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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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「なぜ選ぶたびに後悔するのか―「選択の自由」の落とし穴」バリー シュワルツ (著) ランダムハウス講談社
私の携帯電話は4年前に買ったAUの機種で、カメラすらありません。実は一度息子
を連れて携帯ショップに行ったのですが、大きさ、メモリー容量、カメラの画素、
色、形などあまりに沢山の選択肢があって、とうとう決めきれずに終わってしまい
ました。こんな経験は誰でもあると思うのですが(4年前の携帯の話ではなく、迷っ
た挙げ句に決められなくなってしまうということです)、現代社会は選択の自由が
人間を不幸にすることがあると本書は指摘します。

現代はあらゆる意味で選択が与えられる時代です。衣服、食事、遊びだけでなく、
職業、学校、生き方そのものも昔とは比較にならない自由な選び方ができます。し
かし、それで本当に幸せになったのだろうかと著者は問いかけます。日本はもちろ
ん、自由の国アメリカでも選択肢の数は益々増えています。「選択の自由」こそ自
由の本質であるとアメリカ人は考えてきましたし、その意味でアメリカ人の幸福度
は昔よりはるかに増大しているはずです。客観的にはそうなのかもしれませんが、
主観的にはどうも違うようです。現に、アメリカでは30年前と比べ人生を幸福と感
じる人は減り、鬱病が爆発的に増えています。自殺の数も増加の一途をたどってい
るそうです。どうも選択の自由が多くの人に抑圧的な影響を与えているようなので
す。

鬱とは本来、自分ではどうしようもない(と思った)状態に置かれたときに発症し
ます。動物の実験では、電気ショックをモルモットに与え続けると、最後はモル
モットは何もせずにうずくまり、まさに鬱の症状を呈するそうです。しかし、人間
は選択肢が多く自分で何でも決められるときにかえって鬱に陥ってしまうことがあ
るようなのです。筆者は「もっと良いものがあるはずだ」と選択肢を追い求める人
をマキシマイザー、「これでも十分だ」と思う人をサティスファイサー(
Satisficer)と呼んでい
ます。想像通り鬱病になりやすいのは、マキシマイザーの方なのです。客観的には
マキシマイザーの選ぶものはサティスファイサーと比べてずっと優れているはずで
す、事実そうでしょう。しかし、マキシマイザーは最良のものを得ようと「機会の
コスト」を無視して努力して結果に満足することはできません。何故ならどんなも
のも「この世で最高」とは言えないからです。

現代は情報化社会です。世界はネットワークで結ばれ、「最高」とは世界最高のこ
とになります。本当の一流の野球選手はメージャーで活躍しなくてはなりません
し、企業はグローバルなマーケットで競争します。個人もマキシマイザーを満足さ
せようとするとどのようなキャリア、学歴、配偶者を世界レベルで評価することに
なります。これは勝者は殆ど存在しない社会です。

一方、人間の恐れの中で「後悔する」ことは非常に強いものがあると言われていま
す。そして後悔は自己の決断に結びついています。まずい食事も、自分で決めたレ
ストラン、自分で決めたメニューではなく、社員食堂の定職なら「まずい」とは
思っても後悔はしません。自由な意思で、自分の管理のもとに決断できる場合にだ
け後悔は存在するのです。

埋没コストの発生も後悔を恐れる気持ちに根ざしていると筆者は指摘します。本来
あらゆる合理的な決断は過去にどのような投資を行ったかでなく(高い予約チケッ
トを買った。ブランドの服を買った。研究費を10億円使った・・・)ではなく、未
来に最も効率的な投資は何かです。高い経費をかけて、はるばる大物つりにきた釣
り人は、雑魚しか捕れなければきっとがっかりするでしょうし、後悔するでしょ
う。しかし、シマウマを追いかけていたライオンがたまたまウサギ(そんなものア
フリカにいるのかな)を捕まえたからといって、がっかりはしません。後悔そして
埋没コストは極めて人間的な反応なのです。

本書は幸福を捕まえたければ、ほどほどつまりサティスファイヤーを目指せと言い
ます。努力、努力で最高を目指し頑張るのはグローバルな世界では敗者を約束され
たようなものだというわけです。もっとも、それでは世の中が進歩しないでしょう
ね。IBMの創始者のワトソンは「Glorious Dscontent」名誉ある不満と言って、
社員が不満を持つことを奨励してしていましたが、トヨタもGEもきっといつも不
満を持つ、マキシマイザーのはずですから。

と、ここまで書いて、気がついたのですがここで人生論を展開する気はなかったの
です。実は選択の自由からくる不決断をどのように避けるかを言いたかったわけで
(これは人生論ではなくビジネス論です)、以下のような注意があります。決断を
うながす(つまり売る)ためには、

・ただやたらと選択肢を増やすのは危険
・アンカリングのテクニックは有効。つまり、何かベンチマークとなる値段が高
い、品質が悪い、その他お勧め商品を際だたせるようなものを一緒にする(割引品
の隣に定価の品物をおくとよく売れる)
・埋没コストの罠にはまらないようにする(こんなに調査費用をかけたのに!)。
逆に埋没コストを利用する(ここまで頑張ったのに、いまさら勿体ないでしょ
う)・・本当はこれは詐欺的(商品相場の営業がよくやりますね)

などなど、でもマキシマイザーの罠には、顧客も自分もはまってはまずいですね。
確かに。
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テーマ:意思決定 - ジャンル:政治・経済

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