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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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最後通牒ゲーム
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「AさんとBさんの前に1万円があります。AさんとBさんはCさんにこの1万円をもらって二人で分けることになったのですが、Cさんは1万円を分けるときの条件を一つつけました。それは1万円をどう分けるかAさんが決めること、BさんはAさんの分け方が不満なら拒否できること。ただし、Bさんが拒否したら、AさんもBさんも1円ももらえません。Aさんはどのような分割提案をすべきでしょうか?」

これはゲーム理論で最後通牒ゲームというやや大げさな名前のついたゲームです。「論理的には」Bさんは分割提案を拒否してしまうと何ももらえないのですから、1円以上どんな提案でも拒否する理由はありません。つまりAさんが9990円をAさんに10円をBさんに分けるという提案をしたなら、それを拒否したら10円以下の0円の収入しかないのですから、それでも受け入れざる得ないはずです。しかし、実際にはAさんが極端に自分に有利な提案を行うとBさんの側は拒否することが多くなります。最後通牒ゲームは簡単にできるので、経済学部の学生の授業の一環として行われるのを始め、数多くの実験が行われてきました。それによると、分割される金額の絶対額、被験者の経済状態が影響を与えるものの、大体Bさん側の取り分が3割を切ると拒否が多くなるようです。また、Aさん側も自分の有利な立場を濫用した相手を怒らせるようなことはあまりなく、半分づつの分割を提案することが多いようです。

最後通牒ゲームは伝統的経済学が「合理的」な人間を前提としているのに対し、人間は非理性的な部分があるという行動経済学の典型的な例としてもよく引用されます。確かに合理的とはいえない判断をなぜ人間はするのでしょう。最後通牒ゲームを同じ人同士で繰り返し行うのであれば、公正さを求めるために、あえて最初は不利な提案を拒否するというのは理にかなっているでしょう。しかし、ゲームが1回限りの場合でも、ひどくバランスを欠いた提案は受け入れられないことが多くなります。実は最後通牒ゲームは人間だけでなく赤ん坊やチンパンジーを使った実験も行われているのですが、チンパンジーも含めて最後通牒ゲームでは、自分の報酬を得る利得以上に、公正ではない相手を罰したいという欲求が表明化する場合が多いのです。たとえ10円でも何ももらえないよりマシだという「理性」より、もっと本源的に公正でない相手を罰したいという思いを進化の過程で人間は身に着けているようなのです。

最後通牒ゲームは実験するのは簡単ですし、それ自身合理的な経済人という前提に対する反証として有効でしょうが、実際的な意味はあるのでしょうか。一つ考えられるものとして、原価と価格に対する消費者の反応があります。何か物を買うとき、価格と購入する物の値打ちが妥当であればそれでよいはずですが、利益率が9割というような話を聞くとあまり良い気持ちはしません。マイクロソフトが受ける非難のうちかなりの部分はマイクロソフトが非常に高い利益率を上げていることにあるでしょう。メーカーはどこでも製品の原価を明らかにするのは積極的ではありませんが、これは価格交渉で不利にならないようにというのと同時に、あまりに高い利益が消費者に反感を持たれないようにしたいという慎重な姿勢の現れといえます。

ゲームの世界に戻って考えてみると、最後通牒ゲームは相手の側の得る利益が自分の損得と同じように重要だということを示しています。囚人のジレンマ(少子化という囚人のジレンマ参照)でいえば、自分が黙秘し相手が裏切って自白したとき、自分が重い刑罰を受けることも嫌なのですが、相手だけ裏切って得をするのが許せないという気持ちが働いて自白してしまうことが考えられます。チキンゲームでは、自分が回避行動を取って、相手が突っ張り続けたとき、自分がチキンと呼ばれて馬鹿にされるのもさることながら、相手が図々しいために得をするのが我慢できないという気持ちが、回避行動を取るのを妨げる可能性があることになります。

相手に得をさせたくない、ずるい相手は罰したいという気持ちは非常に根深いものなので、そのために自分が実は損をしているということさえ忘れさせてしまいます。特に交渉を行うとき、結局誰の得にもならないのに頑張り続けて双方損をしてしまうというような場合、チキンと呼ばれて臆病者扱いされることより、相手に得をさせたくないという気持ちが強くなってしまうことの方ビジネスの社会ではむしろ多いでしょう。典型的には買収合戦があります。お互いに値段を吊り上げて意地を張り合うのは、弱みを見せたくないというより、相手の笑う顔を見たくないという、甚だ経済合理性に欠ける思いにし支配されていることが多いのではないでしょうか。このような場合、冷静になって伝統的経済学が想定するような合理的経済人になることも必要でしょう。もっとも、最後通牒ゲームでは分割提案をする側が半分づつに分けると言うことが多いのも事実です。公正さを求める気持ちが深く人間に組み込まれているおかげで、無用な争いを避けるように人間は作られているのかもしれません。だとすれば、熱くなってとことん頑張るのも、公正さを求める文化を維持するためには避けられないコストなのかもしれませんが。


当ブログで行動経済学に関連したものをあげておきます。

喫煙の行動経済学
ウェイソン・テスト
モンティ・ホール問題
埋没コスト
最後通牒ゲーム
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テーマ:進化論的組織論 - ジャンル:政治・経済

この記事に対するコメント
加速装置がほしい!
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【2008/01/12 16:40】 URL | まとり #HmsGVGSQ [ 編集]


◇アウロラ日記◇,,,一度は病気に倒れた人が、社会復帰に向け、まったり頑張るブログです。 ,"リアルとRO(多め )の話題で、のんびり不定期更新中~",http://blog.livedoor.jp/zenbb00888/
【2008/01/16 18:47】 URL | 緋色ぴかり #mHcRsqnc [ 編集]


そうなんだぁ・・。
【2009/02/04 09:53】 URL | えぇ #- [ 編集]


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