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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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中央リニア新幹線の行方
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JRリニアは技術的には実用段階

一昔前なら新年のめでたい夢として適材だったのかもしれませんが、中央リニア新幹線の建設について書いてみます。中央リニア新幹線のリニアは、リニアモーターカーの略なのですが、これは電気モーターの替わりに、磁石を線形(リニア)に並べることで駆動力を得ることからきた呼び方です。

リニアに磁石を並べて電気モーターを使わない方式で列車を走らせる技術は、大江戸線でも使っていて、それほど斬新な技術ではありません。中央リニア新幹線では磁気の反発力を利用して、列車をレールから浮上させて高速で走行するところがミソです。英語ではリニアモーターカーとは言わずに磁気浮上と言う意味のMagnetic Levitated略してマグレブ(MAGLEV)と呼びます。

中央リニア新幹線ではJRが開発しているJRマグレブを使う予定なのですが、世界にはドイツのトランスピッドなどもあって、こちらは上海で空港と都心を結ぶ高速交通機関として2003年に開通して、30キロの区間を最高速度430km、7分半で結んでいます。

磁気浮上式のリニア(以下単にリニアとよびます)の魅力は何と言っても、レールと接触しないために、摩擦の限界に縛られず高速走行が可能になるということです。実用化されている上海のトランスピッドは最高430kmですが、JRの実験では550km以上を記録しています。

技術的には車両側に安定的に強力な磁力を発生させるために超伝導技術を使用するなど、目新しいものもあるのですが、JRが宮崎の実験線でテストを始めて30年以上たち、かなり完成の域に達してきていると思われます。

中央リニア新幹線はリニアを使って東京と大阪を1時間で結ぼうというもので、現在は1997年に供用された山梨リニア実験線で実用化に向けてテストが繰り返されています。技術的に成熟してきているのですから実現に動き出したら良さそうなものなのに、掛け声ばかりで進展はありません。

実現を阻んでいる大きな要因に建設費があります。現在の予想では7.5兆円から10兆円となっていますが、これは「作りたい」と思っている人たちの計算ですから、軽く2倍くらいかかると思っていたほうが良いでしょう。仮に20兆円なら、時代が違うとはいえ、東海道新幹線の60倍以上にもなります。

金がかかっても、元が取れればよいのですが、東海道新幹線の売上げが年間約1兆円ですから、それと比べても相当な金額です。それでも現在の新幹線の売上げをそのままあてにできれば良いのですが、そうなりそうもありません。

そうなりそうもない理由の一つは、中央リニア新幹線の予定コースにあります。図で見るとわかるように、中央リニア新幹線は東海道新幹線を置き換えるものではなく、東京から山梨、長野を通り、横浜、静岡のような大都市は素通りになります。近畿では三重、奈良経由となり京都は通過しません。
20070109203911.gif
中央リニア新幹線の予定ルート


このようなルートになった理由は、東海大地震の際のバイパス機能を果たすためとか、広範囲な経済効果を生み出すためとか色々言われていますが、要は自民党の実力者だった山梨が地元の金丸信を始めとした、強力な政治的圧力の結果であることは明白です。

単に地震対策だけなら、建設時の規格を高めるとか、地下部分を増やすとか他にもやり方はあるでしょうし、代替ルートなら航空機や北陸新幹線の延伸などもあるでしょう。一度流れが決まると方向変換が難しいのが、この手の話の常ですから、公共投資が難しくなってきた今も見直しは行われそうもありません。

政治的圧力で決定したルートですが、実はもっと強力な政治的圧力、整備新幹線を作るという決定が中央リニア新幹線の実現の前に立ちはだかっています。中央リニア新幹線は整備新幹線にもなっていないので、整備新幹線が完成(!)してからでないと、着工を認められそうもないのです。

中央リニア新幹線の採算性やルートに疑問があるとしても、完成すればそれなりの需要は期待できるでしょう。これに対し、たとえば整備新幹線で札幌まで新幹線が延伸されても、東京から札幌まで7時間半もかけて飛行機でなく新幹線を使う人が、それほどいるとはとても思えません。

日本は南北2千キロ以上の長さがあり、山が多く、隅々まで鉄道で結ぶより、飛行機、自動車と組み合わせたほうが、より効率的にアクセスを確保できることは明らかなのですが、「とにかく新幹線を作れ」という圧力はなくならないのです。

リニアはモーターの材料をレールに並べるようなことをするので(この他に列車の数だけ変電所が必要になります)、通常の鉄道と比べ基本的に建設費がかさみます。しかも、高速を維持しようとするとなるべく直線に近いコースを取る必要があります。結果として、大都市では大深度地下利用が必須となってきますし、中央リニア新幹線のような山岳地帯ではトンネルだらけで、まずます建設費が高くなります。

常識的には、上海のように空港から都心まで数十キロを10分程度で結ぶような利用法がもっとも威力を発揮します。成田と羽田、約80kmを15分程度でリニアで結べば、二空港を一体的に運用することも可能になります。建設費も2-3兆円程度でしょうから、空港をもう一つ作るくらいですみます。ただ、こんな計画は中央リニア新幹線推進派は黙っていないでしょう。

JRのリニアはほとんど純粋の国産技術ですから、無駄にするのは惜しいのですが、このままでは政治的圧力でお蔵行きになるのは避けられそうもありません。こんなことで良いのでしょうか。(続き
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