鯨撤退、を一見理性的な論理で唱える馬場氏。
世の中、複雑で単純化してはいけないことがよく分かります。
捕鯨国ノルウェーが選ぶノーベル平和賞を、GPもしくはSSが受賞する日は来るのでしょうか?
【2012/01/24 00:38】 URL | 老泉敬 #bbGNNCuU [ 編集]


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://realwave.blog70.fc2.com/tb.php/316-710ac895
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。