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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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ハインリッヒの法則
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大きな事故があると、重大事故発生の陰に隠れた、ヒヤリ事故について分析したハインリッヒの法則の話題が良く出ます。ハインリッヒはアメリカの技師で、1920年代に労働事故の研究をしたのですが、彼の発見した法則は1人の重傷者の陰に29人の軽傷者、300人の怪我は免れたもののヒヤリとした人がいるというものです。少し古い話ですが、森ビルの回転扉で死人が出前、1年でほぼ30回の救急車沙汰があったと言われており、ハインリッヒの法則を裏付けています。1980年代には損害保険の専門家のバードが重傷者1に対し、軽傷、物損、人損または物損のヒヤリが10、30、600であるという法則を発表しています。いずれにせよ、重大事故は氷山の一角で、その陰に膨大な数の間一髪が隠されているということに変わりはありません。

直感的にも当然と感じられるハインリッヒやバードの法則ですが、現実に事故の原因を分析するときえてして忘れがちです。工場、医療現場、建設工事など色々な場で事故は起きますが、事故の後、関係者に原因を問いただすと答えとして、
・担当者(被害者)が不注意だった
・担当者(被害者)が常識がなかったまたは愚かだった
・担当者(被害者)が安全ルールを無視した
・管理、監督が不十分だった
といった人間系の要因を先ず挙げることが多いのです。しかし、ひとつの事故の発生の陰に多くのヒヤリがあることを考えると、人が問題であるという分析は多くの場合皮相的なものに過ぎません。たとえば、あなたは朝一番で重要な会議が予定されていたとします。ところが、

1)いつも使っているコーヒーポットが壊れていた
2)探し回って古いコーヒーメーカーを使ったら、お湯が沸くまで予想外の時間がかかった
3)急ぐので車で行こうと、あわてて家を出たが鍵を中に入れたまま、家をロックしてしまった(ドアを閉めるとロックされる仕組みだった)。悪いことに家の鍵と車の鍵は同じキーホルダーに付いていて、車も使えない

この場合悪いのは、鍵を置き忘れたあなたということもできますが、コーヒーポットの壊れやすさ(部品品質)、家のドアの構造(部品デザイン)などもあります。さらに、
・隣の家の車を借りたが壊れていた(バックアップシステム障害)
・バスがストで止まっていた(社会問題)
などが組み合わさると、会議に遅れるないし出席できないという重大障害にいたります。そもそもコーヒーポットが壊れるという話と、バスがストで動かないという社会問題が同時に起きると(その前に鍵を忘れてロックした自分がいるわけですが)、致命傷になるなどということは予測しがたいことです。結局、日常生活、工場生産、土木建築、外科手術、スペースシャトル打ち上げなどなど、どれをとっても複雑なシステムとなっておりで膨大な要素が的確に動くことで初めて順調に機能が果たせるのです。構成要素の数が膨大で、思いも付かないことが「組み合わさって」大きな問題を引き起こすというのが一般的な事故なのです。この組み合わせがあって初めて事故が起き、またさらに深刻なものになっていくということがハインリッヒの法則が言うように、重大事故が氷山の一角となる理由なのです。もちろん、システムは設計を慎重に行い、さらにささいなエラー、事故も「プラスこんなことが起きたら」という想像力を働かせながら継続的な改善活動を行うことによって、事故を減らしていくことは可能です。そして、事故が起きる真の原因は担当者(被害者)に責任を押し付け改善を行わないという組織上の問題であることが実際には多いのです。

話は飛躍しますが、何か起きると「教育が悪い」という言い方をよくします(特に政治家、テレビのコメンテーターなど)。これは教育の改善という一見、社会の問題に還元しているようで、実は個人の問題に解決を押し付けているだけだと言えます。虫歯は子供の食生活を管理監督できない親のせいだと思われることが多いのですが、水道水にフッ素を添加すると劇的に減少します。個人の責任を追及する前に(特に政治家は)社会システム全体で解決する方策を考え、実行してもらいたいものだと思います。
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  バーストの法則の重大事故とヒヤリ事故の割合
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  ハインリッヒの法則の重大事故とヒヤリ事故の割合
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テーマ:経営 - ジャンル:政治・経済

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『ハインリッヒの法則』辞典

ハインリッヒの法則ハインリッヒの法則とは、アメリカ合衆国|アメリカの技師ハインリッヒ(H. W. Heinrich)が労働災害の事故を統計学上に調べ、計算した結果出した法則。事故について現れた数値は『1:29:300』であった。その内訳として、死亡・重体事故が1件あったら、その 労働辞典【2007/02/07 13:11】

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