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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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神隠しのような・・
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私の住まいは港区の麻布にある築30年以上もたつ古いマンションです。高級住宅地とか言われたりする麻布でも、建物は同じように古くなり、人は老いていきます。そして人はいつか死を迎えます。

***

朝8時頃、いきなり玄関のブザーが鳴ったので、少しいぶかしく思いながら、私はドアを開けました。私のマンションは一階の入り口にインターフォンがあり、外からの来客は先ず、そこから尋ねて来たことを告げるはずだからです。

玄関口にはマンションの管理人が立ってしました。朝早い訪問を詫びながら、管理人は訪れた理由を告げました。「馬場さんには一応お知らせしようと思って。お向かいのKさんの奥様が先日亡くなられて、今日お通夜なんです」

私は今のマンションには十年ほど前に越してきました。私の部屋の向かいのKさんは、マンションが建った場所にあった一戸建の持ち主だったいわゆる地権者で、マンションの新築当初から夫婦で住んでいました。

二人とも80歳過ぎ。一年ほど前、賃貸に出でていた同じ階の部屋を借りて、病気がちだった一人暮らしの娘さんを呼び寄せて暮らしていました。同居ではなく一部屋余計に借りるくらいですから、経済的に恵まれているのは確かです。

「奥様が亡くなったって、ご主人は?」間抜けな質問だとは思いましたが、尋ねたわけはご主人も最近見かけていなかったからです。

「ご主人は去年の11月に亡くなったんですよ。娘さんは8月に。半年で三人とも亡くなってしまって」管理人は軽いため息をつきながら教えてくれました。

「ご主人は地下の駐車場で雨の日に転んで、顔をひどくぶつけて入院されて、そのまま亡くなったんですよ」私が驚いた顔をしたのを見て、管理人は「救急車は地下駐車場に直に行ったので、お気づきにならなかったと思います」と付け加えました。

「Kさんの奥様は一人暮らしだったわけですね」「ええ、それが宅配便が受け取られないで溜まってしまって。お電話をしたのですが返事もなくて。そうしたら息子さんから電話がつながらないって連絡が来たんです」

管理人はKさんの部屋の鍵は持っていなかったので錠前屋に頼んだところ、警察の立ち合いがないと勝手には開けられないとの返事。結局、Kさんの息子から連絡があった翌日の昼間、警察官、錠前屋、Kさんの息子、管理人が部屋に入ることになりました。

「そうしたら寝室の所に奥様が倒れていて。息はまだあったんです。それで救急車を呼んだんですが、どの病院もなかなか引き受けてくれなくて」結局広尾の日赤病院に何とか担ぎ込んだそうですが「5日後に亡くなりました」

新聞が3日前のものが部屋に入れてあったことから、3日間倒れたままでいたらいしいことが推測されました。見つかった時は生きていて病院で脳梗塞と判断されたことで、警察も不審死扱いはしないとのことでした。

Kさんの一家がほんの僅かの間に立て続けに亡くなって、隣に住む私が何も気がつかなかったことには、いささか衝撃を受けました。亡くなったKさんの奥様は82歳。老人ですが、今の世の中では格別な高齢者とも言えません。

隣人の私がこんな調子ですから、人のことをとやかく言う筋合いはありません。しかし、老人が一人で暮らしているのに、鍵も預からず、不審に思っても翌日まで関係者が揃うのを待つというKさんの息子の態度もよく理解できません。

Kさんは昔会社の経営をしていて、今は息子さんが後を継いでいるとのこと。経済的には余裕があるというより、資産家と言っても良い部類だと思います。しかし、奥様は倒れたまま3日間放っておかれ、いわば孤独死のような形になってしまいました。

有名人でも大原麗子は亡くなった3日後に実弟に発見されています。孤独死はもはや恵まれない人だけのものではなく、都会に住む誰もがそうなる可能性があるもののようです。

私の住むマンションは小ぶりで30数戸しかありません。それでも、十年以上も住んでいてエレベーターで出会う人は今でも名前どころか顔さえ知らない人の方が多いのです。表札が出ていて住んでいるはずの芸能人は見たこともありません。

長患いで家族に迷惑をかけ最後は邪魔者扱いされるより、Kさん一家のような死はむしろ好ましいとさえ言えるかもしれません。とは言っても自分の住んでいるマンションが、隣り合っても亡くなったことさえ気遣いないほどお互い疎遠だという事実は改めて寒々としたものを感じさせました。

自分の部屋を出るとKさんの部屋のドアには表札がそのまま残っています。けれども部屋の住民たちは突然かき消す私の目の前から消え去ってしまいました。まるで神隠しにでもあったように。
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おじゃまします。拝読していて背筋がぞっとしました。私は、大分県宇佐市のド田舎に生息しているオバサン猫です。都会もコンクリートの山奥という印象を受けました。こちらでも社会的入院を赦されない制度になった為、山奥の一軒家に寝たきりの高齢者の一人暮らしもいます。ある老婦人が、すぐ裏の独居老女が死亡しているのに気が付かなかったと言っていました。彼女は、介護を必要とする夫を持っているのです。息子が複数いても、皆生活基盤が都会にあるのです。k氏の息子さんという人は、本当に息子さんなのでしょうか??薄気味悪い事を想像してしまいました。失礼しました。
【2016/02/08 03:41】 URL | 三毛猫 #- [ 編集]


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