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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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シックスシグマ
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宅配ピザを注文して「30分以内にお届けします」と言われる。これはいいですね。30分以内にピザにありつけることが保証されたわけです。「平均30分でお届けします」。これはちょっと困ります。平均30分と言われても、10分で届くかもしれないし、50分かかるかもしれない。平均は無意味ではありませんが、平均だけでなくバラつきが少ないことが大切です。では「概ね30分±5分でお届けします」ではどうでしょう。概ね? まだ安心できません。「30分±5分でお届けします。このお約束が守れないのは100万分の3.4以下です」これなら良さそうです。35分以内にはまず間違いなくピザが到着するでしょう。

どんなビジネスプロセスもバラつきは避けられません。しかし、努力をすればバラつきを小さくすることはできます。ピザの宅配なら、地図の整備を行う、配達人の数を一定以上確保する、ピザの材料は予め調理しやすく準備されている、などなど遅れやバラつきの原因となるものを一つづつ見つけ出し、解決していけば良いわけです。それではビジネスプロセスはどのようにバラつくでしょうか。多分、平均値あたりのところが一番起きやすくて、平均値から離れるにつれ滅多に起きなくなってくるでしょう。グラフに描くとベルカーブとか正規分布と呼ばれるような形になると考えるのが妥当でしょう。

正規分布は平均値とバラつき度合いを示す標準偏差、σ(シグマ)の二つの値で表されます。標準偏差の範囲でバラつきがおさまるのは約68%。ピザの宅配の例に戻ると、3回に2回は30分±5分以内に配達しようとすると、配達時間が正規分布にしたがうのなら、標準偏差が5分ならよいわけです。これが1σです。標準偏差が5分の半分の2.5分なら2σで、このときは5分以内に配達できるのは95%になります。

バラつきがどんどん小さくなると、平均値付近でおさまることが、ますます多くなる。つまり正規分布のグラフはだんだんとがってきます。最終的に5分以内のバラつきを6σの範囲に収める、つまり標準偏差、σを5分の6分の1の50秒にできれば、5分という約束を守れないことは100万回に3.4回以内になります(これは本当は違っていて、6σは100万回に3.4回ではなく、10億回に2回になります。普通、6σと呼ばれる100万回に3.4回は4.5σになります。 これはサンプルを増やすと平均値自身が1.5σ程度ずれる可能性があることを勘案したものです-下図参照)。

six-sigma-s.gif



シックスシグマはバラつきに着目して、ビジネスプロセスの改善を続ける管理技術です。シックスシグマを体系化したのはモトローラのビル・スミスという技術者で、公になったのは1986年です。しかし、シックスシグマが一般に広く知られるようになったのはモトローラではなく、GEがジャック・ウェルチの強力なリーダーシップのもと管理技術の中核に位置づけたことによるでしょう。

GEは製造業から金融業にいたる幅広いビジネスを行っていますが、全ての分野でシックスシグマは活用され、品質の向上、顧客満足の向上、利益の増大に貢献しています。GEは徹底した社員教育を行うことで有名ですが、シックスシグマは教育システムを通じて社内に浸透し活用されました。シックスシグマのリーダー役であるシックスシグマの黒帯(ブラックベルト)になることは上級マネージメントに昇進する重要な要件となりました。

GEがあれほど多様なビジネスモデルを抱えながら成長を続けるのは、経営技術が優れているからだと考えるしかないのですが、その中でシックスシグマが重要な役割を果たしたのは間違いでしょう。もっともシックスシグマの普及を推進したカリスマ経営者のジャック・ウェルチは営業活動に対するシックスシグマの適用限界があることを指摘するなど、シックスシグマの推進者ではあっても信者ではなかったようです。もともと、ジャック・ウェルチは天才的な実務能力を持つ経営者で、常に極めて現実的に物事を理解しドグマに溺れるようなことはありませんでした。この点でかつて日本でTQC(Total Quality Control)が流行ったとき、多くの会社でデミング賞獲得が自己目的化し、その結果TQCがドグマとなり、そして形骸化していったことを考えると、ジャック・ウェルチから学ぶべきところは多いと思います。

トヨタが作り出したカンバン方式、GEが管理技術の中核にシックスシグマ、どちらが優れているのでしょうか。もちろんこれは馬鹿げた質問です。カンバン方式は製造業の効率化に主眼を置いていますし、シックシグマの目的はバラつきの最小化による管理品質の向上でしょう。しかし、不良品の削減、生産性の向上、継続的な改善活動など共通点は多いのです。それぞれの特徴を見ると、カンバン方式は自動車のような複雑な製造工程を持ち、多品種大量生産に向いた生産現場での管理技術と考えるのが良いでしょう。何といってもカンバンは物理的にわかりやすく、指示、命令を待たずに自律的に生産活動を行え、なおかつ問題点の発見と分析に有効なツールになっています。

これに対しシックスシグマでプロセスの問題点や改善方法が明かになっても、具体的なプロセスの運用は課題ごとに考え出す必要があります。反面、シックスシグマは汎用性が高く、製造業だけでなく、金融業でローン審査の時間のバラつきを減らし、短縮することに適用することも可能です。カンバン方式もまったく使えないことはないでしょうが、カンバンをローン審査のプロセス改善で使うことは考えにくいでしょう。結局、自動車一筋のトヨタと、コングロマリット化しているGEという企業の特質にマッチしているやり方が使われているということになると思います。

カンバン方式もシックシグマも大切なのは組織の基本に完全に組み込むことです。トヨタではカンバン方式はしつけの一部と言ったりするらしいのですが、GEではシックシグマの理解はマネージメントの重要な要件となっていて、単なる管理技術を超えてDNA的なレベルに達していると言えるでしょう。どちらの方式を使うにしろ、表層的に理解し、適用の難しいケースもカンバン風、シックスシグマ風に取り繕うことで、次第に形骸化していくのが一番いけません。「金持ちだからロールスロイスに乗るので、ロールスロイスに乗るから金持ちになるわけでなない」と言うように、カンバンやシックシグマを使ってもトヨタやGEになれるわけではないのです。
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