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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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イジメは平等幻想の報い?
chinpanzee.jpg
チンパンジーは集団に厳密な序列がある

人が強い怒りを覚える原因として、バカにされる、軽く扱われるということがあります。「バカにするな」が喧嘩の合図になるほど、その感情は強烈です。

しかし「バカにする」行為は直接危害を及ぼすものではありません。バカにされたからといって、怪我をしたり、金品を奪われるようなことはありません。

強いて言えば「名誉」を奪われるのかもしれませんが、他の人が気付かないように、薄ら笑いを浮かべながら「頭が悪いな」と呟かれても名誉を失うこともないでしょう。

一方、困ったことに人間は人をバカにしたいという抑えがたい欲求があります。「上から目線」を略して「ウエメセ」という言葉がなどネットでよく使われますが、人を小馬鹿にしたような言い方での批判は特に匿名ではネットで頻繁に見られます。相手から反撃されにくい匿名という衣をまとうと、すぐ人は他人をバカにするようになるのです。

バカにされたことに強い怒りを覚えたり他人をバカにしたいという欲求があるのはなぜなのでしょうか。人間がこのような根深い感情を持つ場合、その原因の多くは進化の過程に求められます。

この想定を裏付けるものとして、類人猿に広く見られる集団での序列の存在があります。ゴリラのように一匹の雄がハーレムを作り雌を独占しない限り、霊長類は集団の中で厳密な序列が決められています。序列が下の雄は上の雄に要求されれば、雌も餌も提供しなくてはなりません。

序列はなぜあるのでしょうか。それは、序列が決められていないと雄同士あるいは雌同士でもセックスや食料を奪い合い、時として一方あるいは両方が傷ついたり殺されたりする可能性があるからです。つまり序列は無駄な争いを避け、集団を守るためにあるのです

バカするというのは、この序列に対する挑戦と考えることができます。相手をバカにするというのは下の序列と見なすのと同じです。序列が低ければ、持っているもの全てを与えなければなりません。バカにされるという行為が著しく感情を刺激するのは当然と言えます。

同様にバカにすることができる、つまり相手より上位の序列にいれば、相手の全てを奪い取ることが許されます。バカにするというのは相手を支配できるのと同じことなのです。人が他人をバカにしたい欲求を強く持つのも進化の過程で自然に産み出されたものなのでしょう。

イジメというのは肉体的被害や物品を奪うより、バカにするというレベルから始まるものが多いと思われます。特にクラス全員がイジメを楽しむような精神状態になるのは、イジメがバカにするという欲求を満足させるものだからでしょう。

ここから先は少し飛躍しますが、最近になってイジメが広がりを見せている背景には、学校の中の序列意識が希薄になってきたことがあるのではないでしょうか。

人間は類人猿の時代から長く序列を持つことで集団の秩序を維持してきました。しかし、現代社会は人間の間に序列をつけることは避けるべきだという考えが主流です。

運動会で全員を一着でゴールさせたり、クラス全てに同じ評価を通知簿につける教師が問題になったことがあります。今でもそのようなことが行われているかは知りませんが、差別はいけない、人間は皆平等であるべきだというのは普遍的な規範です。クラスの中に序列があることを否定するのはその延長線上にあります。

全ての人間は本来平等だというのは正しい考え方です。しかし、集団の中に序列が存在しないというのは非常に不安定な状態です。チンパンジーならお互い牙を剥きあって殺し合いの闘争を始めるでしょう。

イジメは特定の人をターゲットにして、バカにするという快楽欲求を満足させるだけでなく、平等という建前が破壊した序列秩序を回復させようと本能的な行動ではないでしょうか。

だとするとイジメは平等を求め、差別を嫌う現代社会の規範、あるいは平等幻想が生み出したものなのかもしれません。平等幻想があるゆえに、差別が建前で許されなければ、変わった格好、しゃべり方、人と違う行動を序列づけの材料にしてイジメに発展する。イジメとは人間の本能に逆らって序列をなくした報いだとすると、イジメの撲滅はひどく難しいことであるのはのは間違いありません。

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この記事に対するコメント
イジメの類型?
イジメにもいくつかの原因や類型があると思いますが、序列の不在から引き起こされるイジメというのは現代的なものでしょうね。
昔ならばガキ大将や番長的なキャラクターの人物の下それなりに秩序が保たれていたのかもしれませんが。
私は20代ですが私の中学時代にも序列不在型のイジメは確認できました。(自分自身が被害者加害者になったわけではないですが)
この類型のイジメの特徴としては、不良グループ内で発生しやすいこと、被害者と加害者が刻々と入れ替わること、暴力や恐喝などではなくせいぜい無視をする程度、などがあると思います。
またおとなしい生徒(オタク的?)がイジメに巻き込まれることもまずありませんでした。
不良グループにもリーダーがいないためこういったことが起こるのでしょう。

大津の事件のような強烈なイジメは上記の不良グループ内での例には当てはまりませんが、この記事にあるよう序列の不在への反発と説明できそうですね。
【2012/10/12 04:07】 URL | ごま #QNJA/tEU [ 編集]

一部に異論あり
 「クラス全員がイジメを楽しむような精神状態になる」には納得がいかないです。50歳代を迎え、後日談的な情報が入手できる段階で回顧しますと、いじめっ子は今でもその傾向を色濃く残しています。また営業職のような、手段はともかく、結果が全てという職業に就いている人物が多いです。
 イジメに加担しなかった人物は、肉体より頭脳で勝負する職業に就いている割合が高いです。年齢もありますが、専門以外の管理能力も問われる立場にあります。
 いじめっ子は妾腹である等、家庭に問題がある例が多かったです。加担しなかった人物は親の知的水準が高いか、温和な家庭に育っていました。親の経済力は関係がありませんでした。
 馬場さんの観点は正しいのかも知れませんが、知性・養育環境で抑制が可能な面はあります。
【2012/10/12 13:00】 URL | 桃栗 #- [ 編集]

序列不在はただのスローガンでは?
大変興味深く拝読させていただきました。
馬場さんのご意見にとても共感できます。そしてイジメの撲滅はひどく困難であるとの結論、とても説得力があると感じました。
ただ、“運動会で全員一着ゴール”“全員同じ評点”は、“都市伝説”の類かと。馬場さんも実際にそんな事例をご自身で目にされたことはないのではと推察します。“忠臣蔵”同様、あまりにも稀有な事例なので逆に有名になってしまったことだと思われます。
【2012/10/12 22:23】 URL | karagenki #- [ 編集]

いじめとは
初めまして。ぼちぼちです。

いじめは今と昔では少し違うのでしょうか。
自分はいじめっ子でありときにはいじめられっ子でもありました。

どちらの言い分もわかるかな?と思いました。
【2012/10/18 10:16】 URL | bochbochi #UyDaNXrA [ 編集]


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