ビジネスのための雑学知ったかぶり
ビジネスでも雑学は重要! 知っていると少しは役に立ったり、薀蓄を自慢できる話題をご紹介
プロフィール

RealWave

Author:RealWave
Twitterアカウントはrealwavebabaです。

馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

ご連絡はrealwaveconsulting@yahoo.co.jpまで

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

お客様カウンター

Since 2009/10/21

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

チキンゲームと北朝鮮 (3)
E98791E6ADA3E697A5.jpg

キム・ジョンイル(金正日)

チキンゲームを過去に遡って、のんびり分析している間に北朝鮮が本当に核実験をしてしまいました。注意しておかなければいけないのは、今回の核実験は決して最終段階ではないだろうということです。重大なステップを一段昇ったとは言えるでしょうが、チキンゲームで言えば車は互いに正面同士疾走を続けているということになります。回避行動をとるかそのまま走り続けるか、本当のチキンゲームはこれからです。

北朝鮮の今後の行動を予測するために、チキンゲームの構造を考えて見ましょう。先ず、このチキンゲームは北朝鮮とアメリカの二カ国の間のゲームだということです。韓国、日本、中国などは利害関係人、ステークホールダーではあるでしょうが、言ってみれば疾走する車の見物人、または同乗者で、ハンドルを握ってはいません。まっすぐ疾走し続けるか、ハンドルを切るか決めるのは米朝です。

それではアメリカと北朝鮮はチキンゲームをどのように見ているのでしょうか。アメリカの側から先ず見て見ましょう。そもそもアメリカは基本的にほとんどのチキンゲームで突っ張りの立場を取り続けます。とことん突っ張り続けようとはしなかったのは、米ソ冷戦の時ですが、この時は衝突が完全破滅であることが明白だったので、極力回避するような努力を継続しました。それでも、キューバ危機の時は突っ張りの基本姿勢は変えませんでした。日米戦争の場合も、アメリカは断固とした姿勢を続けました。イラク戦争の時もそうで、アメリカは強力な軍備を持っているので、双方突っ張りを続けたときの衝突を自分の側の破滅とは考えないのです。ただ、朝鮮半島で本格的な戦争が始まると、在韓米軍は数万人が死亡し、韓国はソウルが火の海になって数百万の死者が出るると予測されています。核兵器が多少とも実用段階であったとすると、被害はさらに拡大することも考えられます。米ソ間の核戦争よりはましですが、甚大な被害が発生すると考えるのが妥当でしょう。ただし、米本土は恐らく攻撃されないとアメリカは考えていると思います。

アメリカが回避行動を取るには、北朝鮮も回避行動を取るという確信を持つことが必要なはずです。アメリカにとって北朝鮮が取る回避行動とは「核兵器を全面的に放棄し、後戻りのできない形で核兵器製造の能力の廃棄を行う」ということでしょう。さらに、「ミサイルなどを兵器を生産しない。テロ支援国家に輸出しない。偽ドル札を作らない」など入るかもしれません。どのような条件をつけるにせよ、問題はアメリカが北朝鮮を信用できないと思っているということです。1994年、金日成の時代、北朝鮮が核施設からプルトニウムを取り出し核兵器製造能力を持ちそうになったことで、米朝は戦争の一歩手前まで行きました。しかしこの時は、カーター元大統領の努力もあり、アメリカは珍しく回避行動を取りました。アメリカは北朝鮮が核兵器の開発を凍結することと引き換えに(これは北朝鮮の回避行動)、日韓と共同して原子力発電所の建設をすることや燃料援助を行うこと、さらに在韓米軍の非核化などの譲歩を行ったのです。しかし、その後北朝鮮は核施設の査察に非協力的で、結局核開発を継続していました。アメリカとしては双方回避という状態を確信するための、ハードルは相当高くなっているはずです。

一方、北朝鮮はどうでしょう。北朝鮮がアメリカと大きく異なるのは、北朝鮮にとってチキンゲームで生き残るかどうか問題なのは、金正日とせいぜいその周辺の指導部だけだおいうことです。衝突で車が滅茶苦茶になっても、つまり北朝鮮の人民が何百万人殺されようと関係なく、自身の生命、自身の体制が生き残れるかどうかが問題なのです。したがって、回避行動をとったあげく「車を降りろ」と言われるような事態は受け入れがたいはずです。ところがアメリカの要求する回避行動の条件は実質的な北朝鮮の無力化です。そもそも、北朝鮮の体制は対米の緊張感で維持されているような面があり(もしくは、そうだと指導部が信じている)、回避行動を取ること自体が、破滅につながる可能性が高いのです。

回避行動自身が破滅につながると思っているとすれば、突っ張りを続けた挙句に衝突して破滅してしまうことを恐れる必要は相対的に小さくなります。自発的に回避行動を取って破滅するより、相手が最後にはハンドルを切ると期待して、疾走を続けるほうが合理的だということになります。北朝鮮の状況を別のたとえをすると、銀行強盗がSWATに囲まれて、人質を盾にしている状況に良く似ています。銀行強盗は体に大量のダイナマイトを巻いていて、うかつに踏み込むと人質もSWAT部隊も大損害を被るというわけです。銀行強盗は叫びます「1億ドルと国外に脱出できる飛行機を用意しろ!」

現在の状況は相当悲観的です。米朝双方とも回避行動を取るインセンティブは小さく、突っ張り続けるインセンティブの方が大きいのです。しかも、米ソの冷戦時のようにお互いに車を停車させて睨み合っているのではなく、車は疾走を続けています。北朝鮮の核実験に対し何らかの報復措置が取られるでしょう。日米開戦時の日本と同じように、「石油を止められたら軍事的に無力化してしまう。だったら完全に無力化する前に一か八か・・」という心理状態に陥る可能性は高いと思われます。しかし、このような推測自身がチキンゲームで北朝鮮の思う壺、つまりアメリカ-回避行動、北朝鮮-突っ張り継続、結果-北朝鮮が勝利、につながってしまうとアメリカは考えるかもしれません。いや、きっと考えるでしょう。米朝衝突の確率は5割以上あるのではないかというのが、私の見解です。

続く


スポンサーサイト

テーマ:北朝鮮核実験実施 - ジャンル:政治・経済

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://realwave.blog70.fc2.com/tb.php/36-3fdc6170
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。