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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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徴兵制は必要だ
JDF1.jpg

こう言うと今の日本では非常に強い反発を受けます。「お前は戦争する覚悟はあるのか。お前の子供が死んでもよいのか」という言葉も飛んできます。徴兵されて嬉しい人はあまりいないでしょう。まして戦争に駆り出されるとなるとなおさらです。これは個人の嗜好の問題ではなく、国民の義務の話です。

その前に、私が考えている徴兵制が、成人男子は一人残らず一定年数兵役に就くというものではないということは断っておいた方よいでしょう。私が考えている徴兵制とは、

・日本国民は男女を問わず一定年齢に達すると軍役に就くことを正当な理由なく拒否できない
・軍役に就いた兵士は軍による許可なく軍を辞めることはできない
・交戦中の勝手な戦線離脱は軍による裁判による厳罰を下す

という規定を設定することです。

今の自衛隊は国家公務員です。退職するのは本人の自由意思で緊急時、例えば日本国が攻撃され戦闘の必要がある場合でも「戦争は怖いので自衛官を辞めます」と言っても罪にはなりません。状況により懲戒の対象となり年金をふいにすることくらいはあるかもしれませんが、命を失う危険からは逃れられます。

これは実際に敵と交戦している最中でも同じです。恐怖に駆られて敵前逃亡をしても自衛隊法では最長禁固7年です。軽い罪とは言えないかもしれませんが、多くの国では死刑を含む非常に重大な罪となります。一般的には上官は敵前逃亡をした兵士をその場で銃殺することが認められています。むしろ射殺することで全軍崩壊を防げるのなら、そうしないことの方が罪になります。

考えようによってはこれは大変非人間的で人道に反することに思えますが、戦争という殺し合いをしている中では、一人の勝手な行動が他の兵士の命を危険にさらす可能性がある以上止む得ないことです。

つまり、徴兵制とは言っても、軍役に就くことは職業の自由とは違うし、戦場は普通の職場とは違うということをきちんと決めておくべきだということです。

実際には先進国ではアメリカを含め徴兵による兵員の補給はほとんど行われていません。現代の戦争は兵士の数で単純に勝敗が決まるようなものではなく、兵器体系や専門的技能がはるかに重要になってきているのです。現在の20万人という自衛隊の規模は人数的には寡少とは言えません。

それでも徴兵ではなく志願兵中心になったことで、アメリカの支配層(議員だけでなく中産階級以上の一般市民)が戦争に対し鈍感になってきているという懸念は言われています。今のアメリカでは、一定以上の社会階層の人々は、自分や自分の子供が戦争に駆り出される心配をせずに戦争を決断できるのです。

このような問題は徴兵制どころか、憲法では軍さえない日本ではもちろんあります。「毅然とした態度」で領土問題を強く主張すべべきだと言う人たちが、戦争の恐怖をどこまで実感しているか疑問です。喧嘩は売るが後の始末は自衛隊の皆さまにお願いすれば良いと思っているのではないでしょうか。これでは社会保障は充実すべきだが税金は上げるなと言っているのと同じです。

徴兵制の施行は恐らく憲法改正が必要になるでしょう(確信はありません。もしかする現行憲法で自衛隊が持てるなら可能もしれません)。簡単な話ではないですし、冒頭に買いたいように強い反対運動が起きることは間違いありません。

しかし、自由に退職できたり、交戦中に職場放棄が許される(懲役7年も軽くはないかもしれませんが)のは軍隊として極めて不完全です。そして徴兵制がないことが無責任な対外強硬論やその裏返しの非武装中立論(どうせ自分は戦わないなら弱体な軍でも構わない)につながっているのではないでしょうか。私にはそれが日本の民主主義が未だに未熟な理ことの大きな理由ではないかと思えます。
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この記事に対するコメント

開米瑞浩 @kmic67
いまどき徴兵制なんて役に立たないことぐらいご存じでしょう RT @realwavebaba

* ↑ 主権国家として当然のことを理解していない、
     というか、誰が守ってくれると思っているんだろう???

【2012/11/25 16:14】 URL | rintarou #3hri4u1c [ 編集]


徴兵制度はあまりにも残酷だと考えていましたが、残酷な選択をさせないために徴兵が必要だという発想に感銘を受けました。
ただ支配層が徴兵を免れないような公平な選抜方法が存在するのかという点には疑問が残ります。
【2012/11/25 18:37】 URL | 匿名 #- [ 編集]

軍隊の目的
自衛隊(軍隊)の目的は戦闘による安全保障にあり、あらゆる組織の中で特に合理性が重視されるべき組織である。
この目的のために徴兵制が本当に必要かどうか、これが唯一の論点であり愛国心や民主主義といったお話を挟む余地は無い。


と書いてみたけれど
志願制の軍隊で十分に目的を達成できるとしても、記事にあるように米軍に支配層の子供がいかないだとかの問題を聞くと「これってどうなの?」と考えちゃいますね。
徴兵賛成派の中には石原都知事のように軍隊で駄目な若者を矯正しようという声もあります。また馬場さんの言う民主主義の未熟の問題も。
これらも長期的な目線で見れば“国防問題”ということになるんでしょうか。

今回の記事は「そもそも現行の法律では自衛隊は軍隊として不完全」という理由から徴兵制の必要を訴える点で興味深かったです。
【2012/11/28 09:04】 URL | ossy #f.3xv7QQ [ 編集]


 自衛隊が軍隊として不完全だ→徴兵制導入というのはちょっと無茶苦茶だと思います。そもそも、複数の個別に解決可能な問題点を一緒くたにする必要があるのでしょうか?
簡単に辞められるのが問題なら制限を設ければいいじゃないですか。国家公務員の就業規則なんですから、国会を通した立法制度でいくらでも変更可能です。敵前逃亡の量刑が軽いなら重くすれば良いじゃないですか。平和ボケによる無責任な強硬論や非武装論が問題なら、教育を見直せばいいじゃないですか。(もっとも私は、なぜ徴兵される事によって強硬論から離れられるのか甚だ疑問ですが)
 現在の日本において無責任な対外意識が蔓延っているのは確かですが、徴兵制がある国ではそんな事がないかというとそれは違うでしょう。むしろ逆ですらあると思います。ましてや、民主主義の未熟さが徴兵制で解消されるなんてのは、馬場さんらしからぬ暴論だと思います。戦前の(今と比べれば)極めて民主的ではなかった日本にも、徴兵制はあったのですから。恐らく馬場さんは、その時々の安易な風潮に流されてしまいがちな世論に対し、政治家ばかりに責任を押し付けるのではなく、国民として民主主義の責任を自覚しろと仰りたいのでしょう。そこは私も同意見ですが、それが徴兵制で実現されるとは到底思えません。
【2012/11/29 15:11】 URL | merith #- [ 編集]


職業軍人の身分保障とセットでは考えられることですね。
その場合海外派遣組や海上保安庁まで範囲を広く取ることで左派のただ乗り観は拒否したいですね。もちろん全員の日本人が彼らをリスペクトすることも必要です。
【2012/12/04 23:11】 URL | wood #- [ 編集]


田中秀臣 @hidetomitanaka
西部邁氏の『核武装論』をかなり前に読んだときも、この「一人前になる」というイデオロギーだけはよくわかったが、
それ以上のさきほど書いた経済・社会的コストや国際環境への影響などはほとんどわからなかった。
確かにすべてのコスト計算は仮想的なものだし、「影響」も単なる仮説例ではあるけどね。
田中秀臣 @hidetomitanaka
「国防軍」でもなんでもいいけど、そんなのいまの日本の問題の文脈で重要なのか?
 「一人前の国になる」というのはただのイデオロギーで、憲法改正して「軍隊」にしたときの経済・社会コスト、
国際環境への影響を含めて誰ひとりもちゃんと議論してないのでは? 
2012年12月8日

*「経済・社会的コストや国際環境への影響などはほとんどわからなかった。」って、安保ボケだ。
【2012/12/09 12:10】 URL | rintarou #3hri4u1c [ 編集]

話が逸れますが
 徴兵制の復活は有り得ないと考えますが、徴兵制を検討する位思い切った右旋回を図るなら・・・と考えていたところ、ならば武器の生産・輸出との結論に成りました。現在の競争力の低下・元々の得意分野を考えると、確実な産業転換が可能と予想します。長短を頭の中で検討すると、国際政治上も含めて有利だと思うのですが・・・・
【2012/12/11 11:09】 URL | 桃栗 #- [ 編集]

Re: 話が逸れますが
私は徴兵制や武器輸出が左右の軸で語られることがおかしいと思っています。国を守り、防衛予算を効率的に使用するというのは左右の問題ではなく一般的な政治の目標でしょう。

ただ、「徴兵制」を文字通り一定年限の男子を兵役に全てつかせるという意味では使ってはいません。国家が兵を国民から本人の意志にかかわらず兵を選ぶことができ、兵役は職業の自由とは別のところにある国民の義務ということがポイントです。

兵員の数としては現在の自衛隊ですらやや多過ぎるし、米でも志願兵のみで軍が構成されていることをみても、徴兵制が国家の手段として定められても兵の徴募に大きな変化はないでしょう。


>  徴兵制の復活は有り得ないと考えますが、徴兵制を検討する位思い切った右旋回を図るなら・・・と考えていたところ、ならば武器の生産・輸出との結論に成りました。現在の競争力の低下・元々の得意分野を考えると、確実な産業転換が可能と予想します。長短を頭の中で検討すると、国際政治上も含めて有利だと思うのですが・・・・
【2012/12/13 09:17】 URL | RealWave #- [ 編集]

馬場さんへ
 左右の件については、理念的にはおっしゃる通りです。ロシアでは、軍備強化に当たり、左旋回と言うのかも知れません。しかしながら、日本の歴史的背景に鑑みると、徴兵制導入は、馬場さんが提唱する形であったとしても、右旋回と捉えるのが妥当だと考えます。
 わたしは様々な能力・境遇に在る人々に接する職業ですが、現在40歳より若い世代の親は、子供に対して、盲目的とも言える感情を抱いています。社会的に恵まれない状況を、子育てにて昇華しているとも表現可能な状況です。よって、例えば90歳の親が65歳の我が子の徴兵を受け入れることが出来ない事態は、容易に想像出来る次第です。
 わたしの世代は、ずっとクールだと思いますが、わたし個人で考えても、息子に投資した費用を考えると、戦場に散らせる可能性は、費用対効果の面から、あまりにもったいないと考えます。
【2012/12/13 22:14】 URL | 桃栗 #- [ 編集]


退職するのは本人の自由意思で緊急時、例えば日本国が攻撃され戦闘の必要がある場合でも「戦争は怖いので自衛官を辞めます」と言っても罪にはなりません

 自衛隊法とかお調べでしょうか。たしか有事のときには退職できないはずでし、それでも逃亡すれば、懲役7年以下ではなかったでしょうか。自衛隊も給料もらって戦争ごっこだけやってられるほど、甘くないと思います。
【2012/12/17 09:42】 URL | SHIRO #- [ 編集]

徴兵制推進もけっこうですが・・
徴兵制推進ですね。それも結構です。もっと広い視野での分析が必要と思いますが。
右翼化するも左翼化するも結構。
現在の日本では徴兵制をするも、少子化です。
さらに、原発の廃炉要員が絶対的不足となってきます。
これを解決するのが、年齢制限の無い公平性を重視した徴兵制となります。
徴兵として使えない人を原発廃炉要員に出向させるのが目的です。
これでも貴方が徴兵制を推進するというのなら、それでも良いでしょう。
現在の徴兵制を開始するとすれば、20歳以上の若年層だけでは無くなるという事です。
【2012/12/28 06:30】 URL | ITビジネスマン #SFo5/nok [ 編集]


自分お年寄りだから高みの見物かい?
若者に押し付けていいご身分だな。
【2013/02/18 03:08】 URL | かい #- [ 編集]


徴兵制は軍事的な話題として筆頭に上がるものですね。
自分としては、徴兵制は行われないと思います。てか、必要は無いかと。戦力増強であれば現在の自衛隊の募集人数を増やせば良いわけですし。 単純に予算不足という国防にとっての最大のネックがあります。
また、徴兵に掛ける金があれば、既存の戦力の強化に務めた方が無難かと。
【2013/12/11 20:23】 URL | 魚大好き #SbXn0.jI [ 編集]


年を取ると新しい発想が受け入れられなくなり、古い考えばかりが頭の中を占めるようですよ。
もっと最新の社会学や政治学を学んだ方が良いんじゃないですかね。
民主主義の発達には、国民の自覚が一番大事ですが、あなたの言う徴兵制を導入してそれが促されるというのは、ぜんぜん説得力がありませんね。
強制されたものは一見自覚があるようにふるまうことができますが、本質的には自覚は育っていないものです。
今の日本には他人の目を気にして、自覚があるように振る舞う人が増えていますね。強制したってそれを助長するだけだと思いますが。
【2014/03/11 15:05】 URL | 匿名 #- [ 編集]


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