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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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何のための日弁連の反原発意思表明
Nichibenrenn.jpg
日弁連のビル

日本弁護士連合会(以下、日弁連)その名の通り弁護士の団体です。その意味では医師の団体である日本医師会や、農協の集まりである全国農業組合連合会と同じです。

しかし、日弁連は「日本全国すべての弁護士及び弁護士法人は、各地の弁護士会に入会すると同時に日弁連に登録しなければ」ならない、つまり日本で弁護士として活動する全ての弁護士は日弁連に加入する必要があるという、際立った特色があります。

医師は医師会に所属しなくても医師免許さえあれば医者として活動できますし、農協に加入しなくても農業を行うことは可能です。これに対し弁護士は司法試験に合格し、司法修習を終了しても日弁連に加入しなければ、日本で弁護士の業務ができません。

これは業界団体としては異例に強い権限を持っていると言うことができます。日弁連から除名されるということは事実上弁護士としての国家資格を失うのに等しいからです。弁護士という職業の重さを考えると、業界団体とはいっても日弁連は国家機構の一部と言えるほどの権限を持っています。

その意味で日弁連は政治的な党派活動や思想信条に高い中立性を持つことが要求されているはずです。他の業界団体と同様に、職業人としての弁護士の権利、権益のために活動することは許されても、特定の思想に強く肩入れすることは慎まなければいけません。

ところが実際には日弁連は政治的主張として、左派と看做される立場を取ることが多いのは事実です。例えば日弁連は「会長声明」という形で、「君が代斉唱時の不起立等を理由とした懲戒処分取消等請求訴訟の最高裁判決」で、君が代斉唱に起立しなかった教諭に対し「戒告処分を容認した点は強く批判される」とする意見表明lをしています。

判決の是非は別として、この日弁連の見解は一般には「左」寄りの立場とされています。日弁連の中枢部の思想信条が「保守」でないことは間違いありません。

その日弁連は原発に非常に批判的です。日弁連は原発について何度も会長声明を出していますが、「原子炉等規制法改正案の骨子に対する会長声明」では「停止中の原子力発電所の運転再開が認められるものではない」と改めて、原発反対を鮮明に打ち出しています。

日弁連が準国家機関並みの力を持っていることを考えれば、政治的に対立点の多い問題に積極的に発言すること自身があまり好ましとではないと思いますが、原発についてはそれとは別の要素があります。

日弁連に限らず、原発に反対するのは一般には概ね次のような理由です。

1. 原発は事故を起こすと広範囲に甚大な人的被害を起こす。また、その確率は特に地震国日本では非常に高く、とても許容できるものではない。このことは福島第一原発の事故により改めて証明された。

2. 低放射線被曝による障害は、100ミリシーベルト以下では医学的な証明はないものの、有害とする科学者が多く、慎重を期して安全側に考えれば、それよりずっと小さな被曝量でなければ認めるべきでない。国際的な放射線被曝のガイドラインを出しているICRP (国際放射線防護委員会)の年間1ミリシーベルトは日本政府が平常時の被曝限度と定めているもので、これを順守すべきである。

特に強硬な反原発派でなくても、このような主張は妥当に思えるものかもしれません。しかし「素人考え」ではなく、別の見方もあります。

(1) 原発事故の人的被害は当初の予想よりはるかに軽微である。現に福島第一原発事故では放射線による人的被害は発生していない。津波による冠水で全電源喪失があったことが事故を引き起こしたが、原子炉の停止は過去を含め全ての地震で成功しているし、福島第二、女川原発でも事故を起こさなかった。全電源喪失の対策を強化することで、今後の地震による事故は十分防げる。

(2) ICRPの被曝指針は実態とは無関係に厳しく設定されており、特に事故発生時の避難ガイドとしてはかえって問題が多い。チェルノブイリでは事故後強制避難をさせられた地域で放射線被害ではなく避難に伴う生活破壊、健康破壊が報告させれている。また、20ミリシーベルト程度の被曝量は自然状態でもそれに近い被曝をうける地域もあり、それらの地域でも発癌率の上昇は見られない。

このような意見は例外的なものではなく、多くの技術者、放射線医学の専門家からは妥当と言われているものです。いずれにせよ、原発事故の確率や被害程度、放射線の人体に対する影響は、技術的、医学的なもので法律的な議論は、それらに一定の決着をつけなければできないはずです。

いうまでもなく、日弁連は科学、医学の専門家の集まりではありません、それが専門家の間ではむしろ主流の意見に反して原発の是非について明確な立場を出すことが妥当でしょうか。もちろん裁判で科学的な判断が判決を左右することは数多くあります。しかし、その場合裁判では専門家の意見を求めます。そして専門家の意見が分かれる時は対立する専門家、それぞれの証言を得ます。

実際、日弁連は「「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」の抜本的見直しを求める会長声明」で、WGの構成員の構成員に触れ、「広島・長崎の原爆被爆者の健康影響の調査研究に携わる研究者が多く、低線量被ばくの健康影響について、これに否定的な見解に立つ者が多数を占めている」と、反対意見を十分に聴取していないと抗議しています。

これは一種のダブルスタンダードです。日弁連の中で原発の是非について、支持派、反対派の技術者、研究者を集めた慎重な議論が戦わされているとはとても思えないからです。もし、そのような議論があれば、原発を「危険だから取りあえず止めてしまおう」という単純な結論ではなく、リスクと便益との関連に対するより深い考察があったはずです。

もしかすると、日弁連内部では本当に慎重な討議が裁判のような厳密さで行われたのかもしれません。だとしても、科学的な問題を日弁連という弁護士団体が明確な立場を打ち出すことの異常さは変わりません。

原発や低線量被曝の問題は、核兵器のように破壊力が一般にも理解されていて、その上で使用の是非を論じるものとは違います。低線量被曝の健康への影響は、「統計的には把握できない僅かな人数で影響の可能性がある」というレベルです。「科学的に安全性が実証されていない以上到底受け入れられない危険」と考えるのは専門家では少数派です。

ガリレオは天動説を支持しなければ異端審問裁判で有罪にさせられました。スターリン時代、ソ連は遺伝を否定するルイセンコ生物学を認めない生物学者をシベリアに送りました。日弁連は原発を支持する弁護士を除名するとは言っていません。しかし、本当に原発が日本国民の福利と安寧に決定的に害をおよぼすものなら除名くらいしても良いのではないでしょうか。

一体、日弁連の反原発の立場とはどんな意味があるのでしょう。弁護士が集まって原発や放射能を論じても専門的価値はありません。原発が政治的な問題であることは間違いありませんが、技術的問題でなくなったわけではありません。日弁連は原発に対する旗色を鮮明にする前に、法律の専門家集団としてもっと考えるべきことが沢山あるはずです。
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この記事に対するコメント

>一体、日弁連の反原発の立場とはどんな意味があるのでしょう。
下種の勘繰りかもしれませんが、わたしは、日弁連のマーケティング戦略、だと理解しました。
【2012/01/29 19:28】 URL | アサカシキオ #- [ 編集]


日弁連は中立であるべき

しかし、

少なくとも弁護と言う物の上では
全てに中立な立場など無いでしょう

さて問題です。
政府に大企業に市民に原発推進派に反対派に富豪に貧民に
どれに肩入れしたらその立場が中立では無くなるでしょうか?
【2012/02/11 20:30】 URL | 匿名 #- [ 編集]


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