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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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首都高速は建て替えでなく道路網の再編を
SHutokoNihonbashi.jpg
高架主体の首都高速は都市景観を破壊する(写真は日本橋の上を通る首都高速)


首都高速道路の老朽化が問題になってきています。首都高速道路は1964年に開催された東京オリンピックに合わせて、建設が始まったものです。以来40年以上を経過し、総延長300kmのうち約140kmは築後30年以上、築後40年以上のものも約90kmあります。

首都高速は一日百万台以上の車が利用しますが、そのうちかなりはトラックなどの重量車両です。過酷な使用環境で長年利用が行われてきたため、補修・補強工事を続ける必要があるのですが、民営化をきっかけとして経費削減を強く求められるようになり、最低限の補修費用しか計上されていないと言われています。

そのような状況を受け、首都高速道路株式会社では、今月(2012/3/5)「首都高速道路構造物の大規模更新のあり方に関する調査研究委員会」」を発足させ、今後の大規模な補修、更新の検討を始めました。

委員会は今年暮れには提言を行う予定で、どのような内容が盛り込まれるかは現時点では判りません。しかし、多量の車両が通行し8割もが高架で作られている首都高速の大規模な更新は、非常に困難なものになると予想されます。困難と言うより、そもそもそんなことが可能なのでしょうか。

老朽化した首都高速の刷新は、単なるは改修や更新ではなく、東京を中心とした道路網全体で考えることが必要です。まず、首都高速を通る車の多くは、都内ではなく東京を通過するだけなのに、高速道路網が東京という一点でつながれているという根本的な問題があります。

この問題を解決するために、東京を中として、内側から中央環状線、外環状線、圏央道の三つの環状線が建設されていますが、中央環状線が2013年度中に全線開通を予定しているのを除き、他の二つ環状線は完成は当分先だと予想されています。

これら3本の環状道路が全て開通すれば首都高速への交通流入量は大幅に減少すると考えられます。首都高速の大規模な改修をするなら、その前に是非とも完成を急ぐべきです。

Shutoko2.jpg
圏央道と外環状線が完成すれば都心の首都高速の利用は大幅に減少する


次に、首都高速が都心を縦横に走るという先進国の大都市ではありえないような形になっている事実を改める必要があります。都心にある高架式の高速道路は醜悪としか言いようがありません。都心部を走る首都高速は更新するのではなく撤去することを考えるべきです。

そのためには、例えば中央環状線と内側、JR山手線の地下に第二中央環状線を作るようなことがも考えることが必要です。もちろん、これは安い投資ではありません。トンネル部分の多い、中央環状線は1mで1億円以上の建設費がかかっており、山手線と同じ距離の高速道路を建設するには5兆円程度の費用がかかるでしょう。

しかし、既存の首都高速を順次建て替えるとなると、その費用は膨大です。仮に30年以上経過した首都高速の半分を建て替えるとなると、それだけで70kmにもなります。建設費用だけでなく、長期にわたる道路渋滞の発生を考えると経済的損失ははかりしれません。

首都高速は当初はほとんど全ての部分が高架、つまり橋でできた道路でした。最近建設された中央環状線などはシールド工法を利用した大部分がトンネルの道路です。高架式の道路はトンネルより一般的には安価に建設できますが、基本的には路面の道路に沿ってしか作れません。古い路線と新しい路線を共存させることは不可能で、建て替えは長期間、路線を閉鎖するしかないでしょう。

そのような方法と比較すれば、新しい路線を建設して古い路線は撤去してしまう方法は、より簡便な方法です。さらに、都心部に流入する車の数を減らすにはロードプライシングの導入で車の利用を抑制することも考えられます。

いずれにせよ、現在の首都高速をそのままの形で作りなおすというのは、あまりにも知恵のない話です。単なる建て替えではない総合的な道路利用の改革が求められます
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