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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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ホワイトカラーエグゼンプション
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やってられねー

みのもんたが「わからない英語を使うな!」と言っていましたが、まったくそのとおりで、「残業代適用除外」とか「サービス残業合法化」とか日本語にしないとこところが、誤魔化したいという気持ちの表れと言われても仕方ないでしょう。「ホワイトカラーエグゼンプション」を推進する経団連の要望を受けて、厚生労働省は2007年にも関連法案を成立させる、制度改変に向けて動き出しました。

ただ、厚生労働省はさすがにホワイトカラーエグゼンプション(めどうなので以下WEと略します)とはいわず、「労働契約法制及び労働時間法制の在り方について」の労働政策審議会の答申の中で「自由度の高い働き方にふさわしい制度の創設」という項目でWEを提言しています。

WEとは、主としてホワイトカラーの労働者が一定の条件を満たせば、労働時間規制を免除する、つまり残業代を支払わないというものです。その一定の条件も「専門的な業務に従事している」、「年収400万以上」、「管理者に順ずる」とか色々言われていますが詳細はまだ決まっていません。しかし、経団連の目論見どおりになると、大企業なら大学卒後入社2-3年目のホワイトカラーは基本的に残業代がなくなることになりそうです。

当然のことですが、WEに労働側は反対、経営側は賛成ということになるのですが、経団連が積極的にWEを推進しているのに対し、経済同友会は時期尚早としており、必ずしも一枚岩ではありません。

WEについて反対派と賛成派に共通しているものがあります。それはWEを導入すると給与は減少するというものです。しかし、本当にそうなるのでしょうか。確かに残業代がなくなれば、理屈の上では人員削減を行い、残った従業員の労働を強化、しかも残業代は払わなくて良いということで、人件費は大幅削減となるのですが、そう物事が進むとはあまり思えません。

現在でも従業員とくに正社員を減らせば、残業代を払っても人件費は削減できます。つまり、WEがあろうとなかろうと、従業員を減らせることできる企業は、今でも一生懸命減らしています。WEが直ちに従業員削減につながることは、あまりなさそうです。

残業代を請求しない残業、いわゆるサービス残業が増加する、ひいては過労死が増加するというのはどうでしょう。これは確かにありえるのですが、過労死に関してはWEと別に考えたほうが良いと思います。

厚生労働省の指針では、死亡前に80時間以上の残業が2ないし6ヶ月続くと過労死と認定されます。100時間以上なら一ヶ月でも過労死と認定される可能性があります。これは相当厳しい基準で、毎日10時まで残業し、休日出勤を3-4回すると超えてしまいます。この程度働いたことが一度もないホワイトカラーはあまりいないのではないでしょうか。

一見厳し過ぎるように見える厚生労働省の指針ですが、実際残業が80時間を越えた月が続くと、高血圧による脳内出血、鬱病さらに鬱病による自殺などの危険が生じてきます。人間は案外もろいものなのです。

WEがなくても管理職は残業規制がありませんし、管理職のほうが一般的に年齢が高く過労死、過労死にはいたらないまでも疾患を生じる可能性は高いはずです。過労死の防止は管理職も含め、WEの導入とは別個に考えるべきでしょう。

過労死の危険は別としても、サービス残業が公認されることでの労働強化どうでしょうか。残業規制を従業員の健康上というより、経費削減の観点で実施している企業は多いので、管理職としては大助かりとなることはあるでしょう。

しかし、WEが導入されてしばらくすると、残業手当が出ないので終業時刻になると皆いそいそと退社することが多くなるでしょう。フレックスタイムも本来はライフスタイルに合わせて、早出、遅出が自由に行われるということだったのですが、すぐに遅出が大部分になってしまいました。

管理職は残業を命じることはできますが、残業代があって命じるのと、なくて命令するのでは大違いです。残業代がなくなると、やたら強権をふるうか、人格識見でリードするか、どちらかでないと残業させられなくなってくるでしょう。

結局、残業代を支払わないとなると、仕事と成果を明確に定義して業務配分を行うということが今よりずっと重要になります。かりに命令された仕事が、どう考えても残業を沢山しないとこなせないほど多いとなると、部下に露骨にいやな顔をされる場合も多くなるはずです。管理職はますます胃が痛くなる局面が増えるわけです。

WEが普及すると、大多数の決められた仕事を定時まで行うだけの社員と、少数の上昇志向が強く、出世のためにはいくらでも働く社員に二分化が進むでしょう。残業に対する抵抗感が強くなると、業務の増大には社員の増加か、本物の効率化(つまりサービス残業による計算上のではない)が必要となります。本物の効率化は大変ですから、社員を増やさないと仕事の質の低下が起きる可能性が高くなります。

一方出世のためにはいくらでも働く社員は、出世ができないと長時間のただ働きをすることになってしまいます。誰もそんなことは嫌ですから、転職してしまう可能性が高くなります。WEの趣旨はホワイトカラーの多くは労働時間と成果が必ずしも比例しないということですから、優秀な社員は残業手当を出さなくても、残業手当以上の給料を与える必要が出てきます。

以上は私の頭の中で考えただけの話ですから、実際にWEが導入されて何が起きるかはわかりませんが、残業手当廃止による人件費削減の効果は一時的である可能性は経営側も覚悟しておく必要があるでしょう。

WEの前に成果主義といって、成果が多ければ給料を増やし、成果が少なければ給料を減らすという制度がありました。これは過去形ではなくほとんどの企業は成果主義を大なり小なり導入しています。

成果主義は一見合理的な考えですが、成果の定義が明確にできるのは営業マンくらいで、その他の社員は人事考課の本質が変わらないまま、恣意的に成果を決められる結果になりました。しかも、成果主義は給与総額を減らすという方針が経営側にあったので、社員の不満は非常に大きくなりました。

今回のWEも経営側にとっては柳の下の二匹目のドジョウなのかもしれませんが、今の雇用市場は成果主義導入時と比べずっと従業員側に有利になってきています。つまり、自分自身の判断で自由に仕事を進めるという、WE推進側の建前と実際が一致することも十分に予想されるのです。

もちろん、WEで残業代カット、経費削減にてぐすねひいてまっている企業のWE濫用をさけるために、運用に関する十分な注意は必要ですが、WEは必ず従業員に不利に働くとは限らない、特に好況時にはむしろ有利に働くことはもっと理解されても良いと思います。
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