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馬場正博: 元IT屋で元ビジネスコンサルタント。今は「A Thinker(?)]というより横丁のご隠居さん。大手外資系のコンピューター会社で大規模システムの信頼性設計、技術戦略の策定、未来技術予測などを行う。転じたITソリューションの会社ではコンサルティング業務を中心に活動。コンサルティングで関係した業種、業務は多種多様。規模は零細から超大企業まで。進化論、宇宙論、心理学、IT、経営、歴史、経済と何でも語ります。

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放送メディアのうそ
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オーソン・ウェルズの「火星人襲来」放送はパニックを引き起こした

ヨーロッパが前の月9月に第二次世界大戦に突入した1939年10月30日、ハロウィーンの前日にオーソン・ウェルズの監督でハロウィーンスペシャルとしてアメリカCBSラジオでH.G.ウェルズのSF「火星人襲来」が放送されました。この時、オーソン・ウェルズは一つだけ原作に大きな変更を加えました。放送は実際のニュースのような形式で行われたのです。

放送に先立ちフィクションであるとの注意は行われましたが、反響は圧倒的でした。約3千万人におよぶと推定される聴取者のうち2百万人近い人が実際に火星人の侵略が現に行われていると信じて、大パニックに陥ったのです。この事件は翌月ヒットラーが「退廃した民主主義の証拠」と演説で引用するなど、その後大きな影響を与え続けました。

関西テレビが「発掘!あるある大事典II」で納豆がダイエットに効くと放送して、納豆がスーパーの棚から消えてしまい、その後捏造だったと判明した事件は、パニックこそ引き起こさなかったものの、オーソン・ウェルズの「火星人襲来」放送と同じように、放送の影響力を思い知らされたという意味で大きな事件でした。

もちろん、「火星人襲来」と「発掘!あるある大事典II」とでは根本的な違いがあります。「火星人襲来」ではオーソン・ウェルズは緊迫感を演出するためにニュース放送のスタイルを用いただけで、何度か放送内容はフィクションであると注意した(それでも5%以上は、本当と思ってパニックになってしまったのですが)のに対し、「発掘!あるある大事典II」はあくまでも科学的真実であるという立場で放送を行ったのです。

日本の放送業界、特にテレビの情報番組は以前からヤラセの温床でした。 ヤラセが広く問題視されるようになったのは、1985年朝日放送(現テレビ朝日)はワイドショーで暴走族のリンチを演技させ事実として放送したことが最初と言われていますが、その後も毎年のように過剰な演出、まったくの虚偽などを事実として放送されたことが報道されています。

ヤラセ問題はテレビの専売特許というわけではなく、新聞でも過去から多くの虚偽報道が行われてきました。1989年に朝日新聞が「サンゴを汚したK.Y.ってだれだ」という記事で、カメラマン自身がサンゴ礁に「K.Y.」とナイフで傷をつけて撮影した事件。さらに戦後すぐの大誤報事件として有名な、逃亡した共産党幹部伊藤律とのインタビューを同じく朝日新聞が報じた件など、虚偽、やらせの数は少なくはありません。

しかし、新聞の場合は記者個人の功名心やあせりに起因するものが多いのに対し、テレビの場合は複数というより組織ぐるみがヤラセを行っいてたという点で大きな違いがあります。そもそもヤラセという言葉自身、「やむえざる演出の延長」というニュアンスがあり、新聞社に対する「虚偽報道」という言葉と罪悪感の面で大きな差があることがうかがえます。

それでは、ヤラセは必要悪なのでしょうか。テレビは映像を伴う、というより映像が主役ですから、映像がなくては困ります。「沢山の人が集まりました」というなら、「沢山の人の映像」がなくてはテレビとしては「絵にならない」状況になってしまいます。

魚釣りの名人を映すなら魚を取るところ、雪が降ったら雪合戦をやっている子供の絵が欲しいとなっても、必ずしも都合よく撮影できるとは限りません。どうしてもうまい映像が取れないなら、魚ならどこかで採ったものを今釣っているように、雪合戦ならそこらにいた子供に頼んで雪球を投げ合ってもらうくらいのことは許されるはず、いやそんなことまで止めていたら仕事にならない、そんな感覚はあるはずです。

しかし、このような習性が視聴率獲得の圧力や、毎週放送という時間制限のなかで次第に「何でもあり」という状況になってきます。これは推察で言っているのではなく、テレビで放映されている内容を少し見れば判断できることです。

たとえば、オカルトや超常現象の放送はどうでしょう。心霊写真でわけのわからないものが写っていたり、死体の場所をずばりとあててしまうというものです。このようなことがこの世の中で絶対にありえないかどうかはわかりませんし、別に否定しようとも思いません。しかし、テレビ番組で放送されているものは全て真っ赤なうそと断定してよいでしょう。少なくとも、まっとうな科学的判断の持ち主ならとても信用できないずさんな情報やヤラセで構成されていることは確実です。

これはテレビだけではありませんが、占いや、血液型運勢判断もよく使われるテーマです。視聴率が稼げるから、「ズバリ言うわよ」とかやっているわけですが、個人のレベルで信じるのは勝手であるにしても、テレビの影響力を考えると、「事実」と並べて放送するのは本当は変な話なのです。

コマーシャルにしても、化粧品を使って美しくなれるとか、家を建てたら家族が幸せになりましたという話しはともかく、「髪がどんどん生えてくる」「体脂肪がお茶で溶け出してしまう」「飲んだらとたんに元気はつらつ」というのは、どう考えても本当とは思えません。「コマーシャルだから誇張はみんなわかっているだろう」というのはおかしな話で、大金をかけてCMをうつのは信用してしまう人間がいるからです。この点「オレオレ詐欺」でひっかかる人間を探しているのと構造的には同じです。

関西テレビの「発掘!アルアル大事典II」に対する対応では、総務省から不十分だと指摘されていますが、再発などはもし本気なら、多少科学的訓練を受けた人間がレビューを行う体制を作れば、ほとんどは防止できます。要はやる気がない、と言うより「そんなことをしたら自殺行為だ」と思っているのでしょう。

しかし、本当の自殺行為は現在のようなうそと本当をまぜこぜにして放送してしまう体質を温存することです。テレビを含め既存のメディアはネットで流れる情報を無責任で不正確だと言って非難してきました。ところが、無責任で不正確な点では既存メディアも十分に悪質だったのです。

むしろ、ネットであれば極端な意見、情報はネットの中で批判され、比較的早く穏当で正確なレベルに収束してきます。これに対しテレビのヤラセ報道は対応が簡単なものでも、実際には対策が取られることもなく、またお互いにチェックをしあうこともなく体質化され温存されてきました。

「大本営発表」というと先の大戦中の日本の軍部の戦局の報道のことです。もっとも権威のある組織からのもっとも責任ある報道とされるべき「大本営発表」が戦後は「都合の良いことだけ並べたうその報道」の同義語になりました。

しかし、戦争中も日本国民の多くは末期には大本営発表を信じることが少なくなってきました。替わりに、「流言飛語」あるいは「デマ」と呼ばれた情報、「大日本海軍はもはや存在しない」「巨大戦艦は沈んでしまった」などが巷間ひそかに広まりました。結果としてみれば、権威はうそを並べ、デマは真実を伝えていたわけです。

テレビの視聴率の1%は100万人程度の人数になるでしょうから、依然としてネットの世界と比べて影響力は圧倒的です。ネットの世界の口コミで納豆がスーパーの棚から消えてしまうようなことはいまだに起きていないわけですから、実力差は歴然です。テレビ放送はデマと言いぬけはできません。大本営発表と同じ権威からの発信です。

とは言っても、世の中ではネットの情報の方をより信用し依存する人が増えてきています。ネットの世界はうそも間違いもありますが、修正も早く、使い方になれてくれば相当正確な情報を得ることができます。でたらめ体質から抜け出せないテレビより将来はずっと明るいでしょう。ホリエモンも楽天も何で既存のメディアとネットを融合したいなんて思うのでしょうか。
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ヤラセ問題を扱った映画
メディア先進国の米国では、このテーマを扱った映画がいくつか制作されています。
(1) クイズ・ショウ http://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=87
(2) ニュースの天才 http://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=10800

いずれも実話に基づいた作品で、(1)はクイズ番組のヤラセ、(2)は雑誌の虚偽報道。いずれも、虚構を作り上げる人間の内面の葛藤がうまく描かれています。

特に(2)では、スターウォーズ・エピソード2と3で格好いいアナキン・スカイウォーカーを演じたヘイデン・クリステンセンが、病的な面を垣間見せるスティーブン・グラスを好演しています。(ミーハーな話題ですみません x_x)
【2007/02/09 13:39】 URL | windance #- [ 編集]


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