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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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日本はイギリスになれるか(2)
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セシル・ローズ
アフリカのナポレオンと呼ばれ、「神は世界地図が、より多くイギリス領になることを望んでおられる」と言い放ったセシル・ローズは、1853年から1902までを生き、南アフリカでのイギリスの権益確保のために動き回りました。今日の基準ではローズは侵略主義者、人種差別主義者、強欲、人殺しとあらゆるレッテルを貼られるのにふさわしい男でしたが、彼がイギリスの植民地およびアメリカの若者をオックスフォード大学で学ばせるために創設したローズ奨学金は、今日にいたるまでアメリカではもっとも権威のある奨学金制度として認められています。ローズ奨学金を受けたアメリカ人著名人には最近だけでもビル・クリントン前大統領やSOX法を提案したポール・サーベイン上院議員、国防次官を勤め「ソフトパワー」で有名なジョセフ・ナイなどがいます。アメリカもまたイギリスの数ある「元植民地」の一つなのです。

イギリスは大陸国家であるドイツの伸張に対し、アメリカとの連携を軸に、パワーバランスを巧みに利用した外交政策で対抗しようとします。結果から見れば、2度に渡るドイツとの世界大戦を勝ち抜いたイギリスの戦略は成功だった言えるでしょう。ただ、イギリス自身は戦勝国になったにもかかわらず、第一次世界大戦では覇権のアメリカへの移行、第二次世界大戦では植民地の喪失など、相対的な国力の後退を免れることはできませんでした。

また、第二次世界大戦ではチャーチルは「ヒットラーと戦うためには悪魔とも同盟を結ぶ」と言ってスターリンのソ連と共同戦線を組み、結果的に戦後の米ソ二大陣営の冷戦を招きました。スターリンと悪魔とヒトラーの誰が一番ましかはわかりませんが、チャーチルもルーズベルトも反共主義者だったにもかかわらず、最後はスターリンを信用し、東欧のソ連支配や、朝鮮半島の北朝鮮政権樹立に手を貸してしまいます。

第一次世界大戦では戦後のオスマン帝国の分割をめぐり、イギリスの現実主義外交はバルフォア宣言(実際はロスチャイルドへ外務大臣バルフォアが送った書簡)でパレスチナでのユダヤ人国家を約束しつつ、エジプト駐在高等弁務官のマクマホンはアラブによるパレスチナの独立を認めるという二枚舌外交を展開します。このときのイギリスの二枚舌が今日のイスラエルとアラブとの抗争の最大の原因の一つであることは確かです。

イギリスは日の沈まない帝国から元もヨーロッパのはずれの島国に戻る過程で、常に勝者側にいることに成功しましたが、その勝利はアメリカの存在がなくてはありえないものでした。しかし、アメリカは二度の世界大戦とも開戦と同時には参戦しませんでした。第一次世界大戦はドイツのUボートの無差別攻撃、第二次世界大戦は日本の真珠湾攻撃で自国の船が攻撃されるまで、国論が参戦で統一されることはなかったのです。

アメリカを孤立させずに常にヨーロッパにコミットさせなくてはいけない。この思いは第二次大戦後のNATOの創設でほぼ実現しました。冷戦下のヨーロッパで東側に対する、いわゆる欧州正面にアメリカ軍は常時展開されたのです。しかし、それでもフランスはソ連の核攻撃にアメリカが自国を危険にさらしてまで報復するかわからないとして、核兵器を開発所有することになります。また、イギリスもアメリカの原爆開発(マンハッタン計画)に当初から参加していた強みを生かし、第二次世界大戦後いち早く核兵器を開発します(現在のイギリスの核兵器システムは実質的にアメリカに技術的にも運用的にも大きく依存した原子力潜水艦搭載のものだけとなっており、近い将来核兵器システムの更改を行うべきかの議論が起きています)。

イギリスとアメリカの「特殊な関係」はフランスなどヨーロッパからはいつも問題視されてきました。フランスはEUの前身であるEECへのイギリスの加盟を何度も拒否しています。一方、現在でもイギリスもEUの主要メンバーであるにも関わらず、英ポンドを捨てず、EUの統一貨幣単位のユーロの採用は行っていません。また、イラク戦争に参加したように、アメリカと一体化することによりアメリカを制御しようという姿勢(単にアメリカの飼犬だという批判は国内外に強く存在しますが)に変化はありません。イギリスはヨーロッパとアメリカのバランスをとることの大切さと難しさを実感しているように見えます。

文化的にはイギリスとアメリカの関係の親密さは想像以上のものがあります。ロンドンとニューヨークは今やファッション、マスコミ、金融関係の人には事実上一体化した双子都市(Twin Cities)化していると言われています。運行が最近中止された超音速のコンコルドはファーストクラスの席しかなかったのですが、そのような人たちでいつも満員でした。言葉が共通であるため、小説、音楽、映画などはアメリカとイギリスを中心とした文化圏を一つのマーケットと考えることができます。たとえばブロードウェーミュージカルは年に一度地方公演を行うことが多いのですが、開催地はアメリカ西海岸のサンフランシスコとロンドンが普通選ばれます。

ヨーロッパ国家の集合であるEUでも英語は公用語です。フランス語、ドイツ語なども公用語であることは間違いありませんが、他国語を併記しない場合は英語で書かれることがほとんどです。EUが独禁法の運用など国家としての枠組みを持つようにつれ、裁判を何語で行うか、契約を何語で書くかが重要な意味を持つようになってきました。裁判での係争などは英語で行われることが多く、ビジネス関係の法律の専門家は英語で仕事をする必要がますます高まっています。

さらに普通イギリス連邦と訳される、コモンウェルスがあります。コモンウェルスはロシア連邦のような国家の体裁は持っていませんが、かつてイギリスの支配下にあったほとんどの旧植民地が所属していて、国数で53、人口は世界の人口の30%を占めています。これらの国は公用語に英語が採用されているだけでなく、他の言語が公用語であっても、高等教育を受けるためには英語が不可欠です。

英語が世界の共通語化していることは今さら言うまでもないのですが、英語といえどもイギリスという一国家の言語から出発したことは間違いありません。200年も遡れば、英語で書かれた文学作品はシェークスピア、スイフトなどイギリス人のものしかありません。英語で教育を受け、職業的訓練を積むというのは、根幹でイギリスの文化を受け入れるということになります。この点では、江戸時代の作品すら原文では特殊な人しか読めなくなっている日本人と比べると、非イギリス国民で英語を母国語にしている人々がイギリス文化に影響を受けている度合いはずっと強いかもしれません。(この項続く
shakespeare-a.jpg
シェークスピア

日本はイギリスになれるか (1)
日本はイギリスになれるか (2)
日本はイギリスになれるか (3)
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テーマ:進化論的組織論 - ジャンル:政治・経済

この記事に対するコメント
イギリスとイギリス連邦に想う
日本がイギリスになれるのか?というよりも日本はイギリス連邦に入れないか?ということです。それはアメリカがサブプライム問題で没落しつつあるなかで、米中露に包囲された日本はアメリカなしで政治的・軍事的にロシアやチャイナと向き合わなければならない未来がくるだろうということです。チャイナは政治経済的に行き詰っており自己矛盾の塊と化しています。内政の矛盾を日本にぶつけてくる外交政策をさらにエスカレートさせてくるでしょう。日本が米露中以外に近場の国とてを組むとするならば、加・豪・NZを中心とした英連邦しかありえません。英連邦に加盟することでカナダの食糧、豪州の天然資源の安定確保を図ることが可能になります。過去にはモザンビークのようなポルトガルの植民地だった国も英連邦に加盟しており、民族・言語・文化・宗教のるつぼのような国際組織で、加盟条件には民主主義国であるという以外に特にEUのような厳しい制約があるわけではありません。日英両国の皇室も大戦時の一時を除いて友好関係が続いています。ですから日本が英連邦に加盟することは実現可能です。日本はプロテスタント的価値観をもち、脱亜入欧を国是として頑張ってきました。いままたアメリカの没落により、脱米入欧を目指すべき時なのです。ここでいう欧とはまさしく太平洋の欧州であるところの英連邦諸国のことです。
【2008/05/18 19:30】 URL | ツシマ #ECn66tzA [ 編集]


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